第85回ル・マン24時間、公開車検終了
6月11、12日、フランスのル・マン市街地において、第85回ル・マン24時間耐久レースの公開車検が行われた。昨年のWEC(世界耐久選手権)をもってシリーズから撤退したアウディがいない中、初日はポルシェチームが、そして2日目には3台体制に強化したトヨタが登場。今年の戦闘マシンをお披露目している。
・チャンピオンチーム、ポルシェ登場
昨年のチャンピオンチームであるポルシェ。車検場にお目見えするや、あっという間に人だかりが出来上がった。
・チーム移籍のロッテラー、人気を集める
今年、アウディからポルシェへと移籍し、WEC選手権に参戦中のアンドレ・ロッテラー。ル・マンウィナーでもあるだけに、どこにいってもサイン攻めにあっていた。今年は移籍元年での総合優勝を目指す。
・サイン、サイン、サイン!
公開車検後、クルマとドライバー、チームスタッフが集合して行われる写真撮影。その後は周囲で待ち受けたファンから声がかかる度、ドライバーたちは気前よくサインや記念撮影に応じていた。
・ミラーレス? ミラーイン?
LMP1のポルシェ919が準備してきたユニークなもの。それがリヤビューミラー。フロントホイールの上部、アーチに埋め込まれている。さらにカバーが取り付けられているので、「果たしてこれで見えるのか?」と思ってしまうのだが…。
・車検の道も一歩から!?
車検場のゲートをよく見ると、車検内容がきちんと表記されていた。
POST1では、車重・車体・ウィングの測量。POST2では、スキッドブロック・スプリッター・ディフューザー等の確認を行う、となっている。各チームが順次時間指定の下、車検を受けることになっているのだが、たいていスケジュールは”押し”モード。これもル・マンならでは、の見慣れた光景。
・待望のニューマシン
昨年のル・マンでは新車投入を見送ったポルシェ。ライバルから大きく遅れを取り、後塵を拝したが、ついに新車投入となった。これまでRRがポルシェのスタイルだったが、新車はなんと、ミッドシップ。大型化したリヤディフューザーに合わせ、リヤアスクル前方にエンジンが搭載されることになった。
・大幅に大きくなりました
車検中のポルシェ911RSR。大幅リヤディフューザーが採用されている。これに合わせ、フロントリップも拡大された。これで空力面の向上が確保できたとしている。
・トヨタ、リベンジなるか
昨年、トップを走る5号車のポルシェが突然スローダウンしたのは、チェッカーのおよそ3分前。まさかの幕引きにル・マンならではの難しさを痛感することとなった。すべてを一新し、新たな戦いに挑む今年。果たして、リベンジなるのか。
・2台体制に2人の日本人
今年、WECにシリーズ参戦中のクリアウォーターレーシング。ル・マンには2台体制で挑むこととなった。チームから2人の日本人ドライバーが出場。澤圭太(写真左2人目)はレギュラードライバーとして、去年ル・マンに初出走。一方、9年ぶり7度目となる加藤寛規(写真右2人目)はその実力を買われ、スポット参戦を果たしている。
・シーズン2年目の貫禄
唯一のLMP2参戦日本人ドライバーである平川亮(写真左)。WECフル参戦2年目の貫禄を感じさせるオーラが。LMP2クラスの参戦マシンが一新され、「ストレートスピードはトップクラスLMP1より優れる」と平川。
・マコちゃん、新車での奮闘を誓う
今シーズンは、新たなポルシェ911RSRでシリーズ参戦中のフレデリック・マコヴィッキィ(写真中央)。以前、日本のSUPER GTにも参戦した経歴を持つ。ニューマシンでのル・マン参戦を心待ちにしていたといい、「ガンバリマス。アリガトゴザイマス」と日本語で答えてくれた。
・トヨタの日本人もガンバります!
去年、悲劇の3分前を味わった中嶋一貴(写真右)。テストデーのあとはロンドン>ギリシャとプライベートタイムを満喫したのだとか。一方、初ル・マン参戦となる国本雄資(写真左)。ナイトセッションを楽しみしていると笑顔で答えてくれた。
・動画で現場の雰囲気を堪能
トヨタからのシリーズ参戦2年目を迎えた小林可夢偉。すっかり場慣れして!? 公開車検時のメディアインタビューでは、自ら動画で情報発信。
・集合写真撮影も一苦労
車検が終わり、次はお楽しみの集合写真。とはいえ、撮影位置、ドライバーの立ち位置を決めるのに、四苦八苦。毎年見慣れた光景とはいえ、この仕事もなかなか大変なのだ。
・これが完成版
ようやくセッティングが決まり、ハイチーズ! となったトヨタ陣営。ドライバーはもちろん、このあと写真に加わるチーム関係者含め、うんと士気が向上するというもの。さぁ、いよいよ24時間の戦いが始まります!
・ドライバーは終日多忙
公開車検時、ドライバーは装備品のチェックが必要。着用するレーシングスーツやヘルメットなどの確認もレース参戦にあたり、大事な仕事のひとつともいえる。一方、撮影後のドライバーはトークショーへ。日本語? いえいえ、英語を巧みに操るのも、ドライバーの仕事なのだ。
PHOTO&TEXT : MOTOKO SHIMAMURA