第4戦富士、Race2はNo.14 ENEOS X PRIME GR Supram(GT500)とNo.777 D’station Vantage GT3(GT300)が各クラス勝者に!
8月3日、前日に続いて静岡・富士スピードウェイを舞台に繰り広げられたSUPER GT第4戦「FUJI GT SPRINT RACE」。2日目のRace2は、GT300クラス、GT500クラスがそれぞれ単独での決勝レースを行なった。
SUPER GTでひとりのドライバーによる決戦を公式戦として実施するのは今回が初。この新たな取り組みに、どのようなレース展開になるのか期待が膨らむなか、まずは午前8時30分から公式練習が行なわれた。このセッションのみ唯一GT300とGT500両クラスがコース上で走行したが、終盤には各クラスの専有走行が行なわれ、GT300クラスではNo.777 D’station Vantage GT3の藤井誠暢が、またGT500クラスはNo.1 au TOM’S GR Supraの山下健太がそれぞれトップタイムを刻んだ。
第4戦富士 予選
GT300クラスの予選は午前11時にスタート。20分間の一発勝負のセッションだが、アタックに向かうのは残り時間10分を切ってから。満を持したようにトップタイムをマークしたのは777号車で、1分36秒888と公式練習よりもタイムを縮めた。2番手には前日のRace1で予選5位から決勝2位と躍進したNo. 4 グッドスマイル 初音ミク AMG。この日は谷口信輝が、連日の表彰台を狙って好位置を手にした。そして3番手に続いたのは、Race1でクラスポールを手にしたNo. 2 HYPER WATER INGING GR86 GT。表彰台を逃した平良の分も、と堤優威が気を吐いた。
GT300クラス予選から10分後にスタートしたGT500クラス予選。 1号車を担当する山下はこの日が自身誕生日とあり、ポールポジションを狙ってアタックを開始する。順調にタイムを削って暫定トップに立っていたが、最終盤でこれを上回ったのがNo.14 ENEOS X PRIME GR Supraの福住仁嶺。Race1では大嶋和也がオープニングラップでクラッシュを喫してリタイヤに終わっていたため、そのリベンジを果たすようにトップタイムをマークし、ポールポジションを掴み取った。これにより、山下が2位に続き、3番手には前日と同じくNo.38 KeePer CERUMO GR Supra。この日ドライブを担当する石浦宏明はGT500からの引退表明後、初のSUPER GTレースであり、パドックではサインを求めるファンの姿が多く見られた。
■第4戦富士:Race2 予選結果(各クラストップ3)
・GT500
1.No.14 ENEOS X PRIME GR Supra(福住仁嶺)1’27.477
2.No.1 au TOM’S GR Supra(山下健太)1’27.675
3.No.38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明)1’27.938
・GT300
1.No.777 D’station Vantage GT3(藤井誠暢)1’36.888
2.No. 4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝)1’37.275
3.No. 2 HYPER WATER INGING GR86 GT(堤優威)1’37.300
第4戦富士 決勝
午後に入るとやや曇り空がにわかに広がり、午後2時15分からのGT300クラス決勝は、気温32度、路面温度42度のコンディション下で幕を開ける。今回は50分の時間レースのため、Race1よりやや少ない周回での戦いになることが予想された。
2周のフォーメーションラップを経て、レッドシグナルからグリーンシグナルへと変わり、レースがスタート。1コーナーでは先頭の777号車に続き2号車が浮上。4号車は3番手からの追い上げを目指した。2号車は777号車に喰らいつく形で周回を続けたが、4号車はじわじわとその差が広がり、中盤に入ると後方から勢いよくポジションを上げてきたNo.65 LEON PYRAMID AMGの菅波冬悟から猛追を受ける。
チェッカーまで残り15分が近づくなか、TGRコーナーでは4号車と65号車が激しい攻防戦を繰り広げたが、勝負は65号車に軍配が上がる。さらに4号車はチェッカーまで残り8分の時点でNo. 5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号の木村偉織にも先行を許すことになり、連続表彰台のチャンスを喪失した。
レースはトップ2台が終始等間隔で周回を続け、その背後から65号車が迫る形となったが、チェッカーが近づき優勝争いに加わるまでには至らなかった。結果、777号車が前日のRace1とのダブルウィンを達成。ランキング争いでも暫定2位に浮上した。一方、2位の2号車に続いた65号車もRace1に続き連日3位となり、ランキング暫定トップをキープしている。
GT300クラスのバトルレースからおよそ2時間弱。いよいよ2日間にわたって繰り広げられたスプリントレースの最後を飾るGT500クラスのRace2がスタートした。気温29度、路面温度38度、また上空は曇り空のコンディションとなり、レースウィーク中で一番涼しいなかでの戦いとなった。
2周のフォーメーションラップを経て、ポールポジションの14号車から1号車、さらに38号車とトップ3のポジションに変動はない。だが、その後方では装着するタイヤの特性からか、若干の順位の入れ替えが見られた。
逃げる14号車に対し、1号車も変わらぬペースで追い立てるが、開始から15分も過ぎるとトップ3台は、それぞれ等間隔でギャップが開く状態に。これに対し、その後方では要所要所で激しい鍔迫り合いが繰り広げられ、各ドライバーが”腕の見せどころ”とばかり攻防戦を披露した。
いつもはGT300クラスを利用しての逆転劇が見られるSUPER GTだが、今回はガチバトル。ゆえにヒートアップした各車は通常よりアグレッシブな走りになったのか、走路外走行となる車両も多く、これを注意する白黒旗やタイムペナルティの判定など、違った意味で”荒れた”レース展開となった。
トップ3が不動のポジションで周回を重ねるなか、4位に浮上してチェッカーを受けたのはNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraの関口雄飛。スタートから果敢な攻めでポジションを上げ、最後まで4位を守り切った形だ。そして5番手に続いたのは、No. 12 MARELLI IMPUL Zの平峰一貴。予選7番手から間隙を縫う形で着実にポジションアップを果たしてみせた。オーバーテイクでの接触でタイムペナルティを課されながらも5位を掴み取っている。一方、厳しいレースウィークになったのはホンダ勢。今回の最高位は、No.64 Modulo CIVIC TYPE R-GTの大草りきによる8番手だった。
富士の戦いをもってシーズン前半戦を終了したSUPER GT。今月末には第5戦鈴鹿となり、いよいよ後半戦へと突入する。残暑厳しい鈴鹿は、300kmの戦い。サクセスウェイトの影響も出るなか、どのようなドラマを見せるのか。
■第4戦富士:Race2 決勝結果(各クラストップ3)
・GT500
1.No.14 ENEOS X PRIME GR Supra(福住仁嶺)50’22.936 34周
2.No.1 au TOM’S GR Supra(山下健太)+0.728
3.No.38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明)+20.508
・GT300
1.No.777 D’station Vantage GT3(藤井誠暢)50’58.204 31周
2.No. 2 HYPER WATER INGING GR86 GT(堤優威)+1.271
3.No.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥)+3.160