ル・マン24H、緻密な戦略をノーミスで敢行したポルシェが勝利! 詳細ページ(9776) - イベント・レースレポート

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ル・マン24H、緻密な戦略をノーミスで敢行したポルシェが勝利!



予選では、2台の僚友に若干の遅れを取っていた19号車 ポルシェ919ハイブリッド(N.ヒュルケンベルグ/E.バンバー/N.タンディ組)。だが決勝に入ると、安定したペースとノーミスのレース運びがトップというポジションを盤石なものにした今年のル・マン24時間。今回が83回目の決勝となる歴史あるレースの中でも、稀に見る緻密な戦略とレベルの高い駆け引きが繰り広げられた一戦といっていいだろう。

 

結果だけを見れば、安定した速さを武器にミスなく周回を重ねた19号車が、最終的に2位と1周の差をつけて完勝を果たした、という形になる。確かに1周13.629kmもある長いル・マンの特設コースでは、わずか1周とはいえない大きなアドバンテージであることは明らか。だがその差を構築するまでの間、決して19号車が安泰なレース運びをしたわけでなく、つねに僅差で後続車との攻防戦を耐え忍ぶことに成功したのがその理由であり、確固たるポジションを手にする底力があったから実現できたことでもある。結果、ル・マン24時間初出場の2選手(N.ヒュルケンベルグ、E.バンバー組)とGTクラス経験者で構成されたトリオが見事に開眼し、伝統の一戦で大きな大輪の花を咲かせることになった。

 

まさに、怖い物知らずの底力を見せた19号車に続いたのは、先輩格の17号車。元F1パイロットのM.ウェーバーを軸としたトリオが19号車の盾となり、後方から勢いよく迫り来る7号車 アウディR18 e-トロン・クワトロ(M.ファスラー/A.ロッテラー/B.トレルイエ組)を退ける役回りを担当。一方で、アウディ勢もそれぞれ車両トラブルやアクシデントで、本来の力を引き出すパフォーマンスを完全に発揮できず、あと一歩力が及ばなかったようだ。

 

昨年、16年ぶりにル・マン24時間レースに復帰したものの、結果的には辛酸を舐めたポルシェ勢。その雪辱を果たすために採った戦略が見事に的中、これまでの勝利数を17へと伸ばすことにも成功。ポルシェが常勝アウディの好敵手として立ちはだかったことにより、また新たな歴史が始まったといえる。

 

これに対し、日本勢の戦いは厳しい結果に終わった。トヨタはWEC(世界耐久選手権)の開幕戦ですでにライバル達の速さを認識。加えて、このル・マンがデビューレースとなったニッサンは開発が大幅に遅れ、戦うというよりもなんとかコースを走ることだけでミッションが完了するのが精いっぱい。来年以降の挑戦こそ、真価が問われることになる。

 

◎ル・マン24時間レース決勝結果(総合トップ3および各クラストップ)

1.No.19 ポルシェ919ハイブリッド(N.ヒュルケンベルグ/E.バンバー/N.タンディ組)395Laps
2.No.17 ポルシェ919ハイブリッド (T.ベルンハルト/M.ウエーバー/B.ハートレー組)+1Lap
3.No. 7 アウディR18 e-トロン・クワトロ(M.ファスラー/A.ロッテラー/B.トレルイエ組)+2Laps

LMP2
No.47 オレカ05・ニッサン(M.ホーソン/R.ブラッドレー/N.ラピエール組)358周

LMGTE Pro
No.64 シボレー・コルベットC7.R(O.ギャビン/T.ミルナー/J.タイラー組)337周

LMGTE Am
No.72 SMPレーシング (.V.シャイタル/A.ベルトリーニ/A.バソフ組)332周

 

Text&Photos : Motoko SHIMAMURA

 

 

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