WEC 富士6時間耐久 - イベント・レースレポート

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2013年10月21日 更新

WEC富士6時間、悪天候により赤旗終了へ

雨の決勝日を迎えた富士スピードウェイ。午前11時からの決勝レースを前にピットウォークが行われ、1年ぶりの開催を待ちわびたファンが落ち着かない天候も気にすることなく貴重な時間を楽しんでいた。

決勝を前に雨脚が強くなり、レースへの不安が広がったが、その後も天候は一行に読めないまま。セーフティカーランによるレースが始まった。だがその一方で予選2番手からスタートを切るはずだったNo.8 トヨタTS030ハイブリッドには暗雲が立ち込めていた。出走前点検の時間でチームの3選手がコースやクルマの状況を確認するために出走したのだが、給油後、ピットを離れるタイミングが遅れてしまい、ピットレーンクローズドの時間に間に合わないというミスを犯してしまったのだ。結果、8号車はピットスタートを強いられる。

フロントローのもう一台の主役の姿がないまま、雨の中レースがセーフティカー誘導の形でスタートすると、8号車はコース上をすべての車両が通過した後にコースイン。この時点でライバルたちに丸々1周の差がつくことになった。だがレースも2周目を過ぎるとさらに雨が強まり、走行には極めて危険な状態という判断から、赤旗中断という措置がとられた。

午後1時30分、レースがようやく再開。だが、それから20分強でまたも赤旗中断となり、その後は30分おきにコースコンディションの状況を確認し、リスタートのタイミングを見計らうことになったが、その度にコンディションは悪化。安全面を考慮するとレース続行は極めて難しい状態だった。レース中断が重なったことから、規則にも一部変更が加えられるなど終始多方面で慌ただしい展開に

最終的には、午後3時35分からのレース再開がアナウンスされ、長時間待機が続いた車両がようやく動きはじめることになったのだが、その10分前くらいからまたも強い雨が! 結果、セーフティカーラン中に3度目の赤旗が提示され、レースはそのまま終了。1回目の赤旗後のリスタート直後にピット作業を実施したポールポジションのNo.1 アウディR18 e-tronクワトロに代わってトップに立っていた7号車のトヨタが優勝を果たすことになった。

日本人ドライバーの中嶋一貴が昨年に続きドライブした7号車は富士戦2連勝。しかもトヨタにとっては今シーズン初勝利という形で幕を降ろすことになったが、サーキットに足を運んだ2万3千人を超えるファンにとっては、心なしか物足りないレースデーになったかもしれない。

 

・決勝レース 総合結果(TOP3および各クラストップ)
1.No.7 トヨタTS030ハイブリッド 16L  2H56’05.785
2.No.2 アウディR18 e-tronクワトロ +1.901
3.No.12 ローラB12/60クーペ・トヨタ +3.872

・LMP2
No.35 モーガン・ニッサン 2H56’11.916
・LMGTE PRO
No.97 アストン・マーチン・バンテージV8 2H56’44.685
・LMGTE Am
No.95 アストン・マーチン・バンテージV8 2H57’03.453

 

記事・写真:島村元子/ TEXT&PHOTO : Motoko SHIMAMURA

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  • 2013年10月21日 更新

    WEC富士6時間、ポールポジションは1号車アウディの手に!

    世界耐久レース第6戦の予選日を迎えた富士。夜半に降った雨が富士山に今年の初冠雪をもたらしたこともあり、サーキットでは朝からその美しい姿をカメラに収めようとシャッターを熱心に切る外国人の姿が多く見られた。
    今日のセッションは、まず午前9時30分から最後の公式練習が1時間に行われたが、幸いにして雨にはならず薄曇りの中で走行が始まった。
    午後からの予選を意識し、クルマのセットアップが進む中でトップタイムをマークしたのは、No.8 トヨタTS030ハイブリッド。これに2台のアウディR18 e-tronクワトロが続き、日本人ドライバー中嶋一貴がドライブする7号車のトヨタが4番手で続く形でセッションを終えている。
    正午過ぎにはレースウィーク最初のピットウオークが行われたが、フォトセッションやサイン会に多くのファンが詰めかけていた。また、その直後には、来年のル・マン24時間に特別枠として与えられる「ガレージ#56」でのデビューレースを予定している「ニッサンZEOD RC」がデモンストレーション走行を実施。純粋な電気駆動で富士スピードウェイのメインストレートを静音で走る姿は、次世代のレースの一ページを飾ることになったに違いない。
    そして迎えた予選。まず、LMPGTEのPROおよびAMクラスのセッションが始まった。シリーズ戦での予選方式は、1台の車両に対し2選手がアタック、1選手につき2周のアベレージタイムが計測される。この方式でGTEのPROクラストップタイムをマークしたのは、No.97 アストン・マーチン・バンテージV8。アタックを担当したのは日本のSUPER GTでも活躍中のフレデリック・マコヴィッキィだった。一方、AMクラスのトップタイムは、僚友の95号車が獲得。こちらの車両にはブルーノ・セナが参戦しており、日本のレースファンにとっては願ってもない展開となった。
    続いて行われたLMPクラスのセッション。注目のトヨタの7号車は中嶋が先にコースイン。一方ライバルの1号車アウディには、現在も日本のレースで活躍中のアンドレ・ロッテラーがアタックを担当した。結果、1号車がトップタイムを獲得。これにシリーズ参戦を続けるトヨタの8号車が続き、ル・マン以来の参戦となった7号車が3番手、そして2号車のアウディが4位に続き、2大ライバルがまさにガチンコ状態での決勝を迎えることになる。

