第92回ル・マン、開始6時間以降折り返しまで雨が続く
6月15日、現地時間午後4時に戦いの幕が切って落とされた第92回ル・マン24時間レース。開始から6時間を過ぎて次第に雨が本降りとなり、セーフティカーランが導入されている。そのなかで、開始から9時間を過ぎた時点で8号車トヨタGR010ハイブリッドが暫定トップに立っている。
レース開始から6時間を経過すると、次第に雨脚が強くなったル・マン。そのなかでハイパーカークラスの2台_15号車のBMWと83号車のAFコルセフェラーリがミュルサンヌコーナー手前で接触。トップを走っていた83号車はそのままレース継続が可能だったが、15号車のダメージは大きく、車両回収の対象に。さらには傷めたガードレールを補修することが原則であることから、現地時間午後10時37分、作業のためにレースは大会初となるセーフティカーランが導入された。修復に必要とした時間はおよそ1時間半ほど。日付変更線が変わった深夜0時8分にリスタートを迎えると、83号車がトップのままレース8時間が経過した。
天気はその後も不安定な状態が続き、今度は雨が本降りに。ウエットタイヤへといち早く交換したチームがポジションを上げ、ステイアウトを選択したチームは逆に逆転を許すことになった。なお、83号車に対しては、セーフティカー導入の一因となったペナルティが課せられ、30秒のストップ&ゴーの対象となり、6番手まで降格。これを受け、8号車がトップに浮上、6号車ポルシェ、7号車も3番手までポジションアップを果たした。
SCがピットに戻りレースが再開、10時間を過ぎるとスリックタイヤでの走行が可能となっていたが、その後、11時間を過ぎた午前3時15分頃から再び雨がポツポツと落ち始める。先んじてトヨタの2台、そしてその間に割って入る6号車ポルシェが揃ってピットに戻り、ウエットタイヤへと交換。コース上では水煙が高く上がるほどのひどい雨へと変化するなか、土砂降り状態へと変わったことから、安全面を考慮し、レースは午前3時44分に今大会2回目のセーフティカーが導入された。
結果、レース前半の最後となる12時間目はセーフティカーランのまま終了。まだ夜明けまで少し時間があるなか、バトルなしで周回を重ねる展開に。62台でスタートを切った戦いだが、この時点でリタイアは全クラス合計で8台。LMP2クラスでは、AFコルセの183号車オレカ07・ギブソン、LMGT3ではマンタイ・ピュアレクシングの92号車ポルシェ911 GT3 R がそれぞれトップを走行中となっている。
また、日本人が参戦しているチームとしては、LMP2の37号車(宮田莉朋)はクラス2位、LMGT3では、95号車(濱口弘、佐藤万璃音)がクラス4位、87号車(木村武史)が同8位、そして777号車(星野敏)は同14位を走行中だ。
レース折り返しあたる12時間が経過した時点の総合トップ3,および各クラストップは以下のとおり。
ル・マン24時間レース途中結果(午前4時・12時間経過/総合トップ3および各クラストップ)気温12度、路面温度14度
<HYPERCAR>
1.No.8 トヨタGR010ハイブリッド(S.ブエミ/B.ハートレー/平川亮)172周
2.No.6 ポルシェ963(K.エストーレ/A.ロッテラー/L.ファントール)+2.684
3.No.7 トヨタGR010ハイブリッド(J-M.ロペス/小林可夢偉/N.デ・フリース)+2’20.615
<LMP2>
1.No.183 オレカ07・ギブソン(F.ペロード/B.バーニコート/N.バローネ)164周
<LMGT3>
1.No.92 ポルシェ911 GT3 R LMGT3(A.マリキン/J.シュトーム/K.バハラー)153周
(TEXT : Motoko SHIMAMURA)