第5戦鈴鹿、福住仁嶺がポール・トゥ・ウイン達成!
5月24日、前日に続き鈴鹿サーキットにおいて全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦の予選、決勝レースが行なわれ、ポールポジションからスタートしたNo.14 福住仁嶺(NTT docomo Business ROOKIE)が大激戦のトップ争いを凌ぎ、チーム移籍後初となる優勝を達成した。
福住がMUGENの7連続PPを阻む会心のアタック
不意打ちのような雨により、落ち着かないレース展開となった前日の第4戦。外的要因に翻弄される形だったが、第5戦は朝から五月晴れの天候となり、雨の心配もなくドライコンディションでの開催となった。
予選
午前10時25分、予選は気温24度、路面温度33度のなかでQ1A組からスタート。他車とは異なるアプローチを見せたNo.64 佐藤 蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)がトップタイムをマーク。これに前日の予選ではコースオフして計測できずに終わっていたNo. 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が2番手で続き、復調の兆しを見せた。3番手にはNo.16 野尻智紀(TEAM MUGEN AUTOBACS)が牧野に僅差で迫り、安定感を見せる。また、ルーキーのNo. 28 小林利徠斗(KDDI TGMGP TGR-DC)が4番手通過を果たし、Q2への進出を決めた。
B組にはNo. 1 岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)、No. 6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、そしてNo.36 坪井 翔(VANTELIN TEAM TOMʼS)と優勝争いの可能性が高いドライバーが”集結”。ツワモノが揃うなか、気を吐いたのが、No.65 イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)。アタックタイムでは岩佐、太田に続く3番手につける。また、前日の予選でしかと速さをアピールできたNo.50 野村勇斗(San-Ei Gen with B-Max)も4番手でQ1通過を果たした。
午前11時からのQ2には計12台が出走。開始とともに8台はコースインする一方、福住、坪井、佐藤、フラガの4台はピット待機を選択。また、コースインした8台のうち、牧野、太田、そして前日の覇者、No.37 サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOMʼS)とNo.38 阪口晴南 (SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)はアウトーインを行なわず、セッション開始後もそのままコースに残り、じっくりとタイヤを温めるアプローチを採った。
一番最後にコースインしたのは坪井。それより2分ほど先にコースへ向かった福住がアタックラップに向かうと、各セクターで最速タイムを刻み始める。セクター1こそ、その後にアタックした佐藤、野尻、牧野が順にタイムを削り取って更新に成功したが、その後のセクタータイムはつねに福住が最速。その流れを味方にチェッカーを受けた福住が1分37秒605のタイムでトップに立った。
続々とチェッカーを受けるなか、福住に迫ったのはフラガ。さらに野村が奮闘して3番手に。しかし、そのあとからチェッカーを受けた岩佐が福住に迫るタイムで2番手に割って入り、3番手にフラガ、そして最終アタックで牧野が4番手で続く。だが、その後、フラガ、野尻、佐藤、そして太田の4選手が走路外走行の対象となりアタックラップが抹消された。
結果、福住が2024年第6戦富士以来となる2年ぶり通算3度目のポールポジション獲得に成功。チーム移籍後、初めてのポールから決勝を迎えることに。2番手には岩佐、3番手に牧野が続き、それぞれが前日の決戦を上回るレースを目指すことになった。
【第5戦鈴鹿 予選トップ3】
1.No.14 福住仁嶺(NTT docomo Business ROOKIE)1’37.605
2.No. 1 岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)1’37.765
3.No. 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)1’37.914
決勝 トップ3台が手に汗握る大接戦
メインストレートにやや強めの風が吹くなか、気温は25度、路面温度は40度まで上昇。青空が広がり、初夏らしいレース日和の下、決勝を迎えることになった。
今シーズン、初のポールポジションからスタートを切った福住がホールショットを取り、岩佐は僅差で逆転のチャンスを伺うも、ポジションは変わらず。一方、後方では接触事故が発生。メインストレートにパーツが散乱したことを受け、セーフティカーが導入される。4周終了からレースが再開すると、このタイミングで予選9番手からスタートを決めて6番手にアップしていた太田が目前の野村を攻略。一方、3番手を走る牧野はリスタートで加速が鈍る岩佐をパスしてみせた。これにより、逃げる福住を牧野が追い、早速オーバーテイクシステム(OTS)を活用して福住を猛追する形でレースは中盤に向かう。
そんななか、レースは8周に入り、まず現状打破を狙う牧野を筆頭に、フラガら6台がピットイン。これで福住を追うのは岩佐へと変わり、坪井、そして太田がこれに続いたが、坪井はここで前の3台とは違う戦略を敢行する。11周終了でピットへと戻り、6秒の作業でコースに復帰すると、14周目の130Rで牧野を逆転。ピット作業を終えたドライバーのなかでの”裏1位”に立つこととなった。
中盤から折り返しに向かうなかでレースは膠着状態となり、トップ3は各車2秒強の間隔が開く。そこで先に動きを見せたのが岩佐。21周終わりでピットイン。5.4秒という速さでタイヤ交換を済ませてコースへ戻ると、その背後には坪井が。坪井は懸命にプッシュして逆転を狙うが、岩佐がこれを巧みにコントロール。ニュータイヤながら坪井を抑え込み、ポジションを死守して見せる。逆に岩佐に近づきすぎた坪井はその勢いでスプーンカーブで空力が乱れて痛恨のコースアウト。逆転の好機を逃すこととなった。
トップの福住は22周終わりでピットイン。これに太田、フェネストラズが続いてタイヤ交換を行なう。6秒強の作業時間となった岩佐に対し、太田は5.8秒の好タイムでピットを離れると、”裏1位”をゲット。だが、ニュータイヤを装着したばかりの太田は背後から迫る岩佐の逆転を許し、また坪井も、ポジションアップを果たせず戦略としてのアンダーカットを活かすことができなかった。勢いに乗った岩佐はみるみるうちに福住との差を縮め、26周目の130Rで逆転。だが、福住も負けておらず、翌周はOTSを使っての逆襲で再びトップを奪い返した。
そのバトルをうしろから”様子見”していたのは太田。3人のなかでOTSの残量も一番多く、ともすれば”漁夫の利”の可能性もあるなかで優勝を目指しての三つ巴の攻防が展開された。ファイナルラップに向かうなか、各車の間隔はともに0.7秒強。太田はOTSを使って追い上げを見せるが、バトルを続ける前の2台にはあと一歩及ばない。結果、福住が0.240秒差の辛勝でシーズン初優勝。自身としては5年ぶり3勝目を挙げ、トヨタ移籍後となる初の美酒に酔うこととなった。2位岩佐はまたしても今季初優勝のチャンスを逃している。一方、3位太田は予選で苦戦するも、決勝でのジャンプアップによって、シリーズランキングではトップをキープしている。
早くもシーズン前半を終えた今シーズンのスーパーフォーミュラ。次は7月中旬に開催される第6戦富士大会となる。インターバルには公式テストも行なわれる予定となっており、ここで各ドライバー、チームが前半の戦いを振り返り、さらにパワーアップして戦いに臨むことになりそうだ。
【第5戦鈴鹿 決勝トップ3】
1.No.14 福住仁嶺(NTT docomo Business ROOKIE)55’58.741 31周
2.No. 1 岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)+0.240
3.No. 6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)+0.620