2024年NISMOフェスティバルのピットサイドから
NISMOフェスティバルは、日本の自動車カレンダーの中でも象徴的なイベントの一つで、日産ファンにとっては欠かせない存在だ。
しかし、今年のフェスティバルは、自動車業界がEVや現代化に向かう転換点を反映したかのようで、フェスティバルの衰退が始まったのではないかという印象を受けた。
多くの人にとって、このフェスティバルの魅力は、地元ディーラーですでに見られるハイブリッドやEVモデルではなく、日産のヘリテージコレクションの選りすぐりの車両がサーキットで走り、その音を楽しむことにある。
先週末のイベントは、過去のNISMOフェスティバルに比べてやや落ち着いた雰囲気で、非EVのレーシングカーはわずか16台が一日を通して富士スピードウェイを走行した。
それでも、電動化が進む自動車の未来について嘆くよりも、今年トラックを駆け抜けたレジェンドたちに焦点を当てよう。
2024年はNISMO創立40周年という節目の年で、28,500人のファンがこの記念すべき年を祝うために集った。
イベントの幕開けを飾ったのは、日産を代表するレーシングカー、グループA仕様のカルソニックR32スカイラインGT-R。多くの来場者にとっては、子供時代にポスターを飾った車であり、その青と白のカラーリングはNISMOの象徴そのもの。
そして、その550馬力を誇るRB26エンジンが奏でる音——これ以上のものはない!
もう一つの注目は、カルソニックカラーのR390 GT1。この3.5L V8エンジンはかつてグループCレースに使用され、1997年と1998年のル・マン24時間レースに日産が参戦した際のマシンだ。公道仕様はわずか2台しか製造されていないが、そのうちの1台は元F1ドライバーで日産のワークスドライバーだったエリック・コマスによって最近レストアされ、現在も走行可能だ。
多くの人にとって、NISMOフェスティバルのハイライトは「ヒストリックカーエキシビションレース」。今年も1970年代のクラシックカーが富士スピードウェイで接戦を繰り広げ、日産の豊かなモータースポーツの歴史を感じさせてくれた。
そして、「オール・サニー・レース」では、B110とB310の22台がスタンディングスタートで並び、直線を駆け抜けるエンジン音は圧巻だった。
小径ホイール、オープンキャブ、そしてむき出しの内装——オールドスクールなレーシングカーの魅力に引き込まれる。
午後3時ごろ、東京特有の日曜の混雑を避けるため、多くの来場者が富士スピードウェイを後にした。その結果、ヒストリックパドックはほぼ無人となり、富士山の夕焼けが一層映える美しい光景が広がった。
富士スピードウェイのスタンド4階には、観客の喧騒から離れた場所に、伝説的なマシンが並んでいた。その中にはJGTC時代の「モチュール・スカイラインGT-R」の姿も。
VQ30DETTエンジンを搭載したこの車は、R34型GT-RとしてのJGTC最終章を飾り、その翌年には日産がZ33フェアレディZに移行した。
スカイラインの隣には、1996年のJTCC(全日本ツーリングカー選手権)で活躍したサニーが展示され、300馬力の自然吸気SR20エンジンがその存在感を際立たせていた。
メインパドックでは、ヘリテージカーが最終走行に向けて整列していた。
スカイラインGT-R LMは午後の柔らかな日差しを浴びて輝いていた。ル・マンでの成功はなかったものの、その美しい姿は圧倒的な存在感を放っている。
今年最も興奮した瞬間の一つは、1992年のデイトナ24時間レースで総合優勝を果たした日本初の車、「R91CP」を目にしたことだった。
また、1989年の全日本ツーリングカー選手権で圧倒的な強さを見せた「リーボック・スカイラインGTS-R」も印象的だった。
もちろん、NISMOフェスティバルでは現代のレーシングテクノロジーにも焦点が当てられており、日産の最新スーパーGTマシンが主役を務めた。
新世代のマシンは音が静かでも、コースを疾走する姿には多くの注目が集まっていた。
ネットではS16シルビアの噂が流れているが、トヨタGR86に対抗する後輪駆動モデルの登場を期待している。ただし、日産がEVや前輪駆動プラットフォームに注力し、現在の財政状況を考えると、その期待は少し厳しいかもしれない。
今年のフェスティバルは走行スケジュールが軽めだったため、観客用駐車場をじっくり探索する時間があった。そこはまるで非公式なミーティング会場のようで、特にGT-Rの台数には圧倒された。
実際、この駐車場だけでも単独記事になるほどの内容だった——詳細はお楽しみに!
2024年のNISMOフェスティバルを後にする際、どこか複雑な気持ちが残った。イベント自体は、12月最初の週末に日本を訪れる日産ファンにぜひ勧めたいものの、ヘリテージカーのラインナップが減少し、EVが主流となる中で、NISMOフェスティバルwidth=”100%” height=”auto”は岐路に立たされているように感じる。それが現実でないことを願うばかりだ。