SUPER FORMULA第3戦スポーツランドSUGO
梅雨入り目前、SUGOではどんなドラマが!?
第2戦からおよそ1ヶ月。大分・オートポリスで繰り広げられたSUPER FORMULAの一戦は、本州最北端にあるサーキット、宮城・スポーツランドSUGOへと戦場を移して開催される。早くも沖縄、奄美地方は梅雨明け宣言が出され、21日には近畿、東海、そして関東甲信まで梅雨入りしたという発表が気象庁からなされたが、SUGOのある東北地方はいまだ梅雨入りしていない。果たして安定したコンディションでのレースとなるか否か。お天気だけでなく、毎年のように波乱万丈の展開を見せるこのサーキットならではのドラマが待ち遠しい。
ショートサーキットでの一戦
オートポリスの戦いからおよそ1ヶ月。杜の都仙台から小一時間に位置するスポーツランドSUGOは、コンパクトなショートサーキット。また、観戦席とコースとの距離も短く、迫力満載のレース観戦が可能であるだけに、たっぷりと臨場感を味わうことができる。
一方、サーキット自体は全長が短く、起伏に富んだコースレイアウトのため、クルマのセットアップはもちろんのこと、ドライバー自身渾身の走りが求められるため、心身ともにプレッシャーのかかるコースでもある。早い話、難コースの戦いがドライバーを待ち受けることになるわけだ。観る側としても、目まぐるしく展開が変わるため、ハラハラドキドキの気持ちで戦いを見守ることになるだろう。
難コースだからこそ、予選がキーに
攻め甲斐のあるコースではあるが、全長が短いため、接近戦になってもなかなか抜くまでには至らない。タイミングよくズバッと短期決戦でライバルを仕留めることが求められる。となれば、まずは予選で少しでも好位置を手にすることが重要となってくる。SUPER FORMULAではノックアウト方式の予選を取り入れており、着実にQ1、Q2へと駒を進めていかなければならない。
2組に分けられたQ1でまずは上位6台に残り、合計12台によるQ2でポールポジション、そして上位グリッドを狙うため、まずはライバルを出し抜くセットアップが必要となる。そのためには土曜日朝のフリー走行でしっかりとセッティングとタイヤの確認を行ない、リズムに乗りたいところ。1時間30分あるセッションとはいえ、エンジニアそしてドライバーにとっては、やりたいことが山積の状態といえよう。しかも、今回は予選のある土曜日が晴れ、そして決勝日は雨模様という予報がでている。不安定で気まぐれな天候となっても”落ち着いて”レースをするために、やはり大事なのはひとつでも前のスターティンググリッドを予選で手に入れること、であるのは間違いない。
SUGOで沖縄出身ドライバーがデビュー
今回のSUGOでは、沖縄出身のドライバーがデビューを果たす。ITOCHU ENEX TEAM IMPULが平良響の起用、日本のトップカテゴリー初”しまんちゅ”ドライバーの誕生ということになる。平良はFIA-F4を経てスーパーフォーミュラ・ライツに挑戦。2023年は最後までチャンピオン争いに残ったものの、惜しくもランキング2位。トップフォーミュラへのフル参戦は叶わなかった。しかし、ITOCHU ENEX TEAM IMPULがシーズン当初に招聘したテオ・プルシェールは、のちにインディカーシリーズへと境地を求めることとなり、前回のオートポリスでは、ベン・バーニコートが急遽参戦していた。しかし彼もまた、別のレースをメインレースとしていることから、今回、ピンチヒッターとして招聘されたのが平良。過去にシーズンオフのルーキーテストでドライブする機会があったとはいえ、その時間たるや存分ではなかっただろうが、このビッグチャンスを活かすパフォーマンスを見せることで、レギュラードライバーへの可能性が広がるというもの。ともにF4やSFライツを戦ったかつてのライバルらとのバトルに興じてもらいたい。
シーズン序盤の締めくくり
シーズン開幕戦の鈴鹿ではチャンピオン経験のある野尻智紀(TEAM MUGEN)が圧巻の強さを披露し、勝利。続くオートポリスでは、悲願の初優勝で大泣きした牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)の走りが光っていた。そして迎える今大会。そろそろ今シーズンの勢力図が垣間見える頃ではないだろうか。まだ2戦を終えた段階ではあるが、ベテラン勢に混じって奮闘しているのが、ルーキーで野尻のチームメイトでもある湯浅歩夢(TEAM MUGEN)、シーズン3年目に突入する佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)らの若手ドライバーが勢い着いている。僅差の戦いが続き、拮抗する状況のなかで確実に結果を出すことが、チャンピオンシップ争いに繋がっていくのはもちろんではあるが、記憶に残るようなパフォーマンスを見せることで、ファンを魅了してもらいたいとも思う。
先の読めない天気、そしてレース展開。さまざまな”不確定要素”をはらむ今大会では、どのドライバーが表彰台の真ん中で微笑むのか。楽しみは尽きない。
■主なタイムスケジュール
6月22日(土)
09:10 - 10:40 フリー走行1回目
11:45 - 12:30 ピットウォーク
14:00 - 14:10 予選Q1・A組
14:15 - 14:25 予選Q1・B組
14:35 - 14:42 予選Q2
6月23日(日)
09:55 - 10:25 フリー走行2回目
11:00 - 12:00 ピットウォーク
13:30 - 14:30 スタート進行
14:30 - 決勝レース 51周/最大75分