2014ル・マン24時間耐久 - イベント・レースレポート

スポーツカー専門 GTNET

  1. スポーツカーの中古車ならGTNET
  2. 海外イベント・レースレポート
  3. 2014ル・マン24時間耐久
2014年6月18日 更新

ル・マン24H、波乱の末に2号車アウディが勝利!

順調にトップの座をキープしてきた1号車アウディ。2番手につける20号車ポルシェとの差はおよそ1周。このまま順調に事が進めば、ル・マン2連覇を果たせる予定だった。しかしやはりレースは水モノ。午前11時を過ぎて1号車が第1シケイン先で急にストップ。再び走り出したが、レーシングスピードが確保できず、ピットにクルマを止めることに。結果として20号車ポルシェが暫定トップに立った。だが、この20号車も決して安泰とはいえない状態。すぐ後方から2号車アウディが勢いに乗ってあっという間にトップに詰め寄った。

決勝のゴールまで残り3時間を切る頃、ついにトップの20号車ポルシェと2位の2号車アウディとの差が1分を切る。もともと1周の差があった2台だが、2号車のロッテラーがファステストラップを乱発し、レースはトップ争いが俄然面白みを増してくる。しかし、この後2台の攻防戦は思わぬ形で終焉へ…。なんと、12時30分を過ぎて、20号車ポルシェがイレギュラーピットインを実施。チームはエースドライバーのウェーバーに健闘を期待してドライバー交代を実行したのだが、この直後にエンジントラブルが発生。スローダウンながらピットにクルマを戻せはしたが、最終的にはその勇姿をファンの前に見せることは果たせなかった。

こうして晴れて2号車がトップに立つと、あとは盤石の走り。トレルイエ、ロッテラー、ファスラーによる優勝は2011年から3度目の偉業となっている一方でトヨタは8号車TS040ハイブリッドが3位で表彰台を確保。荒れたレース展開の中でもしかとチームの底力をアピールする形となった。

◎ル・マン24時間レース決勝結果(総合トップ3および各クラストップ)

1.LMP1 No. 2 アウディR18 e-トロン・クワトロ(M.ファスラー/A.ロッテラー/B.トレルイエ)379Laps
2.  LMP1 No. 1 アウディR18 e-トロン・クワトロ(D.グラッシ/T.クリステンセン/M.ジェネ)376Laps
3.LMP1 No. 8 トヨタTS040ハイブリッド(A.デイビッドソン/N.ラピエール/S.ブエミ)374Laps

LMP2
1.No.38 ザイテックZ11SN・ニッサン(S.ドラン/H.チンクネル/O.ターベイ)356Laps
LMGTE Pro
1.No.51 フェラーリ458 イタリア(G.ブルーニ/T.バイランダー/G.フィジケラ)339Laps
LMGTE Am
1.No.95 アストンマーチン・バンテージV8(K.ポウルセン/D-H.ハンソン/N.シーム)334Laps

 

Text & Photo : 島村元子 / Motoko SHIMAMURA

  • GN_LeMans_Final_AfterRace



  • 2014年6月16日 更新

    ル・マン24H、20時間が経過。1号車がトップに

    早朝に総合トップの座を掴んだ2号車アウディ。しかしながらその牙城はもろくも崩れ去ることになった…。後半戦を迎えた今年のル・マン24時間。午前5時を迎える直前、それまで極めて順調にトップを走行していた7号車トヨタに代わり、2号車がトップの座に納まっていたが、2時間もしないうちにターボトラブルに見舞われてしまう。結果、20分を超える修復作業を終えてピットに戻ったときには僚友の1号車が代わってトップに立つこととなり、さらには20号車ポルシェにまで先行される。

    3番手にポジションを落とした2号車だったが、このままでは終わらない。ステアリングを握るアンドレ・ロッテラーがこのタイミングながら、ファステストラップをマークする攻めの走りに徹し、あっという間に前との差を縮めていく。結果、2位20号車とは1周の差が同一周回となり、現在もなお猛追中。一時は7号車トヨタの独壇場だったトップの座を巡り、終盤はさらに攻防戦が激しくなりそうな勢いだ。

