SUPER FORMULA 第6戦富士 プレビュー
早くもシーズン後半へと突入。2度目の富士で抜き出るのは誰?
年間7大会、10レースでシリーズチャンピオンを競う2023年の全日本スーパーフォーミュラ選手権。今回、7月15、16日には静岡・富士スピードウェイにおいて第6戦が開催される。早くもシーズン後半に突入したことになるが、富士でのレース開催は2度目ということもあり、各ドライバーは走り慣れたこのサーキットでどのようなパフォーマンスを披露するのか。暑さ、あるいは不安定な天候をも跳ね除けて戦うドライバーたちのバトルが始まる。
走り慣れた富士を攻略せよ!
前回、SUGOの戦いからおよそ1ヶ月あまり。本格的な夏の訪れとなるなかで迎える富士戦は天候はもとより、さまざまな要素からもシビアでタフな一戦になることだろう。一方で、富士というサーキット自体、ドライバーはレースだけにとどまらず、第2回公式合同テストでも走り込んでいる場所となるだけに、自身の力を存分に発揮できるチャンスでもある。これまで思うような戦歴が残せていないドライバーはもちろんのこと、シリーズ争いをするなかでライバルとのポイント差を少しでも広げたいという思いも働く。いずれにせよ、度のドライバーも前回の富士戦を超える好結果を残すべく、しっかりと準備を重ねてきたに違いない。
これまでの5戦で勝者は3人。うち、2人が2勝を挙げている。ランキングトップは前回SUGOでも勝利したNo.37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)。ポイントは75点。これに今シーズンからスーパーフォーミュラに参戦するため来日したNo.15 リアム・ローソン(TEAM MUGEN)が63点で続く。3番手にはディフェンディングチャンピオンのNo. 1 野尻智紀(TEAM MUGEN)が続き、58点となっている。なお、野尻は5月中旬に開催された第4戦オートポリスを急きょ欠場。肺気胸に見舞われ、サーキット入りしてはいたものの、体調不良で参戦を見送るというまさかの不運に見舞われている。結果、1戦をまるまる棒に振ることになったとはいえ、現時点でランキング3位につけているのは、やはり経験値の高さと彼の強さがあってこそ。オートポリスでは”外”からレースをしっかりと”観察”することで、タフな戦いを制するために必要なポイントもしっかりと掴めたはず。復帰レースとなった前回のSUGOでは、予選3番手からスタートを切り、トップチェッカーの宮田から大差をつけられての2位フィニッシュではあったが、試合巧者であることを改めて印象づける戦いをしてみせただけに、今回の富士でも存在感ある走りを見せてくれることだろう。
終盤に向けて、この富士は落とせない!
ギリギリの攻防戦が続く今シーズンのスーパーフォーミュラ。予選順位が良くても決勝で同じような結果を残すことは決して容易いことではない。ルーティンのピットインのタイミングもそうだが、自分のレース戦略とライバルたちの動向の双方でうまくコントロールできなければ、優勝という金星は手に入らない。誰しも優勝できる可能性が多いということは、ちょっとしたミスや判断の甘さで勝利の女神がそっぽを向くという極めて難しいレースでもあるからだ。
今回の富士では、まず表彰台が狙える戦いをすること。そうしなければ、もうこの先チャンピオン獲得のシート争いから残れなくなる。生き残りをかけて戦うとても重要な一戦となるわけだ。自身の速さに加え、緻密な戦略でライバルを出し抜き、好成績を残すことが求められるなか、事前に行われた公式合同テストを好機に”逆襲”へ打って出るドライバーも少なくない。例えば、そのテストで最速タイムをマークしたNo.64 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)。今シーズンのレースでは、まだ思うような結果を残せていない山本だが、このテストを境にして復活のシナリオを完成させるやもしれない。一方、速さは文句なしでありながら、結果につなげることができていないNo.53 大湯都史樹(TGM Grand Prix)にとっても落とせない一戦になるはず。自らのミスだけでなく、マシントラブルなどによる”不意打ち”もあり、未だ優勝に恵まれていないことが彼のモチベーションにもなっていることから、速さと強さがしっかりと噛み合えば待望の初優勝も不可能ではないはずだ。
ポールポジション獲得や優勝をやり遂げる高い実力のドライバーが集結し、キリキリとした神経戦のようなシビアな戦いを繰り広げる中で、真夏の富士を制するのは果たしてどのドライバーなのか。初優勝を挙げるドライバーが出るのか、あるいは勝ち星を重ねるドライバーになるのか。話題は尽きない。
九州や中国地方に長く居座る線状降水帯の影響もあり、まだまだどっぷりと梅雨が続く日本列島。時間帯によってはギラギラとした太陽が照りつけているにも関わらず、急に分厚い雲が広がり雷とともに雨が降り始めることも決して珍しくはない。気圧が不安定で天候を読むのが難しい状況でのレースになるやもしれない。いずれにせよ、多くの期待が募る一戦だけに、その結果をしかと見届けて欲しい。なお、夏休み目前のレースイベントとなる今回は「夏祭り in FUJI MOTORSPORTS FOREST」と題されている。施設内ではファミリー一緒に楽しめるイベントもたくさん用意されている。
主なタイムスケジュール
7月15日(土)
09:00 – 10:30 フリー走行1回目
11:45 – 12:25 ピットウォーク
14:20 – 14:30 予選Q1・A組
14:35 – 14:45 予選Q1・B組
14:55 – 15:02 予選Q2
7月16日(日)
09:20 - 09:50 フリー走行2回目
10:25 – 11:05 ピットウォーク
14:30 – 決勝レース 41周/最大75分