ル・マン24時間レース、優勝のトヨタがシリーズタイトル獲得!
レース中、大きな天候の崩れもなく、また24時間を通して比較的穏やかな気温に恵まれた今年のル・マン。レース序盤からトヨタTS050ハイブリッドの2台がレースを牽引し、中でもポールスタートの7号車が快走を見せていた。
昨年、念願の総合優勝を果たした8号車に続き、今年は8号車が勝利し、7号車が2位でチェッカーを受けることになれば、7号車は2018−19年と年をまたいで開催される「スーパーシーズン」初のシリーズチャンピオンを手にすることができる。…トヨタ陣営はおそらくこのような展開の実現を願っていただろう、だがしかし、無情にもル・マンの勝利の女神は実に冷酷で最後の最後に大きな山場を残し、弄んだ。
開始から22時間が経過、ル・マンも日曜の午後1時を迎えていた。僚友8号車に対し、1周近いマージンを築いていた7号車が緊急ピットイン。ルーティンのピットインからわずかの周回で再び帰還。ドライバーも小林可夢偉からホセ−マリア・ロペスへと交代する。その後、8号車が予定に沿ったピットインをした結果、2台の差が1分16秒強まで縮まった。さらにその後、残り時間1時間目前になって、ルーティンのピットワークを終えて間もない7号車が右前のタイヤをパンクさせ、イレギュラーのピットインを強いられた。さらにコース復帰後はペースが上がらずまたもピットへ。この再三に渡るイレギュラーな作業が引き金となり、残り時間1時間を切る368周目のフォードシケインで、とうとう8号車に首位の座を明け渡してしまった。
最終的に4本すべてのタイヤを交換した7号車。総合2位となり、トップ8号車との間に出来た58秒強の差をなんとか詰めようと、ハイペースでの周回が始まった。だが、互いに譲らない2台の差は縮まるものの逆転までには至らず。午後3時を過ぎ、24時間のタフな戦いを真っ先に終えたのは、中嶋一貴が駆る8号車となった。8号車はル・マンを2連覇。併せてシリーズチャンピオンの座も手にしている。
LMP2は36号車が順調極まりない走りで後続を寄せ付けず。早い時点から2位と1周の差を持続させ、完璧のレース運びを遂行。そのままチェッカーを受けた。
GTクラスはプロ、アマともに終始激しいポジション争いを展開。その中で、様々なトラブルをものともせず激しい戦いを勝ち抜いたのは、プロクラスが51号車のフェラーリ、アマクラスは85号車のフォードだった。
◎ル・マン24時間レース決勝結果(総合トップ3および各クラストップ)
<LMP1>
1.No.8 トヨタTS050ハイブリッド(S.ブエミ/中嶋一貴/F.アロンソ)385周
2.No.7 トヨタTS050ハイブリッド(M.コンウェイ/小林可夢偉/J-M.ロペス)385周.
3.No.11 SMPレーシング(V.ペトロフ/M.アレシン/S.バンドーン)379周
<LMP2>
No.36 シグナテック・アルピーヌ・マットムート(N.ラピエール/A.ネグラオ/P.ティリエ)368周
<GTE Pro>
NO.51 AFコルセ(A.ピエール・グイディ/J.カラド/D.セラ)342周
<GTE Am>
No.85 キーティング・モータースポーツ(B.キーティング/J.ブリークモレン/F.フラガ)334周