     

    ◎ル・マン24時間レース途中結果(15日11時・15時間経過/総合トップ3および各クラストップ)

    1.LMP1 No. 1 アウディR18 e-トロン・クワトロ(D.グラッシ/T.クリステンセン/M.ジェネ)314Laps
    2.LMP1 No. 20  ポルシェ919ハイブリッド(T.ベルンハルト/M.ウエーバー/B.ハートレー)+1Lap
    3.LMP1 No. 2  アウディR18 e-トロン・クワトロ(M.ファスラー/A.ロッテラー/B.トレルイエ)+2’02.7976

    LMP2
    1.No.46 リジェJS P2・ニッサン(P.ティリエ/L.バデイ/T.ゴメンディ)294Laps
    LMGTE Pro
    1.No.51 フェラーリ458 イタリア(G.ブルーニ/T.バイランダー/G.フィジケラ)281Laps
    LMGTE Am
    1.No.95 アストンマーチン・バンテージV8(K.ポウルセン/D-H.ハンソン/N.シーム)277Laps

     

    Text : 島村元子 / Motoko SHIMAMURA



    2014年6月15日 更新

    ル・マン24H、15時間が経過。トップは2号車アウディに

    夜の帳が開け、早朝の戦いを迎えたル・マン24時間レース。スタートから15時間を経過し、レースは思わぬ方向へと進んでいった。まず、順調にトップで周回を重ねていた7号車トヨタ。午前5時を前に、中嶋一貴が再びコースへと向っていく。だが、突如として電気系のトラブルが発生。まだ暗闇残るコース上にクルマを緊急停止させた。電気トラブルであるのか、チームスタッフはコクピット内の中嶋と携帯電話で連絡。ピットにクルマを戻す術をしばし探していたのだが、策は見つからず。ル・マン初優勝を目指して渾身の走りを続けていたが、その夢が砕け散ってしまった。
    7号車はその後、正式にリタイヤを発表。これに代わってトップにたったのが2号車アウディ。ル・マン優勝の経験を持つブノワ・トレルイエが隙のないレース運びで新たな首位の座を築いていった

    一方、他のクラスでは緊迫した僅差の戦いから少し形が代わり、次第に差がつきはじめてはいるが、ワンミスや小さなアクシデントによっていくらでも順位が入れ替わる可能性が大きいともいえる状況だ。

    ◎ル・マン24時間レース途中結果(15日6時・10時間経過/総合トップ3および各クラストップ)

    1.LMP1 No. 2  アウディR18 e-トロン・クワトロ(M.ファスラー/A.ロッテラー/B.トレルイエ)237Laps
    2.LMP1 No. 20  ポルシェ919ハイブリッド(T.ベルンハルト/M.ウエーバー/B.ハートレー)+3Laps
    3.LMP1 No. 1 アウディR18 e-トロン・クワトロ(D.グラッシ/T.クリステンセン/M.ジェネ)+3Lap

    LMP2
    1.No.35 リジェJS P2・ニッサン(A.ブランドル/J.マルデンボロ/M.シュルツイスキー)221Laps
    LMGTE Pro
    1.No.51 フェラーリ458 イタリア(G.ブルーニ/T.バイランダー/G.フィジケラ)210Laps
    LMGTE Am
    1.No.95 アストンマーチン・バンテージV8(K.ポウルセン/D-H.ハンソン/N.シーム)207Laps

     

