FFZ400: VeilSide Kicks Off Z-Fever
記事提供元:SPEEDHUNTERS
BY Dino Dalle Carbonare
2023年の東京オートサロンがいよいよ開幕し、今朝のプレビュー記事を読んだ方は、日産の新型Zの改良型が予想通り、数多く展示されていることを知っているはずだ。中でも最も期待されているのが、VeilSideのRZ34のビルドだ。
このクルマは、昨年末にYokomaku-sanが進捗状況を何度も公開してくれていたので、TASに先駆けてVeilSideを訪れ、しっかり取材すると決めていた。
幸いなことに、「TASクランチ」というようなギリギリのダッシュではなく、Yokomaku-sanが予定通り完成させてくれたので、幕張メッセに運ぶ前にVeilSide本社で数日撮影することができた。
これがVeilSide FFZ400だ。「FF」は歴史のある「Fast and the Furious」の頭文字を取ったものと思われる。みなさん覚えていますか?
この新型Zは、わずか2ヶ月でVeilSideの手によって、完成された。
VeilSideのクラシックなデザイン要素はすべてここにあり、まずフロントは、湾岸線を300km/hで走っているように見える細長いバンパーを採用している。純正グリルはデザインに組み込まれ、新しいバンパースプリッター部分に4つの開口部が追加され、その間にさらに大きなグリルインテークが配置されている。
オレンジ色にしたのは、S30型フェアレディZのレース仕様車432R(日本限定)を意識したのかもしれないが、Yokomaku-sanは「Han’s 400Z」とも呼んでいるので、この色のインスピレーションはどこにあるのか、それは見てのお楽しみだ。また、ニスモのRZ34デモカーも同じようなオレンジ色で統一されている。
Yokomaku-sanが時間をかけて磨き上げたディテールのひとつが、ヘッドライトまわりだ。ライトの形状をどうしても強調したかったので、その部分にシャープなボディラインを追加して実現したそうだ。
また、フェンダーには、メインベントにつながる一連のルーバーで構成された、コントラストを強調するベントディテールを採用している。
VeilSide社製の5本スポークの20インチホイールは、わずかに広がったフェンダーにしっかり収まるようにエアサスペンションが装着されている。
完璧なスタンスを実現するために、エアサスボタンを押すことほど楽しいことはない。
Yokomaku-sanは、ボンネット中央のS30をモチーフにしたデザインを気に入っており、このZならではのディテールをユニークに表現した。
このようなプロジェクトで難しいのは、すべてのラインを把握し、一貫性のある明確なデザインランゲージを作り上げることだ。
フロントバンパーをアグレッシブなデザインにして、リアはノーマルのままでは意味がない。
サイドの形状を見ると、スカートが全体のルックスを引き締めていることがよく分かる。
VeilSideのA90スープラとは異なり、リアフェンダーがカットされていないため、一見するとオーバーフェンダーに見えるが、実はオリジナルフェンダーの上にFRPが貼り付けられている。RZ34を購入する際、純正フェンダーをグラインダーで削られるのは抵抗があると思うので、ルックスを重視しつつも、純正フェンダーを残したまま加工できるようにした。とはいえ、車幅の拡大は見事に達成されており、十分過ぎるほどのリアタイヤスペースが確保されている。
そして、フェンダー全体は、ドラッグの雰囲気を感じさせる細長いダックテールスポイラーへ流れ込んでいく。ウイングステーに施されたVeilSideのフェードロゴがいい味を出している。
日産は2020年に新型Zを発表した際、ルーフラインに沿ったアクセントピースは侍の刀の刃をイメージしていると述べていた。そのため、Yokomaku-sanは刀の焼き入れ部分に波紋のようなデザインを施した。
VeilSideらしく、インテリアはベーシックなものに少し手を加えて、カスタム感を出している。
まずは、このプロジェクトのために特注したBrideのシートセット。
よく見ると、スエード調の生地で縁取られ、小さなVeilSideのロゴが点在している。
また、ドアカードにも同じ生地を使用し、車内の他の部分と一体感を持たせている。
ダッシュボード…
そして、ステアリングホイールセンター。純正ブラックを基調としながらも、車内の雰囲気をぐっと高めている。
撮影時、Zの走行距離はわずか12km。Yokomaku-sanによると、10月に日産ディーラーから引き取られ、すぐ工場に運び込まれ、ボディの削り出し作業が始まったという。
大きなリアウィングを装着しているため、重いデッキリッドを上げると、エアサスペンションのセットアップが見える。水平対向2気筒エンジンに少し似ている。
フロントには6気筒を搭載している。最近、VeilSideではパフォーマンスチューニングを手がけていないため、V6ツインターボのVR30DETTはノーマルのまま。
80年代から90年代にかけてのドラッグレースや高速トライアルがYokomaku-sanの過去を形作ってきたのに対して、VeilSideの未来はデザインにある。
ただし、VeilSideは自社のエキゾーストシステムを販売している。主にスタイリング上の理由だが、ノーマルZはあまりにも静かすぎるからだ。
撮影が終わると、Yokomaku本人も「外で見るのは初めて」と、パシャパシャと撮ってた。2023年の東京オートサロン会場には、さまざまなテイストの素晴らしいZが展示されるかもしれないが、私にとっては、この1台は特別だ。