Sleeper Magazineローンチパーティー ― 新時代のノスタルジア 詳細ページ(29169) - イベント・レースレポート

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Sleeper Magazineローンチパーティー ― 新時代のノスタルジア




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記事提供元:turnpike

記者:Travis Meir
 

Sleeper Magazineのデビューは、ショールームでもスタジオでもなかった。舞台となったのは、ストリートより一段下にあるコンクリートの駐車場。クルマと人で埋め尽くされ、イベントが動き出した瞬間から、すでに熱気に満ちていた。
 

外の空気はひんやりとしていた。だがスロープを下りた先では、まったく別の世界が広がっていた。エンジンのアイドリングが響き、音楽は柱に反射して空間を満たす。温度はどんどん上がり、息をするたびに、その場の空気を身体ごと吸い込んでいるような感覚になる。不快というより、そこには「生きている」空気があった。
 

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Sleeperのようなプロジェクトにとって、このロケーションは実にふさわしいものだった。この雑誌の根底にあるのは記憶だ。まさにこうした場所で生まれる、クルマとの最初の体験の記憶である。クリエイターであるLex MiloとVivian Han-Tatにとって、その記憶は子ども時代にさかのぼる。Lexの場合は、父親のPreludeの後部座席に乗っていたときのドライブ。Vivianの場合は、クルマ雑誌に囲まれ、父親とガレージで過ごした時間だった。それぞれ違う物語でありながら、どちらも自動車文化へと自然に引き寄せられていく感覚を共有していた。デザインの世界に足を踏み入れるずっと前から、その流れはすでに始まっていたのだ。
 

その共通の原点が、やがてSleeperというかたちになった。クルマは単なるパーツの集合以上の存在であり、スタイルと同じくらい物語にも価値があるという信念のもとに生まれたプリントマガジンだ。彼らのアプローチは、1990年代後半から2000年代初頭の影響をベースにしながら、現代的なデザイン思考を融合させたもの。その結果生まれたビジュアルランゲージは、どこか懐かしさを感じさせながらも単なる模倣にはならない独自のものとなっている。言うならば、新しいレンズを通して見たノスタルジア。コンセプトアートやフューチャリズムの感覚に形づくられ、そしてカーカルチャーのある時代が今なお現代に勢いを残しているという感覚に突き動かされているのだ。
 

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この雑誌をフィジカルな形でローンチしたのは、単なる美的な選択ではない。LexとVivにとって、プリントという媒体は欠かせないものだった。二人とも、ページをめくりながら憧れのクルマに丸をつけ、誌面のレイアウトを眺め、背表紙が割れるほど何度も読み返しながら雑誌を集めて育ってきた世代なのだ。
フィードの中で流れて消えていくものではなく、手に取り、形として残るもの。その「持続する感覚」は彼らにとって譲れないものだった。そして実際、それはうまく機能していた。人々は小さなグループになって集まり、雑誌を開き、見開きページを指さしながら、それぞれの特集の裏にあるストーリーについて語り合っていた。パーケードは単なる会場ではなく、その体験の一部そのものになっていたのだ。
 

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並んだクルマの顔ぶれも実に幅広かった。ドリフト仕様のマシン、ストリートセットアップ、磨き上げられたショーカー、そしてその中間にあるあらゆるスタイル。照明は温かみのあるハイライトと深い影を車列に落とし、限られた空間の中でそれぞれのクルマの存在感をいっそう際立たせていた。カメラのシャッター音は絶え間なく響き、フォトブースでは記念写真がひっきりなしにプリントされ続ける。来場者たちは一台から次の一台へと歩き回り、会場の人の流れは最後までほとんど途切れることがなかった。
 

Sleeperで特に印象的なのは、LexとVivがクルマを取り上げるときの視点だ。彼らが重視しているのは、数字や技術的なスペックの詳細ではない。関心があるのは、そのクルマが持つキャラクターやオーナーにとっての意味、どんな世界の中に存在しているのか、そしてビジュアルとしてどんな物語を語れるかという点だ。1978年式トヨタ・コロナワゴンを使った「Gas Money」の撮影は、その好例だろう。そこではクルマそのものだけが主役ではない。友人たちやスケートボード、夏の空気感といった要素がすべて含まれていた。クルマは物語のすべてではなく、その舞台として存在していたのだ。
 

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その哲学は、ローンチイベントの場でも強く共感を呼んでいた。来場者の中には、自分のクルマがここまで丁寧に記録されたのを初めて見たと語る人もいれば、この規模と雰囲気のイベントは大都市でしか体験できないものだと思っていたという声もあった。カナダ・エドモントンの、才能にあふれながらもこれまで十分に注目されてこなかったカーコミュニティにとって、その評価は大きな意味を持っていた。今回のローンチは、単なる雑誌のスタート以上の出来事だった。このシーンがこれからどこへ向かうのかを示す、一つの指標のような瞬間だったのだ。
 

これから先について、LexとVivは柔軟な姿勢を保ちながらも、決して曖昧ではない。彼らが思い描いているのは、各地を旅しながら新しい場所で物語を記録し、やがてSleeperをイベントやクリエイティブな体験へと広げていくこと。それらすべてが、雑誌のアイデンティティとつながっていく形だ。焦ることも、無理に広げることもない。ただ、ふさわしい人たちとともに、意図を持って着実に成長していくことを大切にしている。
 

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地下のパーケードにこもる熱気の中、ビルドマシンと観客に囲まれ、絶えず響く人とクルマの動きの反響のなかで、Sleeper Magazineは初めての確かな印象を刻んだ。大きな音を立てるためだけに騒がしいわけでもなく、実際以上に大きく見せようとしているわけでもなかった。
 

それは、カーカルチャーをもう一度「個人的なもの」として感じられる形で記録していこうとする、誠実で本物のスタートだった。プリントという媒体、コミュニティ、そして良いストーリーテリングがなぜ今でも重要なのかを思い出させてくれる瞬間でもあった。
 










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