ストリートからサーキットへ
ストリートが今の車カルチャーを生み出した。ハリウッドが作り上げた偽世界ではなく、80年代から90年代にロサンゼルスの工業団地で行われていた違法のストリートレースが新しい業界を生み出し、全米と広がっていった。
2000年を超えてからも勢いは止まらず、全てがエスカレートしていた。そのため、罰金もペナルティーも厳しくなる。レースで捕まったホンダ車と日産車はそのまま取り上げられ、ドライバーは刑務所に入れられて、ギャンブルしていた賞金も没収された。
ロングビーチからカナダまで広がった社会的現象であり、この車のオーナーのSasha Anis はカナダ警察から逃げようとし、免許証取り上げられたのであった。
Sasha はそこで反省し、愛車のS1 4をサーキット専用の仕様に変え、自分のパフォーマンスチューニングビジネスを始めた。
1年間免許証を取り上げられたためサーキットでしか運転ができなかったが、トラックとトレーラーを買ってS14をドリフト用に変えた。
そのドリ車はサーキット仕様に進化していき、Canadian touring car championshipのGTクラスを優勝するマシンにまで成長した。Sasha その時レースというものを考え直した。目標をもっと高く設定し、S14 をバラバラにして元Koni Challenge 350Z を手に入れた。
VQ35HRエンジンはオーバーホールし、ドライサンプ加工、シーケンシャルミッション、と6連スロットルボディーを加えた。
もともとKoni challenge に参加したかったためこの車を安く買った。シリーズでは1番戦闘力が低かったため価格も安かった。Sasha はその戦闘力を大幅に上げることになった。
バックアップカーを務めていたこの車は現在、カナダの最速unlimited RWD time attack車両だ。サーキット走行はもちろん、スプリントカーレースにも参戦している。しかしこの実績は長年の苦労を終えてやっと手に入れたものだ。
今でもクランクアングルセンサーを食いちぎったフライホイール、1度も正常に動作しなかったシーケンシャルミッション、カムセンサーの不調と戦っている。
レースを始めた2008では、Sasha は小さなピックアップトラックとトレーラーでレースに登場。周りは53ftの大型トラックを使っていたが、彼達は他のチームの20分の1の予算で動いていた。
2009年には3時間耐久レースをゲームソフトメーカーYuke’s 社の谷口ユキノリ氏と一緒に参戦し、優勝した。 その勢いでVQ35HRエンジンを載せ替え、エアロも大幅に改造し、カーボンファイバー製のドアとエアボックスも追加。シリンダーヘッドの加工により460馬力が可能になった。
14年前ストリートレースで使っていたSR20DET スワップのS14に比べ、大きな進歩だった。もうストリートで走りたいとは思わないようだ。
あれからOnPoint Dyno というモータースポーツマネジメント、車両開発、Dynapack セッティング、ドライビングスクールサービスを提供している会社を立ち上げた。
今では夜中に暴走していた時代が遠い、遠い昔の思い出。
Sasha は現在車のいろいろなアドバイスをしているが、1番伝えたい事は、ストリートでは馬鹿なことをするな。意味のあることをしろ。自分がそれで救われた。と自らの経験を使ってアドバイスをしている。
03 NISSAN 350Z
オーナー SASHA ANIS
出身地 TORONTO, CANADA
職業 ONPOINT DYNO
代表
パワー 385 hp; 295 lb-ft torque
エンジン VQ35HR 、カスタムJE Pistons社/Jim Wolf Technology社 ピストン; GT-R ロッド ボルト; VQ37VHR クランクシャフト; Jim Wolf Technology社 カムシャフト ・バルブスプリング; ATI 社 クランクシャフト プーリー; Dailey Engineering社 ドライ サンプ オイル システム、セパレーター ; Peterson Fluid Systems社 圧力 レギュレータ・ ドライサンプタンク; OnPoint Dyno製 Jenvey6連スロットルボディーシステム; C3 Carbon Composites社 カスタム エアボックス; SG-Motorsport社 エキマニ ・ 3.5” マフラー; Injector Dynamics社 725cc インジェクター; Fuel Safe社燃料タンク ; Bosch社 044 燃料ポンプ; Facet社 リフト ポンプ; Ron Davis Racing社 ラジエーター ; カスタム スワール ポット; Setrab社 エンジン オイル、デフ クーラー
駆動系 Quaife社 シーケンシャル ミッション; カスタム アルミ製 ドライブ シャフト; NISMO社 GT-Pro 1.5-way LSD デフ; 4.08 リヤ ファイナル ギヤ; Tilton社 トリプルカーボン クラッチ、クラッチ スレーブ シリンダー ;Texense社 ストレイン ゲージ
ECU
MoTeC 社M800 システム, TCMux社 トラクション コントロール , ADL2社 ダッシュロガー , PDM15; カスタム Sakata Motorsports Electronics社/OnPoint Dyno社配線ハーネス
足回り・シャーシ Koni社 4-way ダンパー; Swift Racing社 スプリング ; Unitech Racing社 フロントアッパー コントロール アーム ; SPL スフェリカル ベアリング , フロント タイロッド , リヤ キャンバー アーム、リヤ トーリンク 、リヤ トラクション ロッド; 350 EVO社 アンチロールバー; カスタム アルミ製 リヤ サブフレーム ライザー ブッシング
ブレーキ StopTech社 ST-40 フロント キャリパー, フロント・リヤ Aerorotor社 ローター ; Unitech Racing社 フロント ダクト ; Project Mu社 Club Racer パッド
ホイール・タイヤ
18×12” +20 Volk Racing社 ZE40 ホイール; 325/660-18 Pirelli社 P Zero スリックタイヤ; カスタム 22mm ホイール スペーサー; ARP社 ホイール スタッド
外装 C17 社 メデイア ラップ ; C3 Carbon Composites社 フロント スプリッター、ドア、ルーフスキン; Rocket Bunny 社フロント オーバーフェンダー; OnPoint Dyno社フロントバンパー エクステンション; レクリカ ボンネット・サイド ステップ; DJ Engineering社 リヤ ウィング; Seibon社 カーボン製リヤ テールゲート ; Crown Carbon Crafting社 リヤ オーバーフェンダー
内装 Recaro社 Pro Racer シート; Sparco社 ステアリング; Unitech Racing社 ロールケージ ; Lifeline 社 システム式消火器システム
URL onpointdyno.com
http://www.superstreetonline.com/features/1706-2003-nissan-350z-a-turn-of-events/