シックス・センス 432kW仕様 シングルターボJZA80スープラ
記事提供元:NZ Performance Car
ライター:Deven Solanki
フォトグラファー: Glen McNamara
6台ものスープラを乗り継ぎながら、まるでザ・ウェアハウスのおもちゃ売り場でホットウィールを漁る子供のように、“理想の1台”を追い求め続けてきたJason Ham。
そしてついに、このスープラがすべての条件を満たす“完成形”となった。
そう、見間違いじゃない。6台ものスープラを乗り継いできた男、それがChristchurch在住のJason Hamだ。普段はファイナンシャルアドバイザーとして働きながら、その裏では筋金入りの“スープラ中毒”。ガレージには圧巻のストリートマシンを収め、次から次へとスープラを乗り換えてきた末に、ついに“理想のオールラウンダー”へと辿り着いた。だが、最初からこうだったわけではない。すべての始まりは、控えめな日産ルキノと、幼い頃に訪れたアメリカ旅行だった。そこで手に取ったカー雑誌に載っていた300ZXとMR2。その瞬間、日本製パフォーマンスカーへの情熱に火がついたのである。
大学卒業後、Jasonはそのままカーシーンへどっぷりとのめり込んでいった。最初の1台は、B20Vスワップを施したHonda CR-Xデルソル。その後もLevin GT-Z、数台のソアラ、さらにはWRX STIなど、次々とマシンを乗り換えていったが、どんなクルマに乗っていても、頭の片隅には常にスープラの存在があったという。「当時はどちらかというとソアラ派だった。でも、2JZ-GTEでノーマル内部のまま大パワーを叩き出すスープラの存在感には惹かれたんだよね」と彼は振り返る。
何台かのスープラを乗り継いだ後、Jasonは一度Hondaシーンにも手を出し、EK9を楽しんでいた。しかし結局、再びJZの魔力に引き戻されることになる。そうして辿り着いたのが、彼にとっての“聖杯”とも言える1999年式 Series 2 Supra RZ-S。純正ターボに、誰もが憧れるGetrag製6速ミッションを備えた1台だ。「自分の中では、これがスープラの完成形だね」とJasonは語る。
当初、Jasonのプランはシンプルだった。できるだけ純正状態を維持しながら、丁寧にレストアして乗ること。それまでにオートマのJZA80スープラを2台、普段使いとして所有していた彼は、「今度は同じ感覚で楽しめる、でもマニュアルのクルマが欲しい」と考えていたのだ。だが、こういう話の結末は大体決まっている。最初は軽いメンテついでのモディファイ程度だったはずが、気づけばSinco Customs製マニホールドが届き、それを皮切りに必要なサポート系パーツが次々と増殖。ガレージには、あっという間に部品の山が築かれていった。
Jasonは当初、見た目も「スリーパー仕様」でいくつもりだったという。エアロなし、純正ホイール、あくまでクリーンで控えめなスタイル。しかし、それも長くは続かなかった。Work Emotion XC8やVolk Racing TE37などを試した末、最終的に辿り着いたのは、廃盤となった鍛造軽量ホイール、Volk Racing CE28N Genesis。サイズはフロント19×9.5J、リア19×10.5J。当時わずか500セットのみ生産され、世界各国の競技車両にも投入された希少モデルだ。タイヤには235/35と275/30のWestlake Sport RSセミスリックを組み合わせ、スープラのトラクション性能をしっかり路面へ叩きつける。さらにエクステリアは、GReddy Gracer V1風フロントリップ、Ridoxスタイルのサイドスカート、そしてPro Spec製フォージドカーボンエキゾーストシュラウドを追加。派手さを狙うのではなく、あくまで「効かせる」方向でまとめ上げられている。
ボンネットの下に収まる2JZ-GTE VVT-iは、エンジン内部こそ純正のままながら、その周辺は抜かりなく武装されている。Sincoマニホールドに組み合わされるのはBorgWarner S362SXターボ。さらにTurbosmart ProGate50 Gen Vエクスターナルウェイストゲートが、鋭い咆哮を響かせる。3.5インチエキゾースト、Walbro 465lphインタンク燃料ポンプ、カスタム1000ccインジェクター、そしてLink G4+ Fury ECUを投入し、Flame PerformanceのGeoffによるセッティングによって、25psi時で実測432kW/754Nmをリアへ叩き出す仕様へと仕上げられている。そのパワーを受け止めるのは、もちろんGetrag製V161 6速ミッション。大トルク仕様の2JZにはまさに理想的な組み合わせだ。もっとも、このミッション自体、今やとんでもない価格になっているのだが。
インテリアは、まさに戦闘機のコクピットそのもの。ドライバーを包み込むようなJZA80特有のレイアウトに、Evo IV純正Recaroを超ローポジションレールで組み合わせている。「まるでジェット機を操縦してるみたいなんだ。必要なものが全部自然な位置にあって、Recaroもしっかり身体をホールドしてくれる」とJasonは語る。視界の先にはBlitz製メーター群が並び、ブーストから各種コンディションまで、必要な情報を瞬時に把握できる仕様となっている。
いまやこのスープラは、信頼性抜群のロングツアラーへと進化している。「純正の倍以上のパワーが出てるのに、一度も裏切られたことがないんだ」とJasonは語る。「南島を何度もロングドライブしてるけど、まったく問題なし。ずっと快調だよ」現在の仕様には十分満足しているものの、頭の中ではすでに次の構想も始まっているという。「バンパーやサイドスカートは変えるかもしれない。VarisとかTwinZ系も気になるし、控えめなワイドボディ化もアリかなって。パワー面では、昔ながらのT51Rみたいなフィーリングを求めて、もっと大きいターボにも惹かれる。でも今は、このレスポンスの良さが本当に気に入ってるんだ」もちろん加速性能も強烈だ。高ブーストでアクセルを踏み込めば、一気にパワーが炸裂。セミスリックを履いていても、トラクション確保にはかなり神経を使うという。
