2,200hpの GT-Rで世界を救う
この数週間に渡り、カーカルチャーは全て平等にしてくれると確信した。ガソリンを燃やし、タイヤを破壊する共通点は他では味わえない、人と人を繋げる力を持っている。どこから来ても、どんな肌の色でも、男女関係なくみんな車好きだ。
車のおかげで普段行けるはずのない世界も旅する事ができた。初めての国を訪れても、 同じ趣味があれば話す前からも相手とコネクションができ、とても気持ちいい。
今の時代はインターネットの掲示板でも人種差別、ハラスメント、いじめは存在する。しかしネット以外にお互いを尊敬し合い、本物の絆を作れる場所がまだあると知り、ホッとした。
もう既に「こいつは何を言っているのか?」と思っている人もいるかもしれないが、ここには大事な繋がりがある・・・
最近アメリカと中近東を同じ一言でいうと結果は良くない。お互いの情報のズレとぶつかり合いは良くない感情を生み出して来ている。以前カタールのカーカルチャーを紹介した記事でもコメント欄を見てみると残念な結果となっていた。
それはまた引き起こしたくない。
逆にスピードという共通点のためにカタールとアメリカが一丸となり、協力した話を紹介したい。
CHAPTER 2
メンバー紹介
このGT-Rのすごさを伝えるためには少し過去に戻らなければならない。分かっているかもしれないが、カタールのモータースポーツ歴史はまだ浅く、最近になってやっとカタールの車好きが自分を表現できる様になった。その中でもカタールの首都Doharから近いQatar Racing Clubがカタールのモータースポーツをサポートしている。QRCはカタールモータースポーツが自然に成長できる場所としてHE Sheikh Khalid Hamadが設立 した。
さらに、NHRAを見ていればすぐに分かる、Al Anabi Performanceの拠点だ。Al Anabiは過去にアメリカでドラッグレースで有名なクルーチーフAlan Johnsonの元で非常に成果を上げたTop Fuelチームを走らせていた。ベースは南カリフォルニアだった。
中近東でもドラッグレースが人気あるため、1マイルイベントに火がつくのも時間の問題であった。Sheikh Khalidはこのカテゴリーのために最強のGT-Rを作りたかった。
しかし単なるGT-Rではダメだった。強烈な加速に圧倒的な信頼性。そしてカタールの異常な暑さにも耐えられなければならなかった。 Al Anabiは最初テキサス州のBoost Logicと組みプロジェクトを始めた。当時のハイパワー車両は1500馬力発生していたがAl Anabiの目標は2200馬力だった。
この車両の特徴はフルボディー車両だということだ。レーシングカー用パイプフレームにボディーをかぶせたものとは違う。
Al Anabiは正確に内装を外し、 安全のためにFunny Carスタイルのロールケージを入れたが、シャーシ加工はそこまでであった。
外見がノーマルGTーRに似てるところが一番のポイントだと思う。
オリジナルメーターはMoTeC C125に取り替えられ、純正のヒーターコントロールはカーボンプレートに変更された。そこにデータをダウンロードできるポートを設置した。
ここには簡単なダイル式ブーストコントローラーがあり、 普段から限界に設定されている。その結果ブーストは4.1bar (60psi)になっている。
オリジナルステアリングとシフトパドルはそのまま使われており、内装に足されたものはアルミのパラシュートレバーだけだ。これを装備してる車は相当レベルが高いはず…
FINAL CHAPTER
チャレンジ
外見がこんなノーマルに見えてしまうと(1マイルアタック仕様の方はもっとおとなしくみえる)エンジンルームにすごいものが眠っていると思うはずだ。R35 GT-Rの場合、ボンネットを開けるとかなりおとなしい風景だ。VR38DETTに詳しくなければ、説明してもらわないとエンジンのすごさが分からないはずだ。
Al Anabiは魔法の数字を狙って市場に出ていた 最高級のパーツを揃い始めた。
その結果、外見はノーマルに見えるがエンジンは2000馬力を発生している。TiALブローオフバルブ、4インチインレット・フロントパイプ、Boost Logic レースクーラー、と追加インジェクターでエンジンポテンシャルも分かる。この車のテーマである、「おとなしさ」と「さり気なさ」のレベルが高い。そして実力も半端ない。
