「86スーパーアタック&Attack2013&番長クラス」イベントレポート
筑波おろしなんて吹きとばせ!年式関係なく1周に全力を尽くすバトル!
2013年2月24日に茨城県・筑波サーキットで開催された「86スーパーアタック&Attack2013&番長クラス」!しかしこの日は季節風と北日本を中心とした天候不順で猛烈な強風が吹く中でのイベントとなりましたが、筑波の空に響くエキゾーストノートがそんな強風「何処吹く風」の様な感じで来場者の視線を釘付けにしました。朝8時という外の空気もヒンヤリとしていましたが、ピットパドックはアタックに向けての自慢のマシンのセッティングやライバルマシンの偵察でホットスポットになっていました。
チャンスはたった10分!最もデンジャラスな1周50秒台の世界
まず最初に行われたのはAttack 2013 スペシャルステージ。これはタイムを追求したスペシャルマシン3台が10分という短い時間でタイムアタックするものです。ここで最も注目されたのはアンダー鈴木選手(プロではなくアマチュアというのが驚き!)が操るスコーチアドバンS15シルビアです。このマシンはWTAC、世界タイムアタック選手権に参戦する車両でこの筑波サーキットでは昨年12月に52秒649という驚異的レコードを記録しました。今までのレコードはSUPER GTで活躍している谷口信輝選手が操る「HKS CT230R」が記録した53秒589でした。今回は自身の持つレコードを更新、さらにはチューンドカーでは前人未到の51秒台を記録するため、気温がまだ低い朝9時にアタックを開始しました。
強風の為、コース上に乗っかってしまった草、ホコリという非常に厳しいコースコンディションの中記録したベストタイムは、52秒819秒という惜しくも記録更新とはなりませんでした。2位はFD3Sのチューンドカーで有名なR Magicフルチューンを駆る島谷選手。しかし鈴木選手から3秒も引き離されているということからもそのスピードがどれほどのものか感じられると思います。R Magicも世界タイムアタック選手権に出場していました。3位はR34 GT-Rを駆る「阿蘇の大魔神」選手。このR34はアマチュアでは4WD最速記録を保持しているそうです。4WDならではの強烈な立ち上がり加速とトラクションでアタックをしましたが、他の2台との重量差を押しのけ55秒台を目指しましたが惜しくも届きませんでした。
コンパクトカー、ツーリングワゴン、旧車までバラエティ豊かなタイムアタック大会!
Attack2013には2グループに分けて先ほどの3台含め、全40台が出場しました。その車種のバリエーション豊かでレースではないのに見るものを飽きさせない、多種多様なクルマ達が奏でるエキゾーストノートで大興奮でした。人気のスポーツカーをベースにしたチューンドカーは多く参加していたのですが、その中でも特に目に止まったクルマを写真の左から紹介します。
1.No.35 デザインぶちょお maxi号 GA1 1分0秒179 122.335km/h
「GA1」という型式にあまり聞き覚えがないと思います。そもそもクルマをみてもなんの車種かすぐに分かる人はそういないのではないでしょうか?このクルマの正体はホンダのコンパクトカー「シティ」なのです!maxi号はシティに無限の可能性をつぎ込み、筑波1分切りを目指したスーパーコンパクトマシンなのです。いかにも軽そうな感じですが、その車重は784kg(驚!!)それに1.5L VTECターボとオリジナルエアロで1ランク、2ランク上のマシンと遜色ないパフォーマンスを魅せてくれます。公式サイトで当日のベストタイムインカーが掲載されています 。
2.No.22 fパパ AS-MORI BG5 BG5 1分0秒010 122.680km/h
次はサーキット走行ではあまり見ないツーリングワゴン。スバル・レガシィツーリングワゴンです!このマシンは58秒台を目標にフルチューンされており、タイムアタックマシンということを主張する巨大フロントスポイラー、カナード、超太タイヤを履かせるためのオーバーフェンダーという世界一のレガシィツーリングワゴンではないでしょうか?今大会の2週間前に「59秒287」を記録し、58秒台をこの大会で目指しましたが惜しくも1分も切れず…
3.No.28 KUNI KUNI_S30Z S30 1分0秒263 122.165km/h
ひときわ異彩な雰囲気を醸し出していたS30Zはコース上のどこにいても心地良いエキゾーストノートが響き渡るマシンでした。このクルマは直列エンジン、名機L型エンジンで筑波1分切りを目標に製作されたスペシャルZです。L28エンジンを3.2Lにボアアップ、シーケンシャルミッションを採用しています。今年の1月に念願の「59秒674」を記録し、今大会で記録更新を狙っていましたがドライブシャフト破損というトラブルで記録更新とはなりませんでした。
4.No.27 naonao リキモリ・サンビーム M3CSL E46 59秒488 123.756km/h
最後はドイツのFRスポーツカー、BMW M3CSLです。そしてこのクルマは2ペダルMTなので非常にレーシングライクなドライビングを快適に行うことが可能なのでコース横で見ていると安定したまだ余裕がありそうな走りを見せていました。ベースはM3でもより軽量化されたCSL。それを更にフルカーボンエアロ、ワンオフカーボンドア、アラゴスタの足回りで軽量かつシャープさを追求したマシンに仕上がっています。エンジンはライトチューンなのでバランス優れています。更に驚きなのは公認が取れているので街乗りも可能なのです!
新旧86決戦!
このイベントのメインイベントである「86 Super Attack」!新型86が2台、AE86が6台エントリーしました。AE86は既に登場から30年近く経過しており、チューンドカーは完成の域に近づいています。一方新型86はまだチューンドカーはまだまだ可能性を模索しながらも非常に速いペースでその完成度を上げており、各チューナー、各ショップの特色を出したチューンドカーも出始めてきています。ピットパドックでも新型86に来場者の視線を集めていました。この時から再び風が非常に強くなり、コース上に砂や草が舞ってしまい非常に滑りやすいコンディションでしたが、その中で新型86をターボチューンした「Rasty 86(写真右上)」は1分2秒6を記録しました。
グリップ?ドリフト?楽しければOK!
他にもグリップ走行に限定した走行会、D1ドライバーも参加したドリフト走行会も行われました。
グリップ走行会にはポルシェ911、日産ワークスチームカラーリングのS30Zがという普段あまりお目にかかれないクルマも走行しました。
ポルシェはその中でも独特の雰囲気とコーナーからの強烈な加速から出るエキゾーストノートで観戦シートに座っている来場者はポルシェが来る度にカメラを構えて写真や動画を撮影していましたね。一方、ドリフト走行会は「D1グランプリ」で活躍しているゼロクラウンを操る時田雅義選手、イエローがまぶしいR34スカイラインを操る手塚強選手が今シーズンのテストも兼ねて参加し、そのドリテクに歓声があがりました。他にも多くのドリフターが自慢のマシンで参加し(なんとMRのホンダNSXで参加した者もいる)、負けじとドリフトしていましたが、スピン、コースアウトが何度かありました。
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