Dominic LucciのR35 GT-R
CAR FEATURE By Trevor Yale Ryan
昼間の撮影は難しい。カメラを持っている人なら誰でも分かるが、昼間の光を操るのが一番やりにくい。マイアミに到着して間も無く、エアサス付きブラックワイドボディーR35の情報をキャッチした時まだ午前中だった。
時差ボケも少しあり、地域にも詳しくなく、近くにある車の撮影をする気にはなれなかった。個人的には断りたい仕事だったが、これはSpeedhunterのやり方ではないと思い、取材を引き受けた。そして1時間後には助手席に座っており、マイアミの撮影スポットを探していた。
スタジアムの外に到着し、普段は湾と高層ビルが見えるはずだったが、コンサートのため全て交通止めになっていた。めげずにひどい渋滞に巻き込まれながら次の郊外スポットへ。到着すると全てよく見えた。水の向こうには町の風景が見え、細い道もあったが大きなコンクリートバリアと大型トラクターが邪魔していた。。。流石にマズイと思い、橋を渡ってマイアミの東側に向い、大西洋が見えるパーキングがあるのを思い出した。
しかしそこも閉まっていた。ここでさっきの気持ちがまた湧いてきた。それは「NO」だった。しかしそれと同時に、どこかで「これはきっとやるべきだ」という気持ちもあり、もともと涼しいホテルルームを諦めさせるくらい効果もあった。この時点で諦めムードになっており、RMCマイアミ達にクルーズに連れて行ってもらった。そして1日前にDP Motorsport Street 935 conversion 964を取材したスポットに行った。ここでDominic Lucci R35のストーリーを聞かせてもらう。
Dominicと双子兄弟Mikeは想像できるように仲が良く、小さい頃から一緒に車に興味を持っていた。16歳の誕生日までFast and FuriousやNeed for Speed: Undergroundを見たり遊んだりして、Sonoma Racewayにも行き、Formula 3車まで乗りに行った。ようやく大人になり、兄弟はホイールメーカーを立ち上げ、Dominicはチューニングカーを数台作成し、最終的に2015 Black Edition R35 GT-Rを購入した。
CHAPTER TWO Dominic Lucci
このGT-Rは残念ながらもうDominicの持ち物ではない。他に説明のしようがないが、車の作業を始めて間もないうちにDominicは亡くなってしまった。GT-R は現在Mikeのものだ。Dominicが亡くなり、Mikeは長年Dominicを一緒にチューニング内容を考えていた夜を思い出していた。そして彼が望んでいた通りに車のチューニングを進めている。
Mikeはこの車を通じてDominicの思い出を生かしている。どんなチューニングカーでも車好きにしか分からない「重み」がある。だからこそMikeにとって、この車以上に大事なものはない。それは車好きじゃなくても理解できるはずだ。撮影中もMikeは全てのディテールに拘っていた。どんな路面でも車高をパーフェクトに調整していた。全てが完璧でなくてはならなかった。
特にDominicと一緒に開発した巨大なFR 21×12インチ、 RR 21×13.5インチPlatinum Design鍛造3 pcホイールも完璧だった。Pirelli P Zero (285/30と325/25)を履いたこのGT-Rはただのショーカーではないことがよくわかる。Mikeはこの車にプライドをたくさん持っており、Dominicとまだ一緒のうちに車の完成像を教えてもらって感謝しているという。「ワイドボディのエアサススーパーカーに最高のマフラーを付ければ間違いはない。」とDominicは昔よく言ったそうだ。個人的にR35はあまり好きじゃないが、このスタイルなら好きになれる。低く、うるさく、ワイドで情熱で作られたもの。
Chapter Three As a whole
この車はエアサスを利用し、車高を変えながら街中をナビゲートしている。通常どんな車高でもカスタムカーボンフロントスプリッターとリヤディフューザーのクリアランスを取るのは難しい。元から大きな車だが、追加ボディーパーツでさらに大きくなった。Liberty Walkワイドボディーエアロとエアサスでこのブラック・ゴールドGT-Rはとても悪質に見える。Armytrix Valvetronic マフラーから出るエギゾースト音の注目は高い。
信じられないと思うが、この車はマイアミスーパーカーの中ではまだ下のランクだとMikeはいう。しかしどんなショーや集まり会ではウェルカムな存在だ。別の記事でも紹介したLiberty Walk GT-Rと同じく、このNissanは走るために作られたのだ。
Dominicに比べ、Mikeはこの車を優しく乗っているが、マイアミではよく走らせている。エンジンルームは他のR35と同じく、中身はあまり変わっていないように見える。しかし、3インチインタークーラーパイピングを使ったカスタムインタークーラーと、Walbro 255lph x 2燃料ポンプ、1,100ccインジェクターでパワーは745hpと654ft-lbトルクを発生している。もちろんこの数字はEcutekのE85セッティングのお陰だ。
車は3年持っているが、双子が初めて手に入れた時よりかなり進化している。しかし、Mikeはまだ完成していないという。Dominicはいつかゴールドに塗装したいと言ってたのでそれを現実させるそうだ。Dominicは見届けることできなかったが、彼の車のビジョンはまだ実行されようとしている。Mike Lucciと出会えたのは本当に嬉しいことであり、この取材の代わりにホテルでゆっくりしていたらずっと後悔していたに違いない。
Nissan R35 GT-R related stories on Speedhunters
FINAL CHAPTER Outskirts
2018-SH-Dominic-Lucci-_001
Dominic Lucci
August 18, 1993 – October 24, 2016
Continued by brothers Michael & Joseph Lucci
詳細記事
http://www.speedhunters.com/2018/07/otherwordly-dominic-luccis-r35-gt-r/