SUGO、富士と続いた真夏の決戦も、ついにフィナーレを迎える。第6戦鈴鹿は「45th International SUZUKA 1000km」と文字通り、シーズン一番の最長レースであり、しかも厳しい暑さが舞台となる過酷な一戦。タフな戦いに対し、ボーナスポイントも与えられ、このボーナスがこれからのシリーズ争いを巡る戦いにも大きな影響を与えるのは言うまでもない。普段の3倍以上となるレースには、不確定要素も一層増えるだけに、筋書きの見えないドラマを見逃す訳にはいかない。
■新たなレギュレーションがもたらす戦い
ひと昔前は車両にエアコンもなく、ドライバーはクールスーツだけが暑さ対策だった。そんな過酷な状況は改善され、エアコンをはじめとするクーリングシステムが向上し、今となっては、走行後のドライバーが熱中症で意識がもうろうとすることもほとんどない。だが、技術面におけるクルマの進化、それに伴うスピードアップがドライバーにとって新たなる負荷を与えているのも事実だ。
そこで新たな規定が設けられた。それが、ピットイン回数の増加だ。これまでドライバー交代を伴い、最低4回だったのが、1回増えて5回になった。これで1000kmは6つのスティントに分けられ、自ずと各ドライバーはゴールまでそれぞれ3回ドライブを担当することになる。加えて、今年はドライ・ウェット両タイヤとも持ち込み本数が1台当たり1セットずつ追加される。ここから見えるのは、今まで小刻みになったスティントで、よりフレッシュなタイヤを装着して速さを優先する戦いになるであろうということ。最長レースという一方で、その中身はつねにスプリントレースと変わらぬペースでスティントを走り切ることが求められる。かつては「1000kmだから予選順位はさほど重要ではない」などと言われてきたが、好グリッドから安定したハイスピードを刻み続けるチームが、勝利により近い場所にあるという考えを持ってすれば、もはや予選での好順位も欠かせないし、もちろん、レース中のワンミスすら許されない。そういう面から考えれば、単にいつものレースを3回強繰り返すことになり、それはつまり、とてつもなく過酷な戦いを意味することになる。
■GT-R勢の連勝、そしてライバルは?
今シーズン、開幕戦で勝利した日産GT-R。中でもNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)が開幕の岡山、続く富士を制し、ディフェンディングチャンピオンとしての存在感をアピールすると、第4戦SUGO(第3戦オートポリスは中止)では、荒れたレース展開を味方につけたNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(佐々木大樹/柳田真孝組)が勝利。そして第5戦富士では、本命と言われ続け、あと一歩で勝利を逃してきたNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)がついに優勝。ライバルメーカーを圧倒する速さと強さを兼ね備えているのが、今季のGT-Rといえる。
一方、ライバルたちも悔しい思いをしながら、この鈴鹿で一矢報いたいはず。なにしろ、ランキングトップの1号車は搭載ウェイトがついに100kgの大台となっただけに、さすがにトップ争いは厳しい。この機会を逃す手はない、というところだ。とはいえ、1号車がもともと夏場に強さを発揮するミシュランタイヤユーザーであることを忘れてはいけない。上位進出のチャンスを狙えるポジションで周回を重ねる可能性も高い。そういう意味では、同じミシュランユーザーのNo.46 S Road MOLA GT-R(本山哲/千代勝正組)の今季初勝利も待たれるところ。前回は思わぬマシントラブルで戦線離脱しているだけに、この鈴鹿でしっかり借りを返したいところだろう。
そんな中で、とりわけ注目されるのがNo.36 au TOM’S RC F(伊藤大輔/ニック・キャシディ組)。チームとしては、僚友No.37 KeePer TOM’S RC F(ジェームス・ロシター/平川亮組)が安定してポイントを計上しているので、ウェイトハンディが足かせになると考えられるが、一方で36号車はシーズン後半戦を見据え、この鈴鹿でしっかり大量得点することが目標になる。もともとTOM’Sは1000kmレースとの相性がよく、チームとして一昨年から連覇中。こちらも、記録更新を含め、気の抜けない一戦になるはずだ。
■混戦必至のGT300、新たなるウィナーがまたも誕生!?
一方、GT300はGT500とは異なり、今シーズンは、全レースで勝者が異なるという先の読めない展開になっている。確かに、サーキットの特性に合う車両が上位争いを繰り広げてはいるが、その中のどの車両が頭一つ飛び抜けるのか、それを読むのが至難の業になっている。
その中で、GT300クラスは第3ドライバーを登録し、長丁場でより高いパフォーマンスを継続させようというチームも少なくない。チームの戦略によって、思わぬポジション争いが起るかもしれない。結果だけ見るとこれまでの4戦でFIA GT3車両が3勝、JAF-GT300が1勝という勢力図ではあるが、鈴鹿ではどのような力関係が誕生するのか。こちらも気になるところだ。
■主なタイムスケジュール
8月27日(土)
08:00 – 08:50 オープンピット
09:20 – 11:05 公式練習
09:20 – 10:45 : GT500 & GT300
10:45 – 10:55 : GT300
10:55 – 11:05 : GT500
11:15 – 11:30 サーキットサファリ
12:35 – 13:25 ピットウォーク
14:30 – 15:05 ノックアウト予選_Q1
14:30 – 14:45 : GT300
14:50 – 15:05 : GT500
15:15 – 15:47 ノックアウト予選_Q2
15:15 – 15:27 : GT300
15:35 – 15:47 : GT500
17:20 – 18:00 GTキッズウォーク
18:20 – 19:20 前夜祭
8月28日(日)
10:05 – 10:50 ピットウォーク
11:08 - ウォームアップ走行、スタート進行
12:30 - 決勝レース(173Laps)