第5戦鈴鹿、ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16がポールを奪取!
8月23日、三重・鈴鹿サーキットにおいてSUPER GT第5戦の予選が猛暑のなか行なわれ、公式練習時から好調だったNo.16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹/佐藤蓮)が今シーズン初となるポールポジションを手中に収めた。
第3戦マレーシアは6年ぶりの海外戦、また前回の第4戦富士はスプリントレースでの開催であったため、ようやく今回の第5戦鈴鹿で”おなじみ”のスタイルでレース開催が復活することになる。一方、猛暑が続くなかでの一戦とあり、今回の鈴鹿はライバルそして暑さとの戦いになることは間違いない。
午前10時20分からスタートした公式練習では、気温が32度から34度まで、また路面温度は38度から48度まで推移するなかで、予選に向けてのクルマ作りが始まる。途中、コースアウトしたNo.37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)の回収を兼ねて10分ほど赤旗中断となったが、その後は順調に走行が行なわれた。
GT300クラスとGT500クラスの混走では、No.23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正/高星明誠)がトップタイムをマーク。だが、その後のFCYテスト、さらにGT300クラス専有走行を経て行なわれたGT500クラス専有でのセッションでは、終盤にNo.16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹/佐藤蓮)が2周続けて最速タイムを更新する走りを披露。GT500クラスでは唯一未だサクセスウェイトを搭載しておらず、これまで納得のいく結果を残すことができなかったが、今回はその立場を最大限活かす形でトップに立った。
迎えた午後からの予選。強い日差しが依然としてコースを照りつけるなか、Q1で最速タイムをマークしたのはNo. 12 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)で、公式練習でトップだった16号車は0.06秒差で2番手通過に。また、ランキングトップ2台のNo.1 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)、37号車はサクセスウェイトの影響も大きいと見られ、Q1通過を果たすことができなかった。だがその一方で、ランキング3位のNo.38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)は8番手タイムでQ2に駒を進めるなど、明暗が分かれた。なお、今大会直前に今シーズンをもってGT500クラスでのレース参戦を引退すると表明したNo.64 Modulo CIVIC TYPE R-GTの伊沢拓也も奮闘。Q1で7番手通過を果たし、Q2へとバトンを繋ぐ活躍を見せている。
GT300クラスのQ2を挟み、いよいよQ2がスタート。すでにピット前は日が陰るが、まだまだコース上の一部は西日が差し込む状態。Q1とQ2とでは気温、路面温度の変化はさほど大きくなく、気温34度、路面温度47度前後でのセッションとなったが、一方で路面コンディションが格段に向上。すると、他車より早いタイミングでアタックを始めていた16号車の佐藤が、残り時間2分30秒もある段階で1分45秒377という最速ラップを刻む。これはQ1でトップタイムをマークした12号車を上回るものだった。これに続けと他車もアタックを行なうが、残り1分を切ってなお、誰ひとりとして16号車のタイムを上回ることができず。結果、16号車が今シーズン初ポールポジションを獲得することとなった。なお、アタックを担当した佐藤にとっては、自身初となるGT500クラスでの初ポールでもあった。2番手に続いたのは、No.23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正/高星明誠)。Q1を4番手で通過し、Q2でふたつポジションを上げる形となった。また、3番手にはNo. 3 Niterra MOTUL Z(佐々木大樹/三宅淳詞)が続き、NISMO勢が相性のいい鈴鹿で逆襲に出る形となっている。
GT300クラスは、公式練習でディフェンディングチャンピオンのNo. 0 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)がトップタイムをマーク。予選に入っても順調にQ2へと駒を進めたが、それ以上に格段の速さを見せつけたのが、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)だった。今シーズン、これまでのレースで速さは見せるものの、決勝でトラブルに泣くことが多く、結果を残せていなかった61号車。まず、公式練習で2番手につけると、予選でもその勢いで、まずQ1・B組をトップで通過し、Q2へ。そのQ2では、GT300クラス最多タイのポールポジション獲得数を誇る山内が残り2分10秒の時点でトップタイムとなる1分56秒869をマーク。その後、他車も思うようにタイムを伸ばすことができず、このまま61号車が2番手に0.310秒という大差をつけてクラスポールポジションを掴み取った。なお、山内にとっては、通算15回目のポールポジションかつ単独トップとなり、チームにとっては願ってもない形で明日の決勝を迎える結果となっている。そして、2位に続いたのは、No. 7 CARGUY Ferrari 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗)。今シーズンからSUPER GTに挑戦する若手ふたりの活躍により、Q1・A組をトップ通過、Q2も2番手タイムをマークし、好調さをしかとアピールした。これにNo. 5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(塩津佑介/木村偉織)が続き、GT300クラスとしてはカテゴリーの異なる3台が予選トップ3につける結果となっている。
翌日の決勝は、予選開始時刻とほぼ似通った午後3時30分に号砲予定。天気予報によるとさらに厳しい天候となりそうなだけに、300kmの戦いはサバイバルレースとなる可能性が高い。
・第5戦鈴鹿:予選結果(各クラストップ3)
・GT500
1.No.16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹/佐藤蓮)1’45.377
2.No.23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正/高星明誠)1’45.564
3.No. 3 Niterra MOTUL Z(佐々木大樹/三宅淳詞)1’45.681
・GT300
1.No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)1’56.869
2.No. 7 CARGUY Ferrari 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗)1’57.179
3.No. 5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(塩津佑介/木村偉織)1’57.328