WEC富士、最速車のトヨタ7号車の予選タイム抹消、ポールポジションは僚友8号車へ!
10月13日、静岡・富士スピードウェイにおいてWEC・世界耐久選手権第4戦「6Hours of FUji」の予選セッションが行われた。
その中でポールポジションを手にしたのは、8号車トヨタTS(セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/フェルナンド・アロンソ組)。だがそれは、僚友7号車(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組))が最速タイムをマークしたにもかかわらずセッション終了後に科されたペナルティによりそのタイムが抹消されたという”副産物”だった。
終日曇天模様となり、やや肌寒さを感じる天候となった予選日。前日行われたフリープラクティスでは再三に渡って赤旗が出され、都度セッションが中断したため、決して存分な走り込みができない状態だった。これを受け、土曜日朝に行われるフリープラクティスは当初予定されていた1時間ではなく、1時間30分へと延長されている。
迎えた午後からの予選。WECでは各車両ふたりのドライバーがタイムアタックを行うが、日本のSUPER GTで採用されているようなノックアウト方式でなく、また2選手のベストタップの合算でもなく、そのアベレージ(平均)タイムで競うことになっている。また、アタック中、必要以上にトラックリミット(走路外走行)と判定された場合、そのラップタイムは抹消されるというルールが設けられている。そんな中、トップクラスのLMP1では、アベレージで8号車(アロンソ、ブエミが担当)が暫定トップに立ったのだが、直後にトラックリミットの対象になることが判明、アタックラップが抹消の対象に。結果、その直前に一旦トップに立っていた7号車(ロペス、可夢偉が担当)が改めてトップに返り咲くこととなった。8号車は、アタック後にピットへ戻っていたが、タイム抹消を受け、改めてアタックをにトライ。だが、先のタイムを更新できず、結果2番手に甘んじた。7号車と8号車のアベレージタイムの差はわずか0.091秒。7号車が前回のシルバーストンに続き、今季2回目のポールポジションを獲得したかに思われた。
ところが、7号車に思わぬ”宣告”が。先にアタックを担当したロペスがピットロードでの速度違反をしたとしてペナルティの対象となってしまう。時速60kmの速度制限に対し、ロペスは時速68.7kmで走行していたという。結果、FIAのシュチュワードからロペスは900ユーロ(約11.6万円)の罰金が科され、さらに予選タイム抹消という厳しい判定が下された。これを受け、8号車が代わってポールシッターの座に座り、一方の7号車は全車最後尾の34位という順位にになることが決定した。決勝でのスターティンググリッドはクラス最後尾の8番手からスタートを切るが、思わぬことから明暗がくっきりと分かれることになったトヨタの凱旋レース。明日の決勝ではどのような展開を見せるのか。6時間後の行方が大いに気になる。
■WEC第4戦富士・予選結果(各クラスTOP3)
・LMP1
1.No.8 トヨタTS050ハイブリッド(S.ブエミ/中嶋一貴/F.アロンソ組)1’23.648
2.No.1 レベリオンR13・ギブソン(A.ロッテラー/N.ジャニ/B.セナ組)1’24.359
3.No.3 レベリオンR13・ギブソン(T.ローラン/M.ベッシェ/G.メネゼス組)1’24.533
・LMP2
1.No.31 オレカ07・ギブソン(R.ゴンザレス/P.マルドナド/A.デビッドソン組)1’28.906
2.No.37 オレカ07・ギブソン(J.ジャファー/W.タン/N.ジェフリ組)1’29.203
3.No.38 オレカ07・ギブソン(H-P.タン/G.オブリ/S.リケルミ組)1’29.294
・LMP-GTEプロ
1.No.95 アストンマーチン・バンテージAMR(M.ソーレンセン/N.ティーム組)1’36.093
2.No.82 BMW M8 GTE(T.ブロンクビスト/A.F.ダ・コスタ組)1’36.275
3.No.97 アストンマーチン・バンテージAMR(A.リン/M.マルタン組)1’36.362
・LMP-GTEアマ
1.No.88 ポルシェ911 RSR(星野聡/G.ローダ/M.カイローリ組)1’38.336
2.No.98 アストンマーチン・バンテージ(P.ダラ-ラナ/P.ラミー/M.ラウダ組)1’38.400
3.No.77 ポルシェ911 RSR(C.リード/J.アンドロウアー/M.キャンベル組)1’38.524
(注:一部写真はペナルティ判定前に行われた記者会見のものです)