ストリート リーガル: A BNR32 GT-R Built For Speed
大人しく待っているが何も起きない。 ニュージーランド最速のストリートBNR32 GT-Rのハンドルを握り、アクセルを全開してから数秒間しか経っていないのに、永遠に感じる。そしてまるでライト スイッチがONになったかの様に、 全てが強烈な加速に包まれた。
すぐにシフト アップする誘惑がある。「そこからが楽しいんだ!」と言われたが、今日は遠慮しておく。自分の車でもなく、オーナーのChrisもきっと今日の取材で警察に車を没収されたくないだろう。車が早いことはよく分かる。しかしチューニングGT-Rの基準で言えばこの89年モデルのパワーは大したことない。直6エンジンから発生してる580馬力は十分だがトップ クラスのエンジンに比べるとおとなしい。
しかしいくら580馬力でも気をつけないと様々なトラブルに巻き込まれる。ニュージーランドの速度制限は100キロなので特に気をつけなければならない。このGT-Rはその3倍のスピードが出せるはずなので、ここよりも夜中の湾岸アクアラインを走っている方がお似合いかもしれない。特にこの車は90年代に流行った日本の高速レースから影響受けて作られた車だから。
高速ハイスピードのために作られた仕様だが、クリスはできるだけサーキットでも乗っている。街乗りでもこのGT-Rは非常に乗りやすい。もちろんとんでもない加速も出る。ターボラグは普通避けたい現象だが、運転席からはあまり気にならない。街乗りで聞こえて来る美しいエンジン音で全てが忘れられる。自分の場合はそうだった。
外見を見ればChrisのセンスの良さも分かってもらえると思う。彼が所有する車は全てこういったテイストだ。R32にはVolk Racing TE37がベストだと 思うが、今回は特別のSuper Lap (TE37SL) を18 x 10インチで決めて来た。
265/35R-18 Bridgetown Potenza RE-11を履いたGT-Rは、Tein Flex車高調整を使っている。それ以外にCuscoの補強パーツがたっぷり使われている。もちろんフロントとリア スタビライザーも交換済み。ブレーキはスロット入りのローターとEndlessのパットを使っている。
RB26エンジンもしっかりアップ グレードされている。容量はノーマルと同じ2.6リッターだが鍛造ピストンとコンロッドを使い,強度を上昇。DOHC 24バルブシリンダーヘッドには東名パワードのカム シャフトとバルブ類を組み込んでいる。
Garrett T04R (akaT67) のタービンはローマウントのエキマニに取り付けられている。エア インテイクはApexiパワーフローを使い、日産Z32のエアフロ メーターと組み合わせている。ブースト コントロールはHKS GTウェーストゲートとApexi AVC-Rを使い、1.8キロのブーストをキープしている。
Aeromotive A1000燃料ポンプを使って大容量のガソリンをエンジンに送り込んでいる。大容量インジェクターとデリバリー パイプ、Aeromotive燃圧レギュレータとステンレスホースで燃料システムを完成させている。
もちろんそれ以外に大型GReddyフロント マウント インタークーラー、フィルター リロケーションキット付きHKSオイルクーラーも使っている。ラジェータも交換している。日本のテーマを続けて、 アペックスPower FCを使ってセッティングされている。
エンジンルーム内のパーツは魅力的だが、やはりトータル パッケージとして完成されたところがポイントだ。
ハイパフォーマンス仕様なのに外見はおとなしい。毎朝このフロントマスクを見るのが楽しいはずだ。
最近ノーマルGT-Rのウィングを使っている車は少ないが、プロフィールを見ると逆に取り外すしたい気持が分からない。ニスモのフロントバンパー、リップスポイラーとのマッチングは最高だ。Gannadorのミラーもいい味を出している。
リアにはカーボン ファイバーのアンダー バンパー ディフューザーとNagisa Auto LEDテールランプを使って、シンプルで効果的なリアビューに仕上がっている。そう思いませんか?
内装もシンプルなアプローチを使っているが、GReddyのメーターがちょっと多いような気が…
年齢を重ねて来たノーマルフロントシートはBrideのLow Max リクライナーに変えられ、Willlansハーネスベルトが取り付けられている。これでサーキットもバッチリだ。
機能性をバッチリ守っているインテリアだ。
パッと見、95年時代のオプション マガジンに出てくる車にも見える。
他のレポートでも伝えてきたが、ニュージーランドではスカイラインは人気がある。R32は正式に販売されなかったが、20年以上古い車の輸入規制がゆるいため、人気が今上昇している。
自分もジャーナリストになってから何台か乗る機会があったが、1台だけ選べと言われたらこの車になるだろう。そして何も変えないだろう。
しかしChrisはエンジンのアップグレードをまだ考えている。詳しい仕様はまだ決めてないが、 東名のストローカーキットとツインターボ仕様も視野に入れている。そうすればGT-Rターボラグもなくなり、また車のキャラクターも変わるだろう。その時は是非また乗ってみたいものだ。
http://www.speedhunters.com/2013/06/street-regal-a-bnr32-gtr-built-for-speed/