ル・マン24時間、初日のトップはポルシェが奪取
6月11日、快晴に恵まれる中、ル・マン24時間レースの予選が行われ、今季16年ぶりに耐久レースへと復活したポルシェがその勢いに乗ってトップタイムをマークしている。
2日間にわたる公開車検を終えて、レースモードへと次第に高まってきたル・マン。この日は夕方4時から4時間のフリー走行がスタート、さらにその後は2時間の予選を経て、さらに準備を進めていくことになる。
まずは西日が強くなる午後4時から始まったフリー走行。日陰に入ると風も爽やでコンディションは極めて安定している。まず各車ともクルマのセットアップを確認しようとコースへと飛び出していった。しかしその一方で、鳴り物入りで搭乗したNo.0 ニッサンZEOD RCがコース半周で駆動系トラブルによりストップ。ユニークなフォルムのクルマは、このあと、一度もセッション中に姿を見せることはなかった。
さらには、セッション開始から1時間強の時点で昨年のル・マン覇者であるNo.1 アウディがポルシェカーブの先、フォードシケイン近くで大クラッシュ! 運転していたのは日本でSUPER FORMULAに参戦中のロイック・デュバルで、一時はあまりの惨事にサーキットは騒然となった。
ハイスピードコーナーでのクラッシュだったこともあり、デュバルは命に別状はないものの、ル・マン市内の病院に搬送され検査入院。足を負傷しており、今後の出走は難しいといの理由で、のちに所属チームのアウディからドライバー交代の申し出があった。一方で、ほぼリアセクションが大破したクルマはスタッフの献身的な作業により、翌日には修復が完了。予選2日目のセッションに挑む予定だ。
結果、波乱の幕開けとなったフリー走行セッションでトップタイムをマークしたのは、No.8 トヨタ。これを僅差でNo.2 アウディが追い、3番手にはNo.7 トヨタが続いたが、その後の予選アタックでは、その様相がにわかに変化する。
午後10時。いよいよ決勝レースに向けて、タイムアタックがスタート。序盤から勢いよくアタックを行ったのが、ポルシェの2台だった。まず14号車がトップに躍り出ると、その5分後には20号車が3分23秒157のトップタイムをマーク。先のフリー走行で8号車のトヨタがマークした最速タイムを塗り替えた。
一方、トップタイムを奪取されたトヨタはセッション残り時間1時間を切って、7号車がコースへ向ったものの、すぐさまエンジン油圧の低下によるトラブルでコース上にストップ。さらにその直後には、GTカーがクラッシュ。セッションそのものはチェッカーまで1時間弱の時間を残していたが、コース上やガードレールなどの修復に時間がかかるという理由から、この赤旗をもってその後の走行は見送られることになった。
よって、予選1日目のトップは20号車のポルシェが獲得。2番手にはその僚友である14号車が続き、トヨタは3、4番手。アウディは2、3号車が5、6番手につけている。
◎予選1回目結果(各クラストップ)
LMP1 No.20 ポルシェ919ハイブリッド(T.ベルンハルト/M.ウエーバー/B.ハートレー)3’23.157
LMP2 No.26 モーガン・ニッサン(R.ルシノフ/O.プラ/J.キャナル)3’38.843
GTE Pro No.51 フェラーリ458 イタリア(G.ブルーニ/T.バイランダー/G.フィジケラ)3’54.754
GTE Am No.72 フェラーリ458 イタリア(A.ベルトリーニ/V.シェイタル/A.バソフ)3’56.787
Text & Photo : 島村元子 / Motoko SHIMAMURA
