鈴鹿10時間耐久レース プレビュー
2年目の10時間にM・ハッキネンが登場!
8月23〜25日、三重・鈴鹿サーキットにおいて2019 第48回サマーエンデュランス「BH オークション SMBC 鈴鹿10時間耐久レース」(以下、10H)が開催される。プロ、アマ両ドライバーがしのぎを削り合う長距離レースは、今年もバラエティ豊かなクルマ、ドライバーが真夏の鈴鹿を疾走しそうだ。
■伝統の鈴鹿1000kmから生まれ変わった10H
もともと鈴鹿での伝統ある耐久レース、「鈴鹿1000km」に代わって新たに始まった「鈴鹿10H」。2017年まで46回に渡って開催されてきた伝統の一戦は、鈴鹿における真夏の風物詩でもあった。加えて、近年は2006年から2017年までSUPER GTのシリーズ戦に組み込まれ、シーズンで最長の、またナイトランを含むスペシャルな一戦として 位置づけられてきた。
その1000kmから「10H」へと形を変えた2018年。プロレースのシリーズの一戦ではなく、プロ&アマ両ドライバーたちが集結し、ともに戦うグローバルなレースにしようというコンセプトのもと、FIA-GT3(以下、GT3)による10時間レースとして生まれ変わった。結果、インターコンチネンタルGTチャレンジという、世界五大陸に広がるシリーズレースの一戦にも組み込まれたことから、ヨーロッパのメーカー直結のチームやメーカーの育成ドライバーたちが出場。加えて、用いる車両がグローバル化したことで、海外からの遠征組が日本における屈指のサーキットとして知られる鈴鹿を目指し、集結した。また、これを迎え撃つ日本勢は国内GT3勢はもちろんのこと、SUPER GTのGT300クラス、スーパー耐久のST-Xクラスなどがずらり顔を揃えた。GT300クラス車両の参戦は去年も見られたが、今年は、スーパー耐久のスペシャルステージの位置づけされたことから、挑戦するチームも増えている。
なお、10H参加にあたってのレギュレーションがあるため、SUPER GTの参戦車両そのままで参加することはできない。例えば、タイヤはピレリのワンメイクとなり、登録ドライバーも3名。ピットストップ回数や作業時間、1回のスティントの規定時間など、細かな10Hのオリジナルレギュレーションが用意され、その中でナンバーワン目指して競い合うことになる。
■参戦プロドライバーのぜいたくな顔ぶれに注目!
国内レースで活躍する、またトップドライバーとして名を馳せた国内外選手が多く参戦するのも、今年の10Hの特徴だろう。なんといっても一番の話題は元F1ワールドチャンピオンのミカ・ハッキネン。1998、1999年の2シーズン連続でタイトルホルダーとなったハッキネン。F1から引退後は、2005年から3シーズンにわたってドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)に参戦。この参戦を最後にシリーズを通してのレース活動はしていない。今回はPlanex SmaCam Racingから参戦するのだが、チームメイトでありチームオーナーである久保田克昭は現在、全日本F3に参戦中のジェントルマンドライバー。一方で往年のF1マシンやグループCカーを多数所有しつつ、ヒストリックF1レースなどにも出場。そのつながりでハッキネンとも交流があるようだ。もうひとりのチームドライバーに登録されているのは、GT500ドライバーであり、スーパーフォーミュラではチャンピオン経験を持つ石浦宏明。久保田とも旧知の仲であることから、今回のスペシャル・トリオが誕生した。なお、チャンピオン、というキーワードでいうと、GT300、GT500クラスでタイトルを獲得したドライバーも名を連ねている。カテゴリーも参戦車両も異なる10Hで、彼らがどのようなパフォーマンスを披露するか、それを見届けるのも楽しみのひとつではないだろうか。
■10Hならではの見どころはまだ他にも!
グローバルにレース活動をする海外チームと国内レースで活躍するチームによる攻防戦は、やはり気になるところ。昨年、初年度の10Hでは表彰台を海外勢が独占。地の利があるはずの日本勢は10時間の長丁場で存分に力を発揮することができなかった。海外勢は毎戦異なる世界中のサーキットで実戦を重ねてきた経験値をもって、鈴鹿でもその実力を遺憾なく発揮したと思われる。それだけに、2年目の今年は、日本勢の躍進に期待が集まる。
この他、予選でのタイムアタックのフォーマットも10Hオリジナル。SUPER GTでおなじみのノックアウト予選ではあるものの、その内容は大きく異なる。一人ずつのアタックではなく、Q1では3選手が全員走行、その3選手のベストタイムを合算し、Q2進出を決定する。チームとしての総合力が様々な場面で要求されるだけに、想像しにくい展開もあり、予選、決勝を通じて最後の最後まで先行きの読みづらい戦いになりそうだ。
木曜日には鈴鹿市内の公道でパレードが実施され、レーシングカーが一般公道を走行。昨年は台風接近の影響を受け、あえなく断念されたイベントだったが、今年はサーキットとショッピングモールの往復およそ6.6km、一般車の走行を閉鎖してのパレードが実現した。
金曜日からはサーキットでのフリー走行が始まり、土曜日の予選を経て、決勝は日曜日の午前10時にスタートを迎える。
■主なスケジュール
・8月23日(金)
8:45 〜 9:45 特別スポーツ走行
10:00 〜 12:00 特別スポーツ走行
14:10 〜 16:10 フリー走行1
18:30 〜 20:00 フリー走行2
・8月24日(土)
9:15 〜 10:15 フリー走行3
11:40 〜 12:30 ピットウォーク
13:00 〜 13:15 予選1・Driver1 タイムアタック
13:30 〜 13:45 予選2・Driver2 タイムアタック
14:00 〜 14:15 予選3 ・Driver3 タイムアタック
17:30 〜 17:50 予選 (Pole Shootout)
18:40 〜 19:30 パルクフェルメウォーク・ナイトオープンピット
・8月25日(日)
6:45 メインゲートオープン
7:15 〜 7:45 ピットウォーク
8:05 〜 8:20 ウォームアップ
9:00 〜 10:00 【10H】スタート進行
10:00 〜 20:00 Suzuka 10 Hours Endurance Race