第87回ル・マン24時間、トヨタ7号車がポールポジション!
6月12、13日の両日にわたり第87回ル・マン24時間耐久レースの予選が開催された。
<フリー走行および予選1回目>
まず、初日12日は、予選を前に4時間のフリープラクティスが設けられた。午後に入り、雨が激しく降った影響でウェット路面でのスタートとなったが、徐々にコンディションが回復した。
午後10時からの予選1回目がスタートする頃にはドライ路面でのアタックが可能に。GAZOO Racingの2台、7号車トヨタTS050ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組)および8号車(セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/フェルナンド・アロンソ組)は良好なコンディションを見極めるかのように、早々にアタックへと突入する。
そんな中、2017年の予選でコースレコードとなるトップタイム、3分14秒791をマークしている小林可夢偉が3分17秒161の好タイムをマーク、トップに立つ。これに対し、8号車はアタックのタイミングをうまく確保できず。結果、予選アタックから決勝を意識したセットアップ等の走行にスイッチして周回を重ねた。
順調な走り出しとなった7号車だったが、セッション終了まで45分となった時点で思わぬハプニングに遭遇する。最終コーナー近く、フォードシケインを走行中だったコンウェイが、スピンからコース復帰をしようとしていたLMP2クラスの車両と接触。これにより、7号車は左フロントをクラッシュ、ダメージを受けたことで35分ほどの修復作業を余儀なくされた。さらに8号車もGTEクラスの車両とのコンタクトがあり、フロア修復およびフロントノーズ交換の作業を強いられている。なお、この日は暫定トップとなった7号車に対し、8号車は4番手に留まった。
<予選2回目>
予選2日目となる13日は、午後7時から2時間、さらに午後10時から2時間の予選が行われ、3度のセッションで最速ラップを刻んだ車両がポールポジションを手にすることになる。
この日は初日より快晴に恵まれ、コンディションは安定。前日のアタックではトラフィックによって満足のいくアタックができなかったTOYOTA GAZOO Racingの2台が、早速アタックモードに突入する。最初にタイムを刻んだのは、7号車。前日同様、小林可夢偉がアタックを担当し、3分15秒497をマーク。ベストタイム更新に成功した。一方、8号車には中嶋一貴が乗り込み、アタックを開始。可夢偉のタイムには届かなかったが、3分15秒908をマークして暫定2番手に浮上した。その後、セッション中に赤旗中断も見られたが、TOYOTA GAZOO Racingの2台のポジションに変動はなく、セッションが終了。残るは予選3回目のみとなった。
<予選3回目>
いよいよ、最後の予選セッションとなった3回目。午後10時スタートを前に、気温も下がり、タイムアップを狙うには願ってもない好条件が揃った。最高峰のLMP1クラスでも、TOYOTA GAZOO Racingのライバルたちがタイム更新を狙って次々にアタックを開始する。そんな中、トヨタ勢の2台は厳しいトラフィックに遭い、思うようにアタックのタイミングに恵まれない。さらに、他のクラスによる赤旗中断もあるなど、次第にコンディションの確保が難しくなっていく。
これにより、TOYOTA GAZOO Racingの2台は惜しくもタイム更新を果たすことなく、全ての予選セッションを終了。結果、予選2回目に刻んだベストタイムによってグリッドが確定した。TOYOTA GAZOO Racingにとっては、3年連続でフロントロウ独占を実現することとなり、また、可夢偉にとっては自身2回目となるポールシッターを実現させることとなった。
・第87回ル・マン24時間レース予選順位(LMP1クラスのみ上位3台)
<LMP1>
1.No.7 トヨタ・ガズー・レーシング(M.コンウェイ/小林可夢偉/J-M.ロペス)3’15.497
2.No.8 トヨタ・ガズー・レーシング(S.ブエミ/中嶋一貴/F.アロンソ)3’15.908
3.No.17 SMPレーシング(S.サラザン/E.オルジェフ/S.シロトキン)3’16.159
<LMP2>
1.No.39 グラフ(T.ゴメンディ/V.キャピレー/J.ヒルシ)3’25.073
<LMGTE Pro>
1.No.95 アストンマーティン・レーシング(N.ティーム/M.ソーレンセン/D.ターナー)3’48.000
<LMGTE AM>
1.No.88 デンプシー-プロトン・レーシング(星野敏/G.ローダ/M.カイローリ)3’51.439

