第89回ル・マン24時間、雨の中、レース6時間後のトップはNo.7 トヨタGR010ハイブリッド
8月21日、第89回ル・マン24時間耐久レースの決勝が幕を開けた。現地時間午後4時(日本時間午後11時)に号砲となったが、スタート前から雨がコースを濡らし、ウェットコンディション下で長い戦いが動き始めた。各車が水煙を大きく上げて走る中、1周13kmを超えるコースだけに場所によってずいぶんとコンディションが異なり、雨脚も異なる状況。スタートフラッグが振られてスタートしたものの、セーフティカー先導のままでフォーメーションラップに突入する。さらに2周追加の「エクストラ・フォーメーションラップ」が宣言されるなど、今大会のスタート直後は天候に左右される形で始まっている。
ハイパーカークラスは、総合トップ、ポールポジションスタートの7号車が難なくトップの座をキープし、周回を重ねている。だが僚友の8号車には早々から試練が訪れた。セーフティカーランが終わり、実質的なスタートを迎える中、予選3番手のNo.36 アルピーヌA480・ギブソン(A.ネグラオ/N.ラピエール/M.バキシビエール組)がダンロップシケインで勝負をかけて、7号車を逆転。3番手に落ちた8号車は、なおもNo.708 グリッケンハウス・レーシング(P.デラーニ/F.マイルー/O.プラ組)から追突され、まさかのスピン。大きくポジションダウンを強いられた。この他、不安定な路面に足元を救われスピンする車両も多く、ポジションも都度激しく入れ替わる。だが、依然としてトップ7号車に変わりはなく、また雨が止んでコースコンディションが安定しはじめた1時間後には、8号車が2番手まで挽回を果たした。
レースから3時間が過ぎトヨタの2台には少しずつ差がつき始めていたが、8号車はスタートから5時間を前にしてイレギュラーピットインを敢行。右リヤタイヤ交換を行ったことで、さらにトップ7号車との差が開いてしまった。レースはこの直後から再び雨模様へと変化。不安定な路面コンディションが影響し、あちこちでアクシデントを招いた。結果、2度目のセーフティカー導入となったが、レースがリスタートすると、またしても降雨……という繰り返しが続いた。
6時間経過後の総合トップ3、および各クラストップは以下のとおり。
◎ル・マン24時間レース途中結果(午後10時・6時間経過/総合トップ3および各クラストップ)
<LMP1>
1.No.7 トヨタGR010ハイブリッド(M.コンウェイ/小林可夢偉/J-M.ロペス組)88周
2.No.8 トヨタGR010ハイブリッド(S.ブエミ/中嶋一貴/B.ハートレー組)+1’27.148
3.No.36 アルピーヌA480・ギブソン(A.ネグラオ/N.ラピエール/M.バキシビエール組)87周
<LMP2>
No.41 チームWRT(R.クビサ/L.デレトラズ/Y.イェ組)86周
<LMGTE-Pro>
No.51 AFコルセ(A.ピエール・グイディ/J.カラド/C.レドガー組)82周
<LMGTE-Am>
No.33 TFスポーツ(B.キーティング/D.ペレイラ/F.フラガ組)81周
(TEXT : Motoko SHIMAMURA)