    ・公式予選結果 総合結果(TOP3および各クラストップ)
    1.No.1 アウディR18 e-tronクワトロ 1’26.577
    2.No.8 トヨタTS030ハイブリッド 1’26.755
    3.No.7 トヨタTS030ハイブリッド 1’26.860

    ・LMP2
    No.35 モーガン・ニッサン 1’32.938
    ・LMGGTE PRO
    No.97 アストン・マーチン・バンテージV8 1’39.114
    ・LMGTE Am
    No.95 アストン・マーチン・バンテージV8 1’41.199

     

    記事・写真:島村元子/ TEXT&PHOTO : Motoko SHIMAMURA

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  • 2013年10月18日 更新

    WEC富士6時間、初日の公式練習トップは2号車アウディ

    10月18日に開幕した世界耐久選手権第6戦「富士6時間耐久レース」。薄曇りの肌寒い中、午前と午後の2回、公式練習がそれぞれ1時間30分間にわたって行われた。
    その中で、木曜日のトップタイムをマークしたのは、No.2 アウディR18 e-tronクワトロ。アタックしたのは、日本のスーパーフォーミュラで活躍するロイック・デュバルだった。
    午前のセッション序盤、デュバルがステアリングを握る2号車は、100RのコーナーでGTEAmクラスの95号車アストンマーチンと接触。車両右後部を激しく破損させるアクシデントとなり、セッションが一時赤旗で中断された。
    2号車は午前の走行を棒に振ることとなり、その間にライバルチームのNo.8 トヨタTS030ハイブリッドをドライブするアンソニー・デイビッドソンがトップタイムを奪うこととなった。
    午後のセッションは一時は日が挿して青空が見えていたが、次第に灰色の雲が広がり、日没とともに気温、路面温度が降下。そんな中、明日の予選に向けてのシミュレートを行うなど、徐々にタイムアップに成功するチームも多く見られた。2号車アウディも例外ではなく、修復を済ませ、エンジンも置換した車両でチェックを済ませると、セッション終了5分前にデュバルが渾身のベストタイム、1分27秒333をマーク。しかと存在感をアピールし、初日の走行を終了している。
    なお、19日は午前9時30分より最後の公式練習が行われ、予選は午後1時20分からLMGTEクラスが、2時50分からLMPクラスのセッションが実施される。

     

    ・公式練習2回目 総合結果(TOP3および各クラストップ)
    1.No.2 アウディR18 e-tronクワトロ 1’27.333
    2.No.1 アウディR18 e-tronクワトロ 1’27.865
    3.No.8 トヨタTS030ハイブリッド 1’27.977

    ・LMP2
    No.26 オレカ03・ニッサン 1’32.662
    ・LMGTEPRO
    No.99 アストン・マーチン・バンテージV8 1’39.848
    ・LMGTEAm
    No.88 ポルシェ911 GT3 RSR 1’40.707

    Text  : 島村元子 / Motoko SHIMAMURA



    2013年10月17日 更新

    WEC 富士6時間耐久 プレビュー

    およそ1年ぶりにWECが日本に帰ってくる! 10月18日から3日間、静岡・富士スピードウェイにおいて、FIA WECこと、世界耐久選手権の日本ラウンドが開催される。シリーズとしては終盤戦にあたる第6戦目となるだけに、チャンピオンシップを巡る熱い戦いが繰り広げられそうだ。

