SUPER GT第1戦岡山 プレビュー
打倒、絶対王者の36号車で挑むシーズンが開幕!
3月から日本国内のサーキットで主要レースの初戦が開催されているが、いよいよ今週末にはSUPER GTの2026年シーズンが幕を開ける。開幕の舞台となるのは、おなじみ岡山国際サーキット。GT500クラスでは、ホンダ陣営が新たな車両をリリースし、戦いに臨む。3連覇を達成した”あのチーム”を倒そうと、ライバルたちも負けてはいない。どのような展開となるだろうか。
■岡山を得意とするのは…!?
2024、2025年の開幕戦を制したのは、昨年のディフェンディングチャンピオン、No.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)。初戦をモノにすると、その後も強いレースを続けてシリーズチャンピオンに輝いた。坪井にとっては3連覇、山下は2連覇を達成し、今年はSUPER GT史上初となる4連覇を狙っているのは言うまでもない。一方で、ゼッケンはなじみあるTOM’Sのエースナンバー「36」を使用。”初心忘れべからず”の気持ちで今シーズンに挑むようだ。
岡山を得意とするのは36号車に限ったことではない。どちらかといえばGR Supra勢は岡山と相性が良く、実力あるチームが36号車に続けとばかり、いや36号車を上回る成績を残そうと躍起になっている。その筆頭は、同じTOM’SからエントリーするNo.37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)か。間近にいる”絶対王者”を打ち負かすべく、虎視眈々とチャンスを狙ってるはずだ。また、着実に結果を残しつつあるNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)や、シーズンオフのテストでしっかり手応えを得たと自信をつけているNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)にも注目したい。そして、GT500クラスにステップアップした小林利徠斗を迎え入れたNo.38 KeePer CERUMO GR Supraも”台風の目”になる素質が十分ある。小林をひっぱる”先輩”大湯都史樹は速さあるドライバーだけに、コンビの力が稼働したときの”化学反応”がどういうものになるのか、期待が膨らむ。
一方、ホンダ陣営はわずか2年という短命で終わったシビックに代わり、プレリュードGTを新たに投入。HRCのスタッフが各チームにエンジニアとして関わるという。なかでもNo. 8 #8 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(太田格之進/大津弘樹)には本格関与するとのこと。各チームによるデータ共有はもちろんのこと、陣営をまとめるHRCの”本気度”を感じるシーズンになりそうだ。ドライバーコンビの不動はNo.100 STANLEY HRC PRELUDE-GT(山本尚貴/牧野任祐)のみで、先述の8号車は太田がSUPER GTに復帰。先のスーパーフォーミュラで2連勝を挙げており、幸先良いスタートを切った太田がホンダの新たなエース的存在となるのか。それとも中軸となってプレリュードGTの開発に携わってきた牧野が、ベテラン山本とのコンビ力を遺憾無く発揮して100号車の実力を見せつけるのか。こちらも陣営内でのバトルが白熱しそうだ。
今シーズン、GT500クラスに参戦するのは全14台。昨年から1台減ったことになるが、ニッサン勢が4台から3台の陣営になった。そのなかでNo.24 リアライズコーポレーション Z(名取鉄平/三宅淳詞)が今シーズンからブリヂストンタイヤを装着することに。チームはSUPER GT参戦以来、一貫してヨコハマタイヤを装着してきたが、陣営として台数が減ったこともあり、データ共有のためにも同じブリヂストンを用いることで”足並み”を揃えることが得策と考えたか。いずれにせよ、凍結されていた空力開発もオフシーズンの間に行なわれたことで、マシンポテンシャルも向上。今シーズンは3台とも優勝候補として表彰台の一角だけでなく、表彰台の真ん中に立ちそうな勢いだ。
