6月16日、予選2日目を迎えた第84回ル・マン24時間レース。前日に続いて天候は不安定で、予選セッションは雨に翻弄される一日となった。
予選セッション2回目は、気温18度、路面温度23度とやや肌寒さを覚える中、午後7時にスタート。ところにより小雨が降るコンディションながら、各車が決勝レースを見据え、雨よりのセッティング確認のため、コースインしていく。
1周13.629km、一般公道を含むサルテサーキットゆえ、「ところにより雨」といっても、時にはコンディションの差が大きく、しっかりと雨が降っているところもあれば、そうでないところもあるなど、極めて難しい状況。レースウィーク中、雨が降ったり止んだりの落ち着かない天候が続いていることからも、セッション中にタイムアップする可能性は低いと思われた。
開始から1時間を前に雨はかなり激しい状態となり、GTE・アマチュアクラスなどは走行を控えるほど。だがその一方で、トップクラスのLMP1では、状況把握を兼ねてコースインする車両も少なくなかった。日本でもウェットレースで抜群の速さを見せていたブノワ・トレルイエ(7号車アウディ)やロイック・デュバル(8号車アウディ)、さらにはLMP2参戦の松田次生(47号車KCMG)や中野信治(34号車レースパフォーマンス)らも出走。様々なコースコンディションを体感することで、決勝に向けての準備を着々を進めていた。
そんな中、しばしライバルの動向を見守っていたポルシェ勢も、午後8時を過ぎてコースイン。1号車はマーク・ウェーバー、2号車もマルク・リーブがステアリングを握った。2時間にわたるセッション中は赤旗こそ出なかったが、アタックもしくはタイムアップできる状況と言える状態ではなかったため、予選順位は前日の1回目から変動は見られなかった。
予選3回目のセッションは午後10時にスタート。ここから2時間が最終セッションとなる。しかし、今年の予選で一番の雨を迎えることになり、アタックはもとより走行そのものが難しいほどの本降りの雨になってしまった。
気温15度、路面温度19度の中、まず何台かの車両がコースインしていくが、路面コンディションを確認するとピットにクルマを戻す状態。さらに酷くなった雨によって、午後10時18分にはセッションそのものが豪雨によって赤旗中断となった。およそおよそ1時間後にはグリーンフラッグが振られ、走行再開となったが、場所によっては霧も出るなど、依然として不安定な状況が続いた。
チェッカーが出される深夜12時を前に、最後の確認を兼ねてコースインするクルマもあったが、そのほとんどはLMP1クラスばかり。中でもトヨタの2台がセッション終了まで走行を重ねていた。
雨に翻弄された3度の予選は、結局前日の予選1回目の結果が有効となり、2号車ポルシェがポールポジションを手中に収め、トヨタ勢は6号車が3番手、5号車が4番手。これにアウディの2台が後方につけることとなった。
予選総合結果(各クラストップ)
LMP1 No2 ポルシェ919ハイブリッド(R.デュマ/N.ジャニ/N.リーブ)3’19.733
LMP2 No.26 オレカ05・ニッサン(R.ルシノフ/S.ステヴェンス/R.ラスト)3’36.605
GTE Pro No.68 フォードGT(J.ハンド/D.ミュラー/S.ブルデー)3’51.185
GTE Am No.61 フェラーリ458 イタリア(M.W.サン/澤圭太/R.ベル)3’56.827
(Text&Photos:Motoko SHIMAMURA)