スーパーフォーミュラ第2戦、牧野任祐が悲願の初優勝!
5月19日、大分・オートポリスにおいて開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦は、41周の戦いにおいてスタート直後からトップに立ったNo. 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が圧巻のレース展開を披露。独走で悲願の自身初優勝を達成した。
前日から好調だった牧野。しかしながら、予選Q2では、今シーズンデビューしたばかりのNo.15 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)に大差をつけられ、悔しい2位に終わった。迎えた決勝日。風は強く、雲ひとつない快晴の好天気に恵まれたコンディションの下で、41周の戦いが幕を開けた。
オールシグナルレッドから牧野が絶妙なスタートを決めてトップを奪うと、これに続いたのは、予選3番手のNo.64 山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)。逆に岩佐は蹴り出しが悪かったか、3番手にドロップする形でオープニングラップを終了する。理想的なポジションを得た牧野はハイペースで周回を重ねたが、2番手の山本は岩佐との攻防戦となったことでトップ牧野が後続との差をどんどんと広げていった。
ルーティンのピットインが可能となる10周を迎えると、まず最初に山本がピットイン、これに6番手にいたNo. 6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No. 8 福住仁嶺(Kids com Team KCMG)、さらにNo.55 松下信治(TGM Grand Prix)ら計5台がピットイン。以降、1台また1台とルーティンワークを消化した。
次にトップグループで動きを見せたのは、野尻。22周終わりでピットインして順調に作業を済ませたものの、ひと足先にピット作業を終えた後続車のアンダーカットを許してしまい、ポジションを守ることができなかった。そんななか、トップ牧野が24周終わりでピットへ。これに岩佐も続き、2台はピットでの直接対決に臨んだ。が、逆転はなく、このままの順位でコースに復帰。さらに、いち早くコースインした牧野はトップをキープできたが、岩佐の前を山本、太田がすり抜けることとなり、岩佐は事実上4番手でコースに復帰することとなった。
27周目、ペースの良い岩佐は目前の太田を2コーナーから3コーナーにかけて逆転。さらに山本を猛追する。そして迎えた34周目の1コーナーで岩佐は山本をパス。再び2位の座に復帰した。すると、その後ろを走っていたNo.36 坪井 翔(VANTELIN TEAM TOM’S)が続いて山本を攻略。ライバルより早めのピットインでタイヤコンディショに劣る山本だったが、その後も後続からの猛追に遭うなかで最後までポジションキープを果たしている。
逃げる牧野と追う岩佐の差は13秒まで広がり、完全に独走態勢。逆に、岩佐は3番手からハイペースで追い上げる坪井を意識せざるを得ない状況となり、レースはこのまま41周のチェッカーを迎えた。
海外フォーミュラから2019年に日本へ戻り、スーパーフォーミュラにデビューした牧野。その年の開幕戦でいきなりポールポジションを獲得するも、優勝までの道のりは長く、ようやく今回悲願の初優勝を達成。クルマから降りると感情を爆発させ、インタビューでは溢れる感情に涙が止まらなかった。対する岩佐はデビュー後初の2位表彰台となったが、悔しさが滲んでいた。3位の坪井はトヨタエンジンユーザー最高位を獲得する結果となっている。
ドライバーズランキングは、開幕戦を制した野尻と今回のウィナー牧野が23ポイントでともにトップへ。これに3点差で岩佐と山本が続いている。第3戦の戦いは東北地方仙台へと移し、6月22、23日にスポーツランドSUGOにおいて開催される。
第2戦オートポリス・決勝結果 トップ3
1.No. 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)41周 1:03’37.202
2.No.15 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)+5.565
3.No.36 坪井 翔(VANTELIN TEAM TOM’S)+8.978