ウェットコンディションの決勝、岩佐歩夢がポール・トゥ・ウィン! 詳細ページ(27613) - イベント・レースレポート

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ウェットコンディションの決勝、岩佐歩夢がポール・トゥ・ウィン!




8月10日、宮城・スポーツランドSUGOで開催された全日本スーパーフォーミュラ第8戦の決勝レース。ウェットコンディションのなか、荒れ模様の展開となったが、ポールポジションからスタートを切ったNo.15 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)が落ち着いたレース運びで後続車をコントロール。悲願の自身初優勝を果たした。
 

23年ぶりに8月開催となったSUGO戦。夏休みとあり家族連れで観戦するファンの姿が多く見られた。一方、前日まで晴れ模様だった天気は一転して雨模様に。午前9時30分から始まった30分間のフリー走行は、シーズン初めてとなるウェットタイヤでのセッションとなる。なおスーパーフォーミュラでは、今シーズンから新しいスペックでのウェットタイヤが導入されており、全ドライバーが公式戦で装着するのは今回が初めて。この先に控える決勝では、タイヤをいかにマネージメントするかもドライバーのミッションのひとつになったに違いない。
 

午後2時20分からの決戦を前に、雨はほぼ止んでいたが路面はウェットのまま。気温は午前から徐々に上がり26度、路面は28度という数値を刻んだ。ダミーグリッドに全車が整列するなか、スタート5分前になって、今大会はセーフティカー(SC)スタートをもって幕を開けることが決定。定刻どおり、セーフティカーが先導して51周のレースが始まったが、展開次第では最大75分での時間レースになる可能性も含まれており、不確定要素が多いなかでのスタートとなる。
 

レースは4周走行中のセーフティカーのフラッシュライトが消灯、いよいよ5周目から事実上のレースが始まり、岩佐がクリアスタートを決めて1コーナーへ。一方、予選2番手のNo.37 サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOMʼS)はオーバーテイクシステム(OTS)を使って1コーナーでの先行を試みたが、逆転は果たせなかった。一方、予選4番手のNo.1 坪井 翔(VANTELIN TEAM TOMʼS)は目前のNo.38 阪口晴南 (SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)を早々と攻略してみせる。
 

そんななか、入賞圏内を走行していたNo.64 佐藤 蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)が2コーナーで縁石に乗って挙動を乱し、スピン。すぐコース復帰が果たせず、再びセーフティカーがコースインすることに。幸い佐藤のクルマはエンジンがかかっていたため、その後コース復帰は果たしたが、リスタートは15周目からとなった。逃げる岩佐にサッシャは付いていこうとしたが、逆に後続のチームメイトである坪井からの猛追に苦戦。ポジションは死守するも、再び岩佐攻略の好機をモノにできず。一方、このリスタートでNo.65 イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)に逆転を許したNo. 8 福住仁嶺(Kids com Team KCMG)だったが、20周目にはポジションを奪還してみせた。
 

序盤から慌ただしい展開になったレースだが、21周目にはNo.12 三宅淳詞(ThreeBond Racing)がコースアウトの末にタイヤバリアに激突。この直前には馬の背コーナーで並走によるバトルを展開しており、その最中にフロントタイヤをロック。その勢いで相手と接触してフロントウィングを損傷していたことが響いたと思われる。このクラッシュによって、レースは3度目のSCが導入され、折り返しを前に荒れた展開が続く形となった。
 

コース修復に時間を要すなか、レースは当初予定されていた51周の戦いではなく、時間レースへと切り替わる。結果、28周終了時点でレースは再開したが、残り時間は26分弱。トップ3のポジションに変わりはなかったが、4番手阪口と5番手福住との差がにわかに縮まり、リスタート後にはこの2台に加え、予選Q1で敗退して決勝は16位からの追い上げを強いられたNo. 6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が大きくポジションアップを果たす怒涛の走りで展開を盛り上げた。
 

レースは残り時間20分を切り、雨が再び降り始める。これに先んじて、SCラン中にNo. 7 小林可夢偉(Kids com Team KCMG)がドライタイヤへ交換するというギャンブルに出て懸命に追い上げていたが、路面は一向にドライアップせず、タイムも思うように伸ばせないまま。結果、戦略が裏目に出ることとなり、最後までポジションアップを果たせなかった。
 

その後も表彰台を争う上位陣は僅差で縦一列の走りを続けたが、なかでも一番の動きを見せたのが、3位争い。長らく坪井がポジションを死守していたが、残り3分を切って互いがOTSを使っての攻防戦を繰り広げると、47周目の1コーナーで福住が狙い通りにインへと飛び込んで逆転に成功。ついに3番手へと浮上する。逆に坪井は後続車からの追いたてもあり、それ以上の追随は果たせなかった。
 

これにより、岩佐が固い守りを見せてトップチェッカー。2024年のデビュー以来、なかなか勝てずに遠かった優勝をようやく成し遂げることとなった。2位に続いたフェネストラズも、今年日本のレースに復帰後初の表彰台に。そして激しい攻防戦をものにした福住にとっても、今季初の表彰台となり、三者三様嬉しい結果を手にしている。一方、4位スタートの坪井は表彰台を逃し、ポジションキープの4位でチェッカー。これに阪口、さらにはフラガと続くことになった。
 
 
今回、岩佐がポール・トゥ・フィニッシュを達成したことにより、フルマークとなる23点を計上。結果、シリーズランキング争いは、坪井が依然として暫定トップをキープしたが。2番手に岩佐が浮上。トップとの差もわずか5点としている。そして3番手には太田。今回は後方からの見事な追い上げでポイント加算も果たしたが、岩佐に先行を許すことになった。
 

早いもので、残り2大会となった今シーズンのスーパーフォーミュラ。富士、鈴鹿で開催される大会はいずれも2レース制の戦い。1日で予選と決勝を行なう短期決戦では、果たして誰が強さを発揮するのか。タイトル争いも佳境を迎えるため、さらに見どころが増えそうだ。
 

【第8戦SUGO 決勝トップ3】

1.No.15 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)1H15’40.082 48Laps
2.No.37 サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOMʼS)+0.627
3.No. 8 福住仁嶺(Kids com Team KCMG)+1.836










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