エンジンは4.0リッターにストロークされ、Al Anabiは自分達でヘッド周りを加工した。Boost Logicの2200シリーズターボチャージャーシステムを通して効率よく、リニアにパワーが出る様にしている。
そして信頼性は?このエンジンはすでに100回以上ゼロヨンを走っており、ハーフマイル走行は25回している。さらに、数えきれない程シャーシダイナモでトラブルなく回して来たので信じられない信頼性だ。大したものだ。
QRC サーキットで撮影した時はドラッグレースのセッテイング中だったので大きいMickey Thompsonスリックタイヤを履いていた。サスペンションはいつでもPenske 3 -way 調整式ダンパーを使用している。
この車には使い道が二つあるが、両方において優れている。ドラッグレースでは8秒前半のタイムで今後は7秒台の壁を破りたいそうだ。
先シーズンのQatar Mileイベントでは、1マイル仕様でハーフマイルで最高354.33km/h (220.2mph)を記録した。この時はブースト40psi(約1700-1800馬力)しか出していなく、当時はハーフマイル世界で2位の速さだった。
一ヶ月後に359.42km/h (223.3mph) で走ったので、ハーフマイルに対する情熱が伝わると思う。この領域でスピードを1マイル増やす事は大変であり、とんでもない時間と努力が必要だ。
Al Anabi は今後世界記録を狙っており、夏休み中にテストを重ねるので(この時期のカタールは暑すぎて競技はできない。)今後注目するべきプロジェクトだと思う。
まだポテンシャルを持つGT-Rはホコリの多い砂漠地帯でトラクションに悩まされている。2000馬力でトラクションがかかった場合、想像できるだろうか?
スピードと馬力のために蓋国が協力し合うとこうなる。別れるより、分かり合う。助け合い、お互いリスペクトする。これが前に進むための道だと思っている。一般の偏見に物事を任せず、カーカルチャーコミュニティーとして一緒に動き、こういう付き合い方をもっと進めるべきだと思う。
他人の趣味を馬鹿にする前に、相手の感覚を考えてみるのもいいと思う。間違った事をしていたら、手を差し伸べ、正しい道を教えるべき。誰も完璧ではないし、みんなどこかで学ぶ。貶す人ではなく、助ける人になって欲しい。それでみんなは得するだけだ。
スペック
Maxパワー: 2000hp+, Max トルク: 1032lbs/ft (1400Nm), 車重: 3930lb (1783kg)
エンジン
Al Anabi Performance スペックBoost Logic 4.0-litre エンジン, Boost Logic インマニ, Boost Logic 2200 タービンキット, Boost Logic レースクーラーw/ パイピング, 550lb 追加インジェクター, 240lb メインインジェクター, メカニカル Weldon 燃料ポンプ, Boost Logicカムシャフトw/ AAP ヘッド加工, Boost Logic 強化ブロック, MoTeC M150 セッテイング by AAP Mario
駆動系
Al Anabi Performance Stage 4 トランスミッション, Dodson ストレートカットギヤセット, ビレットセレクター, Dodson ロック, ベアリング, シム、ドラッグ アンチサージ プレート、 Dodson 12+12 クラッチ、 Cusco フロント・リヤデフ
足回り・ブレーキ
Penske 3-way サスペンション, Boost Logic Wilwood スモールブレーキキット, 外付けパラシュート
ホイール・タイヤ
ドラッグセットアップ: Forgestar ホイール (フロント), Weld Racing カスタムダブルビードロック 11インチ (リヤ) + Mickey Thompson 10.5-インチ タイヤ
マイル走行: Volk TE37, 18×10-インチ (フロント), 18×11.5-インチ (リヤ), Mickey Thompson ET ストリート
外装
ノーマル GT-R、ミラー外し
内装 内装外し、 8-点 ロールケージ w/ Funny Car スタイルドライバープロテクション、 MoTeC C125 ダッシュ
■詳細記事
http://www.speedhunters.com/2015/06/a-2200hp-gt-r-how-car-culture-can-save-the-world/