ご存知のように、SUPER GTでは戦績によってサクセスウェイトを搭載し、シーズンを戦っていく。開幕戦はノーウェイトでの戦いだが、今シーズンからは使用可能なエンジンを原則1基に変更しているために、長期的戦略が重要となるのは言うまでもない。できるだけ負荷のかからない戦いをしたいところだ。このため、ドライバーのドライビングテクニックを最大限引き出しつつ、クルマにストレスがかからないようなクルマを用意するのはエンジニアの仕事となる。まさにチーム一丸となっての総合力でシーズンのタフな戦いを乗り切っていくことが大事なだけに、岡山ではその”力加減”が見え隠れする展開になるのではないだろうか。
■バラエティ豊かな車両&ドライバーで盛り上がるGT300クラス
昨シーズン、2018年以来となるGT300クラスチャンピオンとなったNo.65 LEON PYRAMID AMG。今年も蒲生尚弥と菅波冬悟のチャンピオンコンビで参戦するが、実は65号車と岡山の相性の良さはGT500クラスの36号車以上だ。岡山は過去5年にわたり表彰台の常連だけに、今年の開幕戦でも同様の活躍が期待できるだろう。そう考えると、今シーズンから同じMercedes AMG GT3を操るチームにも注目が集まっても不思議ではない。その筆頭が、今年新たなチームとしてGT300クラスに挑むNo.32 ENEOS X PRIME AMG GT3(石浦宏明/鈴木斗輝哉)だろう。昨シーズンまで長くGT500クラスで活躍していた石浦がGT500クラスを勇退。一方、早い時点からGT300クラスにトヨタ系のGT3車両を投入するというウワサが出ており、それを石浦がドライブするのではと言われていたのだ。結果として新チームが誕生し、AMG GT3を投入。石浦がチームドライバーとしてGT300クラスに復帰を果たす。コンビを組む鈴木はSUPER GT初参戦のルーキー。速さを買われての抜擢だけに、石浦のクレバーなドライビングから多くのことを学び、吸収してどのように成長するのかも気になるところ。安定感あるレース運びが形になれば、65号車のライバルとなってクラスを盛り上げることも難しくはないだろう。
GT300クラスは長年同じコンビでレースを戦うチームも少なくない。毎戦、実力伯仲の戦いが多く、僅差の結果になることも珍しくない。ちょっとした”ボタンのかけ違い”で結果に泣き笑いが生まれる……そんな感じだ。そのなかでより安定感ある結果を残すことが、ランキング上位、ひいてはシリーズチャンピオン獲得のポイントとなるだけに、今シーズンも緻密なレース戦略が求められることだろう。
さまざまな車種が違うアプローチで戦うゆえの難しさ、面白さを併せ持つGT300クラスだが、今シーズンは大物ドライバーの参戦が早くも話題を集めている。それが、元F1ドライバーであるダニール・クビアトだ。加入するのは、2024年のGT300王者であるNo.88 VENTENY Lamborghini GT3。クビアトがランボルギーニのワークスドライバーであることから実現した参戦だが、コンビを組むのがGT500、300両クラスでのチャンピオン経験を持つ小暮卓史だけに、GTファンの期待度も大いにアップ。そして、新たにエンジンを搭載することになったNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)に期待を寄せるファンも多い。いずれにせよ、個性豊かな車両が一堂に会するGT300クラスならではの魅力をしっかりと堪能してもらいたい。
■主なスケジュール
OKAYAMA GT 300km RACE
4月11日(土)
09:30〜10:55 公式練習(GT300+GT500)
10:55〜11:05 FCYテスト
11:05〜11:15 公式練習(GT300専有)
11:15〜11:25 公式練習(GT500専有)
12:20〜13:20 ピットウォーク
14:00〜14:10 公式予選Q1 GT300 A組
14:18〜14:28 公式予選Q1 GT300 B組
14:33〜14:43 公式予選Q1 GT500
14:53〜15:03 公式予選Q2 GT300
15:11〜15:21 公式予選Q2 GT500
16:00〜16:40 キッズウォーク
4月12日(日)
09:30〜10:30 ピットウォーク
10:35〜10:55 ドライバーズアピアランス
11:05〜11:20 オープニングセレモニー
11:50〜12:10 ウォームアップ
12:10〜13:20 スタート進行
13:20〜決勝 300km RACE(82周)