Alpha Logic’s 3,400HP 2013 Nissan GT-R
ドバイのショップから生まれた世界最速のAWD R35
Bradley Iger –
Jan 30, 2019
ここ数年の間ドバイ近辺でスピードを求める人たちはみんなAlpha Logicに通うようになった。West Chicago, Illinois のAMS Performanceの力を借り、マネージャーを務めるRob Harperは中近東エリアに高いレベルのパフォーマンスを地域に持ち込んできた。
Atlanta, Georgia出身のRobは中近東のAlpha Logicを運営しながら、アメリカにも頻繁に帰ってきている。「いつも何時か分からない。」とRobは笑いながら言う。元々オートクロスで走っていたHarperは350Zや他の日本車で経験を積み、Corvetteチューニングとサーキット走行へ移った。「やがてTop Speed Motorsportsというショップにたどり着き、そこはサーキット用にGT-R をチューニングしていた。」と説明した。「そこで働くようになって間もないうちにドラッグレースを始めるようになった。」
そして2015年までにHarperはトップレベルのGT-Rチューナーに成長し、彼の噂は世界中に広まった。「その頃中近東で車のチューニングをしており、出張も多かった。AMSが作った車が多かったので彼達に注目されたと思う。」現在Alpha Logic は世界で一番大きいAMS Performanceディーラーだ。ブランド力というものは偶然できるものではなく、実力で作るもの。そこでAlpha LogicとAMS Performanceは自分たちの実力を発揮できるデモカーを作ることにした。
「ベースはストリート仕様の2013 Nissan GT-R Black Edition 。」とHarperは言う。「オーナーのMohammed Al-BakerはAMSに作業をしてもらい、自分が参加した頃にはすでに2000馬力を発生しており、ゼロヨンは8.0秒で走れた。」そのGT-Rはすでに速い車だったが、Harperはさらに計画していた。「セットアップを変えた。」と彼は語った。「T1 Race Developmentのエンジンとフロントマウントターボキットを使った。」AMS PerformanceとAlpha Logicと同様T1はここ数年GT-Rチューニングに特化していた。「エンジン、ミッション、燃料システム、ターボキット。全て手がけている。」とT1のTony Paloは言う。「そして全てドラッグレース向けである。ビッグパワー仕様だ。」
本当にビッグパワーだ。Al-BakerのGT-RにはT1ポート加工済みシリンダーヘッドとバルブ系、GRPコンロッド、Diamondピストン、Trend リストピン、大容量ターボチャージャー、ビレット製ブロックを利用したメタノール仕様4.3リッターエンジンが乗っている。「3400馬力と2200lb/ftトルクを発生している。」
Paloは今回のエンジンでDiamondピストンが十分対応できることを証明したと言う。「Diamondがカスタムで作ってくれたピストンでエンジンを作るのは初めてだった。自分たちのパワー目標や条件を説明し、彼達はこのピストンを作ってくれた。今のところエンジンに異常もなく、問題ない。」エンジンを組み上げてからAlpha Logicチームはあまり走行出来ていないが、努力していないわけではない。「こっちで参加するイベントはコースを使うだけのため。」とHarperは説明する。「アメリカのドラッグコースは個人経営が多く、直接電話して数千ドルで問題なく借りることができる。ここは全く違い、ドラッグコースはF1コースの一部であり、政府がコースを所有している。コースを借りるのは難しく、お金もかかる。Bahrainに連絡したが、シーズン中2日間しか空いてなく、3時間で$4500もかかると言われた。」
HarperはBDRCのOutlaw Six Cylinderクラスで走っているが競技のためではなく、コースを走るためだと言う。「うちの車はまっすぐ走らないことで有名だから相手と並んで走ることはない。テストと予選の日を利用して練習走行を行い、レース当日は帰る。」
このBRDCイベントでもコースを走られる時間は限られている。「4日間イベントであり、1日で走られる回数は二回。」とHarperは説明する。「イベントは混んでいるのでほとんどの場合1日1回しか走れない。」
限られた走行時間なのでチームは毎回の走行を大事にしなければならない。「車が完成して初めての走行時は新しい足回りを使っていたのですべて中間セッティングを使った。」と彼は言う。「コントロールを失うところだった。二回目はパワーを下げ、データを収集することにした。その時は6.9秒108mphで走った。それでパワーを上げるための足回りセッティングがわかった。」
チューニングが決まりAlpha Logicは歴史的な走りを見せた。「みんなはGT-Rの記録だ!と言うが、AWDの記録でもある。」とHarperは説明する。「世界で一番早いAWDの車であり、この記録は過去4回更新してきた。」初めては一年前6.85を記録した時だった。1ヶ月後にチームは6.79秒で自分達の記録を破り、さらに2時間後には6.78秒で再更新した。「その記録は今年の1月に6.582@232mphを走った時まで持った。」と彼は語った。「これもノーマルシャーシであり、ボディも切っていない。車重はまだ3500ポンド。」
ほとんどのチームは世界最速AWDの記録で満足するはずだが、Harperは次の目標に目を向けている。「早く走ることが目的だ。」と彼は言うが「次の目標はIRS記録だと言う。5年前6.54秒で走ったコルベットが記録し、うちの車より1000ポンドも軽かった。それに向かって動くつもりだ。」