    Text : 島村元子 / Motoko SHIMAMURA



    2014年6月15日 更新

    ル・マン24H、10時間が経過。トヨタの7号車が首位をキープ

    序盤の荒れた天候を経て、その後は落ち着いた天気に恵まれているル・マン。午後3時のスタートから10時間が経過したが、その中でトップの7号車トヨタは粛々と安定したラップタイムを刻み続け、首位の座をキープし続けている。
    トラブルフリーの走行を見せているのは7号車、そして7号車を追随中の2号車アウディ。この2台のみが同一周回数でラップを重ねており、暫定3位の1号車アウディは1周遅れ。さらにポルシェの2台はスローパンクチャーやマイナートラブルでピットでの作業が長引くなどして順位を下げている。

    そんな中、僅差のトップ争いをしているのが、LMGTE Pro。ルーティンワークのピットインごとにクラストップの座が入れ替わるという混戦ぶりだ。

     

    ◎ル・マン24時間レース途中結果(25時・10時間経過/総合トップ3および各クラストップ)

    1.LMP1 No. 7 トヨタTS040ハイブリッド(A.ブルツ/S.サラザン/中嶋一貴)154周
    2.LMP1 No. 2 アウディR18 e-トロン・クワトロ(M.ファスラー/A.ロッテラー/B.トレルイエ)+2’08.814
    3.LMP1 No. 1 アウディR18 e-トロン・クワトロ(D.グラッシ/T.クリステンセン/M.ジェネ)+1Lap

    LMP2
    1.No.35 リジェJS P2・ニッサン(A.ブランドル/J.マルデンボロ/M.シュルツイスキー)143Laps
    LMGTE Pro
    1.No.97 アストンマーチン・バンテージV8(D.ターナー/S.ミュッケ/B.セナ)136Laps
    LMGTE Am
    1.No.95 アストンマーチン・バンテージV8(K.ポウルセン/D-H.ハンソン/N.シーム)135Laps

     

    Text : 島村元子 / Motoko SHIMAMURA



    2014年6月15日 更新

    ル・マン24Hレース、5時間が経過。トップはトヨタの7号車

    14日、午後3時にスタートを切ったル・マン24時間レース。今年のスターターを務めたのは、F1ドライバーのフェルナンド・アロンソ。強い日差しが照りつけるなか、54台の車両がフォーメーションラップを切った。
    レースを前に天気予報は雨が降ると伝えていたが、早速フォーメーションラップの時点で小雨が降り始める。その後ほどなくして止んでしまったのだが、開始1時間半を前に第1シケイン辺りから天気が大きく崩れ、あっという間に雨になってしまった。
    すると最上位クラスの8号車トヨタと3号車アウディがGTEAmクラスの1台を巻き込んだ大クラッシュを引き起こし、コース上にクラッシュパーツが散乱する事態に。これでセーフティカーが導入され、40分近くレースがコントロールされてしまった。
    レースはその後一旦再開するも、またも急激な雨がコースを覆い、2度目のセーフティカーへ。結局、コンディションが落ち着いたのは、午後6時を回ってからだった。
    一方で、それぞれ1台ずつクラッシュしたアウディとトヨタは明暗を分けることに。3号車は修復不可能な状態でその場でリタイヤしたが、8号車はフロント部をほとんど失うもピットに復帰。50分近い修復時間を要したが、現在、安定したタイムを刻み続けている。また、予選2位からスタートを切った14号車ポルシェ。いきなり燃料計トラブルを発生し、ガレージへクルマを戻したが、修復後は5周遅れで周回を重ねている。
    さらに、特別枠で出場した0号車ZEODは、開発ドライバーを長らく務めていたウォルフガング・ライプがスタートを切ったものの、6周目走行中に駆動系トラブルを発生、アルナージュの先でクルマを止めてしまった。クルマを降りて再起動させるべく尽力したライプではあったが、惜しくも思い叶わず。ル・マンの1周14km弱の距離をEV走行するという目標は朝のウィー夢アップ走行時に達成したが、決勝での24時間走破という大きな目標をクリアすることなく、戦いを終えることになった。
    レースは午後6時過ぎから再び天候が安定し、強い西日がサーキットを照らし続けている。トップは7号車トヨタ。ライバルや僚友がアクシデントに巻き込まれるのを尻目に、順調にメニューをこなしているところだ。

