SUPER GT第5戦鈴鹿 プレビュー
酷暑の鈴鹿、新たなウィナー誕生に期待
まだまだ厳しい暑さが続くなか、今週末には鈴鹿でのレースが控えるSUPER GT。第5戦は300kmでの一戦となる。シーズン後半戦の初戦にあたるレースゆえ、そろそろチーム事情によって戦い方にも違いが出始めるであろうタイミングのため、シーズン初優勝を狙って奮闘するチームの活躍に期待がかかる。
”年一”開催となった鈴鹿戦
前回、SUPER GTとして初のスプリントレースを開催した富士戦。シーズン折り返し直前の一戦だけに、本来であればそれまでに獲得した成績によるサクセスウェイトがボディブローのように効き、とりわけシリーズランキングで上位につけるチームは高速サーキットの富士を存分に走れなかったはず。だが、スプリントレースというスペシャルイベントに様変わりしたことから、ノーウェイトかつピットストップを伴うタイヤ交換や給油も不要というレースレギュレーションになり、フタを開けてみれば、GT500クラスでは速さ、強さに定評のあるNo.1 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)を代表とするSupra勢が圧倒的な強さを見せつけるという結果に終わった。総じて、GT300クラスと混走したRace1に留まらず、続くGT500単独開催のRace2においても表彰台を独占。日産、ホンダ勢にとっては敗北感を味わうだけのスペシャルイベントになった。それから3週間のインターバルを挟んで行なわれる鈴鹿戦は、悔しい思いが募るドライバー、チームが逆襲の機会を狙う争いになるかもしれない。
昨シーズンまで富士同様、鈴鹿では年に二度レースを開催。昨年は6月初頭と8月末が予定されていたが、8月末は台風10号の接近に伴い早々と中止が決定し、12月へと延期された。一方、今シーズンは6年ぶりに海外戦が復活し、マレーシア・セパンでの一戦が行なわれたため、鈴鹿は年に一度の開催へと変わっている。昨年とは大きく開催時期が異なるため、データがそのまま流用できるわけはなく、今シーズンのデータと過去のデータを組み合わせてクルマのセットアップを進めていくことになるだろうが、猛暑が続くなかでの開催が予想されることから、展開そのものがタフなものになるのではないだろうか。とりわけ問題が起こりやすいタイヤに関しては、存分なマネージメントが求められる。タイヤに優しいクルマ、そして走りを心がける一方、ライバルとの激しい攻防戦に挑まねばならないため、サバイバルレースになる可能性も高そうだ。
増える搭載ウェイトと足かせ”の併用
GT500クラスでは、戦績によって課されるサクセスウェイトの増加に合わせ、装着する燃料流量リストリクターの径が調整される。燃料流量リストリクターは、エンジンに流れ込む燃料の量を規制し、強制的に出力を抑制するものだが、その口径が絞られる=小さくなるため、結果として本来のポテンシャルよりパワーダウンした状態で戦うことになる。ランキング暫定トップである1号車はサクセスウェイトも第4戦終了時点で早々と上限の100kgを突破。リストリクターも最大限絞られるため、鈴鹿ではまさにガマンの戦いになるだろう。だが、第3戦までサクセスウェイトを物ともせず高いパフォーマンスを披露してきただけに、どこまで踏ん張れるのか、そのあたりにも注目してほしい。なお、燃料リストリクターの口径が絞られるのは、上位ランカーの5台。つまり、ランキング6位以下の車両は、鈴鹿戦で躍進できるチャンスが広がることになる。速さはあれど決勝で結果を残すことが出来ていないNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)はもちろん、先述の日産、ホンダ勢の逆襲にも期待がかかる。
一方、GT300クラスでは、今シーズンから新たに導入されたサクセス給油リストリクターをランキング上位9台が用いることになった。GT500クラス車両に装着するものとは異なり、こちらは、給油流量リストリクターの径が調整される。これにより、通常よりも給油にかかる時間が長くなり、ピットでの停止時間がトータルとして長引くというわけ。当然ながら、課されるウェイトによってリストリクターの径も3段階に区分されている。ピットで生じる”延長時間”を走って取り戻すのは容易ではないだけに。上位陣はそつのないレース運びでひとつでも上のポジションを狙うことが最優先になりそうだ。
全8戦でシリーズチャンピオン争いを繰り広げるSUPER GT。ちょうどこの鈴鹿からシーズン後半戦が幕を開ける。タイトルを意識した戦いがより白熱化するだけに、今大会では各チームがそれぞれが求める結果にコミットする戦いとなるはず。300kmに渡って繰り広げられる過酷なバトルのあとは、パルクフェルメが行なわれるストレート上で「SUPER GT CHILL OUT Party ~花火Night~」が開催され、フィナーレには華やかな花火が打ちあがる予定。終盤を迎える夏休みを目いっぱい楽しんでいただきたい。
■主なスケジュール
SUZUKA GT 350km RACE
8月23日(土)
10:10〜11:35 公式練習(GT300+GT500)
11:35〜11:50 FCYテスト
11:50〜12:00 公式練習(GT300専有)
12:00〜12:10 公式練習(GT500専有)
12:35〜13:25 ピットウォーク
15:15〜15:25 公式予選Q1 GT300 A組
15:33〜15:43 公式予選Q1 GT300 B組
15:48〜15:58 公式予選Q1 GT500
16:08〜16:18 公式予選Q2 GT300
16:26〜16:36 公式予選Q2 GT500
16:50〜17:35 キッズウォーク
9月1日(日)
12:20〜13:10 ピットウォーク
13:20〜13:40 オールドライバーアピアランス
14:00〜14:20 ウォームアップ
14:20〜 スタート進行
15:30〜 決勝300km・52周レース
表彰式後 表彰式・SUPER GT CHILL OUT Party ~花火Night~