10月10日、WRC世界耐久選手権第5戦「富士6時間耐久レース」の初日セッションが静岡・富士スピードウェイで行われ、午前と午後、それぞれ1時間30分の練習走行が行われた。
快晴の一日に恵まれた富士スピードウェイ。日中は心地よい日差しが照り、爽やかな秋風が吹く申し分のない天候となった。前日は通り雨が降るあいにくの天気だったが、金曜日は終日安定した空模様となった。
午前のセッションでトップタイムをマークした1号車アウディ。僚友の2号車を0.296秒上回るタイムで順調なスタートを切った。2台のアウディに続いたのは、8号車トヨタ。今回、ニコラ・ラピエールが欠場することになり、2人で挑む富士になるが、2号車アウディに肉薄するタイムで3番手につけている。
午後からはやや雲が先行。気温、路面温度とも1回目のセッションを下回るコンディションとなった。その中で各車はさらにチームベストを更新する走りを見せ、セットアップを進めて行く。結果、午前同様に1号車アウディがベストタイムをマーク。1分27秒852で初日のセッションを終了した。2番手も同じく2号車のアウディが獲得。2台のタイム差は0.551秒差に広がったが、明日の予選アタックでこの差がどこまで縮むのか、また開くのか。その動向が楽しみだ。
2台のアウディ勢に続いたのは、14号車ポルシェ。こちらも午前よりタイムアップを進め、2番手アウディにも0.038秒まで迫る勢い。明日の予選では、ポールポジションはもとより、フロント、セカンドローを巡る激しいポジション争いが見られそうだ。
なお、午後のセッションに先立ち、WECイベント記者会見が行われたが、ここには各クラス別に計8選手が列席。3連覇を狙う7号車トヨタの中嶋一貴は「ホームレースの富士で、今年こそキチンと戦っていい結果を残したい」と事実上の優勝宣言をすれば、富士戦未勝利のアウディとしてロイック・デュバルが「僕にとって2つ目の故郷。ぜひ勝ちたいと思っている」と宣戦布告。穏やかながらも優勝争いの火花を散らした。
さらにWEC唯一の女性ドライバーとして活躍する井原慶子は「8月に富士で行われたアジアン ル・マンで総合優勝できたし、さらに活躍したい」とWEC戦でのさらなる飛躍を誓った。
11日・土曜日は午前に最後の練習走行が1時間行われ、午後からのピットウォークを挟み、いよいよ予選が行われる。
記事・写真:島村元子/ TEXT&PHOTO : Motoko SHIMAMURA