     

    ◎ル・マン24時間レース途中結果(20時・5時間経過/総合トップ3および各クラストップ)

    1.LMP1 No. 7 トヨタTS040ハイブリッド(A.ブルツ/S.サラザン/中嶋一貴)72周
    2.LMP1 No. 2 アウディR18 e-トロン・クワトロ(M.ファスラー/A.ロッテラー/B.トレルイエ)+1’44.060
    3.LMP1 No.20  ポルシェ919ハイブリッド(T.ベルンハルト/M.ウエーバー/B.ハートレー)+2’10.011

    LMP2
    1.No.35 リジェJS P2・ニッサン(A.ブランドル/J.マルデンボロ/M.シュルツイスキー)67Laps
    LMGTE Pro
    1.No.74 シボレー・コルベットC7(O.ギャビン/T.ミルナー/R.ウエストブロック)64Laps
    LMGTE Am
    1.No.98 アストンマーチン・バンテージV8(P.ダラ-ラナ/P.ラミー/C.ニギャルド)64Laps

    Text : 島村元子 / Motoko SHIMAMURA



    2014年6月13日 更新

    ル・マン24時間、中嶋一貴が日本人初ポールポジション獲得!

    ル・マン24時間レースの予選2日目が行われた6月12日。3回目のセッションで中嶋一貴のNo.7 トヨタTS040ハイブリッドがトップタイムをマーク、ポールポジションを獲得した。日本チーム&日本人ドライバーという組み合わせによるポールポジションは史上初となる。

    前日同様、強い日差しが照りつける天気となった予選2日目。この日は、セッションが2回設けられており、各チームとも初日のベストタイムを更新すべく、早速アタックラップに入っていく。一方、初日は駆動系トラブルで十分な走行を続けることができなかったNo.0 ニッサンZEOD RC。まずは本山哲がコースインし、ル・マンの特設コースを初計測、順調に周回を重ねていった。だが開始45分にして、セッション初の赤旗中断があり、さらには残り時間30分強で2度目の赤旗が提示されるなど、アタックチャンスを失ったチームも少なくないはず。しかしながら、残り15分ほどで再開されたセッションでチームベストタイムを更新するチームも出現。そしてその中のひとりがNo.7 トヨタTS040ハイブリッドをドライブする中嶋一貴だった。

    中嶋はチームベストタイムを3周続けて更新、ポジションも4番手から2番手へ、そしてセッション終了直前には3分22秒589のタイムをマークし、トップへと躍り出る。ライバルたちも負けじとそれぞれベストタイムを塗り替える活躍をみせたが、中嶋のタイムには及ばず。まずは暫定ポールポジションを手にした。一方、前日の予選1回目、そして2日目の予選2回目で赤旗が重なったことから、最後のセッションは予定を30分延長。合計2時間30分で行われることとなった。

    日没を前にしてコースインしていた7号車の中嶋。セッション開始15分を前に、あっさりと自己ベストタイムを更新。3分21秒789の好タイムをマークすると、ライバル達もこれに感化されたようにタイムアップ。だが、中嶋のタイムには及ばない。昨年の予選セッションでは全予選セッション終了前の10分でポールポジションが決まったが、今年は終盤になって黄旗が提示されるなど不安定な条件が重なり、逆転劇もならず。結果、中嶋一貴が日本人初となるポールポジションを獲得している。

    2日にわたる予選を終了したル・マン24時間。金曜日は走行セッションが実施されず、ピットウォークやル・マン市内でのパレードなど、ファンサービスの一日となり、待ちに待った決勝レースは14日・土曜日の午後3時に号砲を迎える。