    ■ル・マン24時間レースに代表される耐久選手権とは

    WECを走る車両は、レース専用のスポーツプロトタイプカーと市販車ベースとなっているGTカーの2タイプ。クラス別に言うと、プロトタイプカーでは「LMP1」と「LMP2」の2クラス、そしてGTカーでは「LMPTE PRO」と「LMGTE AM」の2クラスがある。

    おなじみアウディやトヨタが参戦するのはトップクラスである「LMP1」。つまり自動車メーカーがオリジナルで製作する車両だ。一方で「LMP2」は、同じプロトタイプであっても、市販されているレーシングカーが参戦するクラスとなる。なお、このクラスには産をはじめ、トヨタ、ホンダと日本のメーカーがエンジンを供給しており、人気も高い。

    そして、見た目はいわゆるスポーツカータイプである「LMGTE」。「PRO」も「AM」も使用できる車両は同じ。決まった台数が量産されている市販車両が顔を揃える。クラスを区分する違いは、登録ドライバー。「AM」はアマチュアドライバーを指すことから、このクラスではプロドライバーの登録は1名に限られる。さらに、車両も生産から1年以上経過したものを使用することになっている。

    ■WECは世界の大陸を巡る戦い

    WECの代表レースのひとつ、ル・マン24時間は毎年6月中旬にフランス・サルトサーキットで行われる伝統の自動車レースとして有名なイベント。昨年からWECんのシリーズ戦に組み込まれている。また、開催地は世界の大陸を股にかけており、ヨーロッパ、南北アメリカ、そして日本や中国といったアジアを含め、全8戦が実施されている。

    終盤戦にあたる富士では、チャンピオン争いを巡る戦いにも熱が入る。さらに、ル・マン24時間レース以降、参戦車両を2台から1台にしていたトヨタも、ここ富士はお膝元のサーキットであることから、2台体制を復活させている。もちろん、ル・マンに参戦した中嶋一貴もNo.7 TOYOTA TS030 HYBRIDのステアリングを握る。シリーズ戦の方は、僚友である8号車の奮闘に期待したいが、日本人ドライバーが運転するTS030 HYBRIDの姿は、日本におけるWECファンにとって何ものにも代え難い悦びとなることに違いない。

    金曜日は練習日となっており、予選は土曜日の午後、LMPクラスとLMGTEクラス毎に実施される。参戦ドライバーは日本でも元F1ドライバーだったり、日本のレースに参戦した経験を持つ馴染あるドライバーが多い。そのことから、期間中、イベントとしてトークショーなども行われているので、有意義な時間を過ごすことができそうだ。もちろん、土曜、日曜の両日、ピットウォークも実施。ドライバーだけでなく、出走車両を目の当たりにするチャンスとなっている。

    ここで、富士スピードウェイ場内で予定されているドライバートークショーにお目見えするドライバーを紹介しよう。

     

    ・10月19日(土)
    11:00-11:20 >> 中野信治・平中克幸・井原慶子・松田次生
    11:20-11:40 >> B.トレルイエ・T.クリステンセン・中嶋一貴・A.デイビットソン
    16:25-16:45 >> G.フィジケラ・小林可夢偉・J.ベルグマイスター

     

    また、今年のル・マン24時間で車両がアンヴェールドされた「NISSAN ZEOD RC」もデモンストレーション走行が行われる。日本のサーキットで走るのは、初めて。この車両は来年のル・マンで「ガレージ56」という特別枠から参戦を予定しており、電力駆動レーシングカーとして知られている。ユニークなフォルムの車両が走る姿をしっかりと目に焼き付けたいものだ。

     

    ・走行予定時間
    10月18日(金)/ 12:40-12:50
    10月19日(土)/ 13:05-13:15
    10月20日(日)/ 09:40-09:50

    日曜の決勝レースは6時間で行われる。昨年は、アウディとトヨタの緊迫したギリギリバトルで多いに盛り上がった。さて、今年はいかに?

     

    ◎主なスケジュール
    ・10月18日(金)
    11:00-12:30 公式練習走行1回目
    15:30-17:00 公式練習走行2回目

    ・10月19日(土)
    09:30-10:30 公式練習走行3回目
    12:15-13:05 ピットウォーク
    13:20-13:45 公式予選・LMGTE PRO & AM
    14:50-15:30 公式予選・LMP1 & 2

    ・10月20日(日)
    08:45-09:35 ピットウォーク
    11:00-17:00 決勝・6時間レース

     

    Text  : 島村元子 / Motoko SHIMAMURA








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