仕事と遊びの融合: スーパーワイドなR33 GT-R
記事提供元:SPEED HUNTERS
記者:Toby Thyer
ほとんどの人は趣味を持っている。中には、それで給料をもらえる幸運な人もいる。
私はその数少ない幸運な人間の一人だ。安いカメラで風景を撮ることは、大学での勉強から逃れるための気軽な方法として始まったが、やがて写真は私の本業となった。自分の趣味が仕事に飲み込まれてしまったと気づいた日のことはよく覚えているが、それは決して悲しいことではなかった。このPandemを装着したR33日産スカイラインGT-Rのオーナー、Koyabu Takuro氏は、同じ境遇にいるからこそ私の気持ちがよくわかる。彼の趣味は本業でもある。
Takuroさんは普段鈑金工場で働き、お客さんの車を修理、モディファイ、ペイントしている。空いた時間には、自分の車を仕上げるという、終わりのない自己表現の旅を続けている。
Takuroさんは生まれたときからクルマが大好きだったという。幼い頃から起きている間中、クルマのことを考えていたし、おそらく夢も見ていただろう。大人になったらクルマに関わる仕事をすると確信していた。
Takuroさんは18歳で免許取り立てのときにこのR33を購入し、すぐにモディファイを始めた。一見、普通のPandem R33GT-Rと同じルックスに見えるが、細部にこだわりがある。このクルマには、個性的な工夫がたくさん施されている。
外側から内側へと見ていこう。Pandemのオーバーフェンダーには、かなり大きなWork ZR10ホイール(正確には19×12.5インチ)が装着されている。30年前のスカイラインボディーに対して圧倒的な存在感があるので、最初は少なくとも20インチはあると思った。
フロントにはカーボンボンネットとカスタム加工されたヘッドライトインテークが使用されている。リヤにはメーカー不明のGTウイングが装着されている。
クルマのフロントに戻り、ボンネット内にはオリジナルのRB26(現在は2.7リッターに拡大されたとはいえ)が搭載されており、カムカバーにはユニークなアルミ削り出しのタトゥーデザインが施され、キャンディゴールドの塗料で仕上げられている。このカスタムデザインによってファンキーな魅力が加わっているが、トラストのT78ビッグシングルターボ、Sardのフューエルレールとインジェクター、GReddyのサクションキットで700馬力を発生し、さらなるインパクトを出している。
ファンキーなカスタマイズはインテリアでも続いており、ハンドルのセンター、エンジンカバーやロールケージをゴールドにペイントしたり、パワーパフ ガールズをテーマにしたファブリックを使ったカスタムトリムなどがある。
カラフルなキャビンには、サベルト・ハーネス付きレカロ製プロレーサーRMSシート、Momo製ステアリング(これもゴールドのディテール)、Defi製メーターが装備されている。
どんな趣味でもそうだが、クルマいじりはすぐに夢中になるもの。オークションサイトやフォーラムをスクロールするにしても、単に次のプロジェクトを空想するにしても、クルマは起きている時間のすべてを消費してしまう可能性がある。
それが仕事の一部になってしまうと、疲れ果ててしまう。ある種のクルママニアでもなければ、気が狂いそうになったり、喜びを見出すことはできないだろう。個人的には、クルマにまつわる考えをすべて終わらせるには、1日では時間が足りない。
でも、仕事が終われば、Takuroさんのように趣味に没頭している。