    ◎予選総合結果(各クラストップ)
    LMP1 No.7 トヨタTS040ハイブリッド(A.ブルツ/S.サラザン/中嶋一貴)3’21’789
    LMP2 No.46 リジェJS P2・ニッサン(P.ティリエ/L.バデイ/T.ゴメンディ 3’37.609
    GTE Pro No.51 フェラーリ458 イタリア(G.ブルーニ/T.バイランダー/G.フィジケラ)3’53.700
    GTE Am No.81 フェラーリ458 イタリア(S.ワイアット/M.ルゴロ/S.バード)3’54.665

     

    Text & Photo : 島村元子 / Motoko SHIMAMURA

  • GN_LeMans_0613



  • 2014年6月13日 更新

    ル・マン24時間、初日のトップはポルシェが奪取

    6月11日、快晴に恵まれる中、ル・マン24時間レースの予選が行われ、今季16年ぶりに耐久レースへと復活したポルシェがその勢いに乗ってトップタイムをマークしている。

    2日間にわたる公開車検を終えて、レースモードへと次第に高まってきたル・マン。この日は夕方4時から4時間のフリー走行がスタート、さらにその後は2時間の予選を経て、さらに準備を進めていくことになる。

    まずは西日が強くなる午後4時から始まったフリー走行。日陰に入ると風も爽やでコンディションは極めて安定している。まず各車ともクルマのセットアップを確認しようとコースへと飛び出していった。しかしその一方で、鳴り物入りで搭乗したNo.0 ニッサンZEOD RCがコース半周で駆動系トラブルによりストップ。ユニークなフォルムのクルマは、このあと、一度もセッション中に姿を見せることはなかった。

    さらには、セッション開始から1時間強の時点で昨年のル・マン覇者であるNo.1 アウディがポルシェカーブの先、フォードシケイン近くで大クラッシュ! 運転していたのは日本でSUPER FORMULAに参戦中のロイック・デュバルで、一時はあまりの惨事にサーキットは騒然となった。

    ハイスピードコーナーでのクラッシュだったこともあり、デュバルは命に別状はないものの、ル・マン市内の病院に搬送され検査入院。足を負傷しており、今後の出走は難しいといの理由で、のちに所属チームのアウディからドライバー交代の申し出があった。一方で、ほぼリアセクションが大破したクルマはスタッフの献身的な作業により、翌日には修復が完了。予選2日目のセッションに挑む予定だ。

    結果、波乱の幕開けとなったフリー走行セッションでトップタイムをマークしたのは、No.8 トヨタ。これを僅差でNo.2 アウディが追い、3番手にはNo.7 トヨタが続いたが、その後の予選アタックでは、その様相がにわかに変化する。

    午後10時。いよいよ決勝レースに向けて、タイムアタックがスタート。序盤から勢いよくアタックを行ったのが、ポルシェの2台だった。まず14号車がトップに躍り出ると、その5分後には20号車が3分23秒157のトップタイムをマーク。先のフリー走行で8号車のトヨタがマークした最速タイムを塗り替えた。

    一方、トップタイムを奪取されたトヨタはセッション残り時間1時間を切って、7号車がコースへ向ったものの、すぐさまエンジン油圧の低下によるトラブルでコース上にストップ。さらにその直後には、GTカーがクラッシュ。セッションそのものはチェッカーまで1時間弱の時間を残していたが、コース上やガードレールなどの修復に時間がかかるという理由から、この赤旗をもってその後の走行は見送られることになった。

    よって、予選1日目のトップは20号車のポルシェが獲得。2番手にはその僚友である14号車が続き、トヨタは3、4番手。アウディは2、3号車が5、6番手につけている。

    ◎予選1回目結果(各クラストップ)
    LMP1 No.20 ポルシェ919ハイブリッド(T.ベルンハルト/M.ウエーバー/B.ハートレー)3’23.157
    LMP2 No.26 モーガン・ニッサン(R.ルシノフ/O.プラ/J.キャナル)3’38.843
    GTE Pro No.51 フェラーリ458 イタリア(G.ブルーニ/T.バイランダー/G.フィジケラ)3’54.754
    GTE Am No.72 フェラーリ458 イタリア(A.ベルトリーニ/V.シェイタル/A.バソフ)3’56.787