Jasonにとって大きなインスピレーションとなっているのが、日本のレジェンドドライバー、織戸学と、Best MOTORingで活躍していたAVS Model 5装着のブルースープラだ。さらに彼は、130R Yokohamaで実際に織戸本人と対面する機会にも恵まれ、その瞬間がスープラへの想いを決定的なものにしたという。そして数年ごとの恒例行事となっているのが、Highlandsで開催されるToyota GR Festivalへの参加。仲間のスープラオーナーたちを集め、大規模なツーリングを楽しんでいる。「ChristchurchからCentral Otagoまで、スープラの隊列で走る時間は本当に最高なんだ」とJasonは語る。Cromwellへ向かう道中に広がる景色は圧巻。そして何より、山々に反響する無数の2JZサウンド。その光景と音は、まさに言葉では表現できない体験だ。まさに、夢のJZライフを地で行っている。
| エンジン | エンジン | 2JZ-GTE VVT-i/3000cc直列6気筒 |
| ブロック | 純正 | |
| ヘッド | 純正 | |
| 吸気系 |
K&N製4インチポッドフィルター |
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| 排気系 | Sinco Customs製スチームパイプ・トップマウント ツインスクロールターボマニホールド ワンオフ セラミックコート3.5インチステンレスダウンパイプ ワンオフ3.5インチステンレスエキゾーストシステム AdrenalinR製ステンレスレゾネーター AdrenalinR製7インチステンレスマフラー |
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| ターボ | BorgWarner S362SX-Eターボ 0.91A/R T4ツインスクロールタービンハウジング |
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| ウェイストゲート | Turbosmart ProGate50 Gen V エクスターナルウェイストゲート | |
| ブローオフバルブ | TiAL Q 50mmブローオフバルブ | |
| 燃料系 |
Walbro 465lphインタンク燃料ポンプ |
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| 点火系 | NGK BKR7EIX Iridium IXスパークプラグ | |
| ECU | Link G4+ Fury ECU A.I.C製プラグ&プレイワイヤリングハーネス |
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| 冷却系 |
Fenix製アルミラジエーター |
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| その他 | MAC製3ポート電子式ブーストソレノイド Blitz Dualターボタイマー Mishimoto製0.9Lオイルキャッチタンク Lava Rockターボビーニー Cusco Neo Magneticマグネットドレンプラグ |
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| 駆動系 | ミッション | 純正Getrag V161 6速MT |
| クラッチ | Exedy強化クラッチ | |
| フライホイール | Exedy軽量フライホイール | |
| デフ | 純正A03BトルセンLSD | |
| その他 | Strange Workshop製ドライブシャフトフープキット | |
| 足まわり | サスペンション | BC Racing BR-Series Gold 32段調整式車高調 |
| ブレーキ | 純正4ポットブレーキキャリパー Hawkブレーキパッド ワンオフ ブレーキ&クラッチマスターシリンダー用ヒートシールド |
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| アーム/ナックル | 純正 | |
| その他 | Cuscoフロントストラットタワーバー | |
| ホイール&タイヤ | ホイール | フロント:19×9.5J +22 リア:19×10.5J +22 Volk Racing CE28N Genesis(RAYS Engineering) |
| タイヤ | フロント:235/35R19 Westlake Sport RS セミスリック リア:275/30R19 Westlake Sport RS セミスリック |
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| エクステリア | ボディカラー | Toyota純正 Quick-Silver Metallic Graphite(1B9) |
| 外装 | GReddy Gracer V1風ポリウレタンフロントリップ(ワンオフサポートステー付き) リフレッシュ&クリアコート済み純正ヘッドライト Ridox風サイドスカート Ridox風リアスパッツ 純正オプション モンスーンバイザー 純正オプション ルーフスポイラー Pro Spec Imports製フォージドカーボンエキゾーストシュラウド Depoクリアサイドマーカー StreetFX製サードブレーキライトオーバーレイ |
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| インテリア | シート | Mitsubishi Evo IV純正 Recaro SR3 リクライニングバケットシート Bride Super Lowシートレール |
| ステアリング | 純正 | |
| 追加メーター | Blitz Racing Meter SD 60mm ブースト/油温/油圧/水温メーター |
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| その他 |
Top Secret製アルミシフトノブ |
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| パフォーマンス | 出力 | 432kW(ホイール実測出力) |
| トルク | 754Nm(ホイール実測トルク) | |
| ブースト圧 | 25psi | |
| 使用燃料 | BP Ultimate 98 | |
| チューナー | Flame Performance/Geoff | |
| オーナープロフィール | オーナー | Jason Ham |
| 年齢 | 42歳 | |
| 居住地 | Christchurch | |
| 職業 | ファイナンシャルアドバイザー | |
| 製作期間 | 3年 | |
| 所有期間 | 8年 |













