決勝を迎えた第7戦オートポリス。前日とは一転、薄い灰色の雲がサーキット一面に張り付き、朝は激しい冷え込みを見せた。また前日のような日差しにも恵まれず終日冷たい風の吹く一日となった。シーズン終盤に迎えるオートポリスの一戦は、波乱が多く荒れるレースになる可能性が高いことで知られるが、今回のドラマは日産GT-R2台による熾烈なバトルとなり、明暗を分ける結果に。ドラマチックなレースを制したのは、No. 1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)。第2戦富士以来のシーズン2勝目を挙げることになった。
スタートこそクリアな展開となった今大会。とはいえ、フロントローの2台はスタートの瞬間からどちらが主導権を握るかどうかの駆け引きに火花を散らせることになった。現時点でシリーズランキングトップのNo.12 カルソニックIMPUL GT-RのドライバーはJ・P・デ・オリベイラ。一方のNo.38 ZENT CERUMO RC Fは立川祐路と、試合巧者のふたりが激しい攻防戦を展開し、幾度となくその場を盛り上げた。すると3番手の1号車までがこの争いに加勢。長引く3台のバトルは、38号車が勢い余ってコースオフするというハプニングで1号車が38号車を逆転。その後はGT-R2台によるトップ争いへと形を変えることになった。
一方で夕方遅くからの雨になるという予報を翻し、コースではポツリポツリと雨が。だが、レインタイヤを装着するほどの下り坂ではなく、かえってこれがコース上の争いをよりいっそう複雑なものへとしていった。周回遅れの車両をかわしつつ、それでいてライバルとのポジション争いを繰り広げていく中、トップ争いの中でまず1号車が35周を終えてピットイン。41秒強のピット作業でコースに復帰する。そしてトップをキープする12号車は満を持して39周終わりにピットイン。こちらは37秒ほどの素早い作業で再び戦場へと向っていった。先に作業を済ませた1号車のタイヤにはすっかり熱が入り、レースペースを取り戻した状態。だが12号車の新しい足下はまだ冷えたまま。結果、40から41周目へと向うメインストレートで1号車が12号車を逆転、ついにトップを掴むことになった。
だが12号車も諦めない。トップ1号車の後背にピタリとつけ、好機を伺い続ける。そして迎えた47周目。ブレーキング勝負へと持ち込んだ12号車の安田はレイトブレーキで1号車の前に出てトップを奪取。だが勢い余りオーバーランしたところに1号車の松田が突っ込むような形でサイド・バイ・サイドとなった2台が接触。コースサイドに押し出された12号車に代わり、1号車が再びトップに立った。このレーシングアクシデントの後も2台は緊迫したトップ争いを続け、12号車は最後の最後まで粘りの猛追を見せたが逆転までには持ち込めず。結果、1号車がシーズン2勝目を挙げることになった。この勝利によって、1号車はランキング争いでも2番手に浮上。12号車が依然としてランキングトップを死守しているが、2番手1号車との差は僅か2ポイント。これまで搭載が続いたハンディウェイトが撤廃される最終戦もてぎでがちんこ勝負の末にシリーズチャンピオンが決定することになる。
一方、GT300クラスは、ポールポジションスタートのNo.2 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規組)が、朝のフリー走行で出走できず。スタータートラブルだったため、部品交換で無事に決勝を迎えることになったが、スタートドライバーの加藤が独走を見せて無事に高橋へとバトンタッチ。待望のシーズン初優勝を果たすかに思われた矢先、タイヤバーストという悪夢がチームを襲った。これにより、トップの座をつかんだのはNo. 3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/高星明誠組)。予選8番手から着実に追い上げを見せ、今季2勝目を達成した。一方、結果次第でシリーズチャンピオン獲得の可能性があったNo.10 GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート/千代勝正組)は予選14番手からと厳しいスタートではあったが、レースでの混乱により徐々にポジションアップ。粘りの走りが実を結び、なんと2位でチェッカー。今シーズンはクートがフル参戦でコンビを組むドライバーは途中欠場があったため、ドライバーチャンピオンはクートが、そしてチームタイトルは所属するGAINERが手にすることになった。
第7戦オートポリス 決勝結果
・GT500(TOP6)
1.No. 1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)1:50′42.495 65L
2.No.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)+0.348
3.No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/武藤英紀組)+14.056
4.No.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/石浦宏明組)+16.235
5.No.36 PETRONAS TOM’S RC F(伊藤大輔/ジェームス・ロシター組)+31.049
6.No.46 S Road MOLA GT-R(本山 哲/柳田真孝組)+41.666
・GT300(TOP3)
1.No. 3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/高星明誠組)1:51’17.185 60L
2.No.10 GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート/千代勝正組)+3.628
3.No. 7 Studie BMW Z4(ヨルグ・ミューラー/荒 聖治組)+45.102