     

    Text & Photo : 島村元子 / Motoko SHIMAMURA

  • GN_LeMans_0612



  • 2014年6月11日 更新

    ル・マン24時間、公開車検を終える

    ■ル・マン24時間、公開車検を終える

     

    6月8、9日、フランスのル・マン市街地において、ル・マン24時間レースの公開車検が行われ、日本のレースでもお馴染のドライバーやチームもお目見えしている。

     

    ・元F1ドライバー、M・ウェーバーの登場に沸く

    自身、15年ぶりのル・マン出場となったマーク・ウェーバー。ポルシェチームからの参戦となるが、そのポルシェも16年ぶりのル・マン復活を迎えている。ポルシェの参戦で、トップクラスのLMP1は、アウディ、トヨタ、そしてポルシェの三つ巴となり、メーカーの威信をかけた戦いになるのは必至。それぞれ異なるエンジン、燃料、エネルギー貯蔵システムを採用。メリットを伸ばし、デメリットをスポイルさせるか、がカギとなる。

     
    Mウェーバー


    ・トヨタ、悲願の優勝なるか!? 

    ハイブリッド車による3年目の参戦を迎えたトヨタ。今シーズンは開幕戦、第2戦において8号車が優勝、その勢いでル・マン優勝の悲願達成といきたいところ。ただ、その一方で、日本人ドライバーの中嶋一貴がドライブするのは7号車。今季はまだ1度しか表彰台に上がっていない。だが、中嶋によると「レースに向けての準備はいい流れの中にある。もちろん優勝を狙っていきたい」と意気込む。

     

    中嶋一貴

    TS040

     

    ・ベストパフォーマンスを求めて…

    今シーズン、万全の体制でレースに挑むことになったのは、ル・マン24時間レースに唯一の日本人ドライバーとして参戦する井原慶子。テストデーの後、ハードなフィジカル&メンタルトレーニングをチームスタッフとともに体験済み。充実した環境でレースができると、コメントしている。

     

    井原慶子

    本山-ルーカス

    中野信治

     

     

    一方、電気駆動レーシングカー「ニッサン ZEOD RC」でチャレンジするのは、本山哲。2年前の参戦では他車との接触でリタイヤに終わっているだけに、今回はこのユニークな車両での完走に意気込む。また、パートナーのひとり、ルーカス・オルドネスはゲーマー出身のドライバーながら、今季からは日本のSUPER GTでGT300クラスにチャレンジする注目のドライバーだ。

     

    そして急きょ参戦が決まったのが、中野信治。当初は昨季同様、LMP2での参戦を目標に準備していたのだが、日本チームのタイサンからチャレンジすることに。ル・マンでのGTカー参戦が初めてとはいえ、抱負なキャリアを活かした活躍に期待したい。

     

    2日間にわたる公開車検が終了し、火曜日はサーキット内で「オートグラフセッション」、日本のレースでいうピットウォークが行われた。水曜日からはいよいよ実走行がスタート。現地時間の夕方4時から8時までフリー走行、そして午後10時から深夜12時までが予選1回目が行われる。

     

    Text & Photo : 島村元子 / Motoko SHIMAMURA

     



    2014年6月11日 更新

    ル・マンでトヨタ、アウディ、ポルシェが真っ向勝負に挑む!

