第94回ル・マン、SC導入後に流れ変わる
天候にも恵まれた今年のル・マン24時間レース。スタートから12時間を迎え、いよいよ後半戦へと突入する。序盤の6時間ではさほど大きなアクシデントもなく、順当な展開を見せていたが、日没後、日付が変わる前に初のセーフティカー(SC)導入となり、そこからレースが”動く”ことになった。
幻のポールポジション獲得となった38号車キャデラックが、その速さを強みにしてレース開始5時間後にはハイパーカークラスのトップを奪取。その後も順調に周回を重ねて、レースを牽引。後続車両に対しても28秒強のギャップを生み出していた。これに序盤から上位争いにつける20号車のBMW、さらにはライバルに対して異なる戦略が奏功した8号車トヨタがトップ3を形成し、日没後の戦いに入った。
そんななか、午後11時38分頃、LMGT3の54号車フェラーリ296が追突されてコースアウト。グラベルにスタックして動かなくなる。結果、今大会初となるセーフティカー(SC)がコースイン。このタイミングでトップを走っていた8号車トヨタはじめ、上位陣が一斉にピットを目指してルーティン作業を消化する。一方、SCランはおよそ45分ほど続くこととなり、その間にはレースウィークの余興でもある花火やドローンのショーが行なわれ、ファンはレース展開を気にすることなく夜空の輝きを満喫することができたかもしれない。
SCランは日付が変わり、14日(日)になった12時22分時点で終了となり、レースが再開。この時点でトップに立っていた8号車は逃げの走りを決める。逆に2番手にいた20号車はクラスの異なる車両に前を塞がれることとなり、ギャップが広がる。さらに20号車はペースが上がらず、後方の12号車と38号車のキャデラックに次々と先行を許し、4番手にドロップした。
レースはスタートから9時間を過ぎ、152周目のミュルサンヌを走行中だった8号車トヨタがオーバーラン。これで2番手にいた12号車との差が詰まり、155周目に8号車は12号車に逆転を許してしまう。その後は同じキャデラック38号車も加わり、その後はこの3台によるトップ3の攻防が続く。また、開始から11時間が過ぎた頃にFCYが導入され、時間こそ5分に満たない短いものが2度続いた。ただ、あろうことか再開後に8号車に対してFCY手順違反が課され、ドライブするーペナルティを受けることに。
結果、レース折り返しの12時間を迎えてなお12号車がトップをキープし、これに”復活”した20号車、38号車、そして8号車という態勢になり、そのあとに7号車がつける形となった。
LMP2クラスでは、序盤から安定した速さを見せている30号車デュケーヌ・チームがトップをキープしていたが、SC導入を機に動きが出る。2番手につけていたNo.343 インターユーロポル・コンペティション(ビジョイ・ガーグ/レシャド・デ・ゲルス/ニコ・ミューラー)がギャップを詰め、10時間を経過する頃にはついにクラストップに立つ。だが、30号車も堅調の走りで僅差の周回を続け、12時間経過時点でトップを奪い返した。また、太田格之進がドライブする9号車も徐々にポジションアップを見せ、一時はクラス3番手まで浮上。今後の展開次第では表彰台の可能性もありそうだ。
そして、LMGT3では6時間を過ぎてからマシントラブル等で戦列を去るクルマが出始めた。上位争いでは似通ったタイミングでルーティン作業を行なうため、頻繁にポジションが入れ替わっていたが、日付が代わってからは、No.27 アストンマーティン・バンテージAMR LMGT3(イアン・ジェームス/ザカリー・ロビション/マティア・ドルディ)がトップに立っていたが、これに78号車、87号車のRC F GT3勢もつねに上位をキープする好走を見せる。折り返し時点では、No.33 シボレー・コルベットZ06 LMGT3.R(ベン・キーティング/ジョニー・エドガー/ニッキー・キャツバーグ)がトップとなっているが、まだこの先もポジションを入れ替えての走行が続くと思われる。
現地時間の午前4時、レース折り返しにあたる12時間が経過した時点の総合トップ3および各クラストップは以下のとおり。
◎ル・マン24時間レース途中結果(午前4時・12時間経過/総合トップ3および各クラストップ)気温17度、路面温度22度
<HYPERCAR>
1.No.12 キャデラックVシリーズ.R(ルイ・デレトラズ/ウィル・スティーブンス/ノーマン・ナト) 193周
2.No.20 BMW Mハイブリッド V8(ロビン・フラインス/レネ・ラスト/シェルドン・ファン・デル・リンデ) +13.233
3.No.38 キャデラックVシリーズ.R(セバスチャン・ブルデー/アール・バンバー/ジャック・エイトケン) +1’08.335
<LMP2>
1.No.30 デュケーヌ・チーム(ドリアーヌ・パン/ジュリアン・アンドラウアー/リチャード・フェルシュホー) 183周
<LMGT3>
1.No.33 シボレー・コルベットZ06 LMGT3.R(ベン・キーティング/ジョニー・エドガー/ニッキー・キャツバーグ) 170周

レース中に夜空に打ち上げられた花火

LMP2:No.30 デュケーヌ・チーム

LMGT3:No.33 TFスポーツ・シボレー・コルベットZ06 LMGT3.R