1400 HP Thai Supra
この1400馬力の80スープラはタイらしくない。アグレシブなワンオフエアロや派手なチタンワークもなく、今回は全てパワーだ!
StreetmetalやChad Burdetteのカメラレンズを通じて紹介してきた数多くのチューナーが有名にした派手なスタイルに比べ、この1996年スープラはタイのイメージには当てはまらない。 少なくとも外から見るとすぐわかる。東南アジアから紹介される数々のプロジェクトカーは、外装も内装もワイルドで、珍しいスワップが行われてもおかしくはない。
この事もあり、Anusit Audompunの80スープラはタイ以外でチューニングした様に見える。この地域独特の大量チタン使用、ワンオフワイドボディーやカーボンファイバーエアロもない。多数のメーターから光るブルーイルミネーションもない。カーボンファイバーフロントリップスポイラー以外の外観チューニングは何もない。
しかし、スープラオーナーはどんなにノーマルっぽいルックスに近づけようとしても、純正ホイールとタイヤは流石にNGだ。だからフロント18×9.5 、リヤ10.5のVolk CE28にフロント235 、リヤ 265 のYokohama AD08Rタイヤを履かせている。ブロンズ色のホイールとペアされているのはフロント370mm 、345mm リヤEndlessローターとモノブロックキャリパー。Tein Flex 車高調ダンパーで加速、減速とコーナリングのサポートをしている。しかし、他のプロジェクトカーに比べ、ホイールとタイヤだけ見ると仕様はマイルドに見える。
Anusitはスープラチューニングの初心者ではない。彼は、過去にスープラを何年間も所有したこともあるが、仕方なく手放すことになり、R34GT-Rで妥協したという。数年が経ち、また90年代フラッグシップのステアリングを握る機会が訪れ、友人がちょうど一台売りに出していたので、理想のチャンスがきた。
外観と同じく、Anusit のキャビンはほぼノーマル状態だ。Bride Stradia “Japan” editionシートと Nardiステアリング以外のチューニングパーツは見当たらない。ボンネットラッチを引くまでは、純正プラスαのテーマだという。
とあるハリウッド映画に出てくる車とは違い、この2JZ-GTE は期待を裏切らない。この伝説的なの2JZエンジンからパワーを引き出すために、シングルターボやチューニングパーツがぎっしり詰まっている事くらいは想像していただろう。しかし、おとなしい外観に比べ、ここまで本気のエンジンチューンは予想できなかったはず。
エンジン内は通常の3.0リッターパーツを全て取り外し、3.4リッターMRXクランク、コンロッド、と87mm CPピストンを組み込んだ。3.4リッター排気量のエンジンはBCカムシャフトにTitan調整式カムギヤで燃調も最適化されている。吸気側にはカスタムチャージパイプと、美しいCustom Plenum Creationsカーボンファイバー・ビレット製インテークが使用されている。
排気側にはローカルのAor77が作成したエキマニに、TiALウェーストゲートが制御する巨大なPrecision 8685タービンがマウントされ、そこから4インチの配管を通り、排ガスはHKSマフラーへ。Haltech 2500管理のもと、完全強化されたこの2Jは1470HPというモンスターパワーを発生している。 びっくりすることにこの車はストリート用であり、Anusitはタイの公道で(どの公道でも)このパワーを使うのは難しいという。しかしECUでは色々なセッティングが可能なため、心配はない。そのお陰で彼はよく友達と走りに行っている。
ここ数年タイからレポートしてきた車を遡ってみると、今回のスープラは一味違うのが分かるはずだ。だからこそ逆に目立つかもしれない。エンジンからとんでもないパワーが出てくる事はびっくりしない。しかしこのパワーが大人しいボディーと組み合わせられていることが一番のびっくりだ。
Tuning Menu
オーナー:Anusit Audompun
出身地:Bangkok
職業:Frame factory Aor77 shop owner
Instagram:@aor_77_shop
エンジン | BC カムシャフト、バルブスプリング; Titan 調整式カムギヤ; CP 87mm ピストン; MRX コンロッド、 3,400cc クランクシャフト; Precision Turbo 8685; TiAL ウェーストゲート; Aor77 エキゾーストマニホールド;Garret インタークーラー; Siemens 2,200cc インジェクター; Aeromotive FPR; Deatschwerks フュエルポンプ; Haltech Elite 2500 ECU; GReddy Profec; Custom Plenum Creations ビレット製・カーボンインテークマニホールド; HKS 4インチマフラー |
パワー | 1,470hp |
駆動系 | 6-speed trans; ATS triple-plate clutch; KAAZ 2-way limited-slip |
足回り | TEIN Flex |
ホイール・タイヤ | Volk CE28 18×9.5 +18 front, 18×10.5 +15 rear; Yokohama AD08R 235/40-18, 265/35-18 |
ブレーキ | Endless monoblock calipers, 370mm front, 345mm rear rotors |
外装 | カーボンファイバーフロントリップ |
内装 | Bride Stradia II Japan シートin Venus; Nardi ステアリング |
記事提供元
SUPER STREET ONLINE