    今年もまたル・マン24時間レースの季節が巡ってきた。6月8日から始まるル・マン市中心部で行われる公開車検を皮切りに、ナイトセッションでの予選タイムアタック、そして24時間にわたる激しいバトルが繰り広げられる。

    トヨタv.sアウディから、三つ巴の戦いへ

    今年で82回目の大会開催を迎える「ル・マン24時間レース」。フランス・サルト・サーキットにはまた世界各国から熱心な耐久レースファンが押し寄せる。いわゆる「お祭り」としてのイメージが先行するレースだが、それは観戦を楽しむファンに言えることであり、参戦する者たちにとっては、いつの時代も過酷なレースであることにに代わりはない。

    中でもプロドライバー、メーカーが腕を競うLMP1クラスにおいては常勝アウディに3年前からトヨタが挑み、ル・マンだけでなく、シリーズ戦(WEC/世界耐久選手権レース)でもしのぎを削っている。さらに、今年はル・マンで最多勝利数を誇る名門柱の名門、ポルシェが復活。なんと16年ぶりの復帰となる。今シーズンは、開幕戦で雨の中、強行な戦略が裏目に出たアウディに対し、着実なレース運びでトヨタが先勝。続く第2戦でも、トヨタが速さをしっかりアピールし、連勝を果たしている。一方でアウディは今シーズンのレースレギュレーションに、今ひとつ合わせ込めていない感が強い。2010年から続く、連勝記録更新がかかる今大会だが、前哨戦のシリーズ2戦では、これまでのアウディらしさが薄れており、本番ではいかに帳尻を合わせるのか、気になるところだ。一方で、「復活組」のポルシェは今シーズンよりも、これからを見据え、着々と計画を進めている様子。開発段階で数々のトラブルに見舞われながらも、そのシューティングに尽力。速くも第2戦スパ・フランコルシャン戦でポールポジションを手にするという底力を見せることに成功した。レース中の速さもライバルと比較しても遜色はなく、あとは耐久レースに不可欠な「信頼性の高さ」の深めていくことが課題となっている。

    日産が提唱するEVレースカー

    ル・マン24時間レースでは、新たなコンセプトでレースに挑む“チャレンジャー”に対し、特別枠を設けてレース参戦を招待するというユニークな取り組みをしている。それが「ガレージ56」と呼ばれるものだ。

    そのガレージ56に、今年は「ニッサン ZEOD RC」が出走を果たす。「ZEOD(ズィオッド)」とは、ゼロ・エミッション。オン・デマンドの頭文字をとったもので、オンデマンドによるゼロエミッションでクルマを走らせるという意味を持つ。早い話、レース走行中に排ガスを放出しないことをやってのけるクルマなのだ。ル・マンのレースでは、13.629kmのコースを1周EV走行し、その後にエンジン走行へとスイッチする。1.5リッター、直3直噴ターボエンジンは、なんとわずか40kg! その一方で400馬力というとんでもないハイパワーを生み出すユニットだ。最高速はEVでもエンジンでも共に300km/hをマークできるという。走行中のブレーキングで電気エネルギーを回生、12周の走行で蓄えられたパワーを使い、再び1周をEV走行に切り替える。この前人未到のユニークなチャレンジだが、それに挑む車両の形状も唯一無二だ。

    斬新なシャシーは極端にフロントの幅が狭く、上から見ると魚のエイのような、三角形のレイアウト。そこに、すでに日産が市販車としてリリースしているEV車のリーフ同様のリチウムイオン電池が使われる。このプロジェクトに参加するドライバーは、日本のSUPER GTで活躍する本山哲を筆頭に、今シーズンから日本でのレース活動を始めたルーカス・オルドネス、そしてウルフガング・ライプ。新たなチャレンジがもたらす結果にも注目だ。

    長丁場のレースウィークは8・9日からの公開車検からスタート。予選は11、12日にナイトセッションで実施。昨年は急激な天候の変化で雨に泣くことが多かったが、今年は存分なタイムアタックとなるか。13日はサーキットでの走行はなく、メーカーチームが記者会見などを行うほか、市街地でのドライバーズパレードが行われ、これでお祭りムードが一気にヒートアップ! 迎える決勝は14日、土曜日。午後3時に24時間先のチェッカードフラッグを目指し、号砲。伝統の一戦は、今年もまた様々なドラマを見せてくれることだろう。

     

    Text & Photo : 島村元子 / Motoko SHIMAMURA








    スポーツカーの中古車情報ならGTNET