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ル・マン24時間、公開車検を終える




6月12、13日、フランスのル・マン市街地において、第84回ル・マン24時間耐久レースの公開車検が行われ、昨年の覇者ポルシェをはじめ、タイトル奪還を目論むアウディ、そして新型車両を投入してリベンジに燃えるトヨタなど、各チームが2日間にわたって全60台が今年の戦闘車輌を“公開”した。

今年は84回目!

2016ル・マン24時間 車検
伝統の一戦を伝えるツールとして、いつの世も変わらないのがレースプログラム。毎年、プログラムやポスター、そして記念ステッカーを飾るのはどのチーム、どのクルマなのか、それも注目のひとつなのだが、今年は至ってシンプルなデザインが施された。ちなみに、タイトルの「MYTHIQUE(ミティーク)」はフランス語で、「神話の、神秘的な」という意味なのだとか。昨年の覇者、ポルシェが最多通算勝利回数を更新して新たな伝説を作るかどうか、そこに注目しての「MYTHIQUE」なのかもしれない。

敗者のままでいいわけない!

2016ル・マン24時間 車検
昨年はル・マン、そしてシリーズ戦でライバルたちの後塵を拝することになってしまったトヨタ。事前に東京で行なわれたメディア説明会では、TOYOTA GAZOO Racing自らが、「トヨタよ、敗者のままでいいのか。」と自身にカツを入れるかのようなメッセージを用意し、長くタフな戦いに向けて準備を進めてきた。車検後のトークショーでは、ル・マン5年目となる中嶋一貴はなにやら難しい顔をして、そして今年がトヨタからの初挑戦となる小林可夢偉はケータイを手にチームメイトを撮影するなど、リラックスしているようにも見えたが、果たしてその心境はいかに!?

フォードGT、新型車両で参戦

2016ル・マン24時間 車検
今年お目見えするフォードGTは、かつて1960年代にル・マンのレースで大活躍したフォードGT40をイメージしたものであり、ちょうど、ル・マン24時間初制覇から50年のアニバーサリーイヤーが今年にあたるため、これに合わせて市販車モデルがリリースされている。半世紀ぶりの参戦にあたり、フォードは、ル・マンに限らず、WECのシリーズ戦へのフル参戦を実現。今回はその2台に加え、北米のWSCC(ウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ)参戦中の2台の計4台をラインナップする。公開車検時に撮影した69号車には、ライアン・ブリスコー、リチャード・ウェストブルック、スコット・ディクソンが収まるが、うちブリスコーとディクソンがインディカーシリーズ参戦キャリア組。そしてウェストブルックはコルベットのワークスドライバーで経験を積んでいる強豪トリオ。またディクソンは、デイトナ24時間での2度の優勝実績を持つなど、耐久レースでの実績も豊富。しかしながら、ル・マン自体は初参戦のため、”ルーキー”。様々なレースキャリアを駆使して挑む、初ル・マンとなる。

二世ドライバーもエントリー

2016ル・マン24時間 車検 2016ル・マン24時間 車検

ネルソン・ピケ、アラン・プロストと聞けば、かつてのF1チャンピオンだと思い浮かぶ人も多いはず。そんな彼らの息子たちがル・マンへと姿を見せている。以前は、ナイジェル・マンセルも息子ふたりとともに参戦して大きな話題となったが、今回は息子らに限っての参戦だ。ピケの息子はピケJr.、そしてプロストの息子ニコラ・プロストは、同じチームでLMP1のハイブリッド非搭載車リベリオン R-ONE-AERをドライブ(写真左がネルソン・ピケJr.、右がニコラ・プロスト)。ちなみに、残るチームメイトはというと、元F1ドライバーであるニック・ハイドフェルド。なんと豪華な、そしてイケメンぞろいのトリオだけに、色んな意味で注目を浴びそうだ。

アウディ、今年は優勝なるか

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車検を待つアウディのトランスポーターには多くのカメラマンが鈴なりに。テストデイを終えてさらにブラッシュアップされたアウディR18をいち早く写真に収めようとスタンバッっている模様。そんな中、日本でも活躍した/活躍中のドライバー3人(写真左のアンドレ・ロッテラーと中央のブノワ・トレルイエはチームメイトで7号車をドライブ。右のロイック・デュバルは8号車のドライバー)が集まって、日本のレース雑誌を手になにやら楽しそうな雰囲気。つねにリラックスモードの様子だった。

一方、トランポからクルマが降りてくると、カメラマンの撮影モードもピークに。今年のR18はこれまでの車両と比較し、外観に大きな変化が見られる仕上がりとなっており、空力コンセプトに合せてハイノーズ化されたフロント部も特徴のひとつといえる。

恒例の集合写真撮影も終了。あとは本格的なレースモードへとスライドしていくル・マン24時間レース。まず。14日、火曜日は参戦ドライバーの集合写真等が行われ、実走行は15日、水曜日から。現地時間(日本との時差は7時間)の夕方4時から8時までがフリー走行、そして午後10時から深夜12時までが予選1回目となる。ウィークを迎えてからは毎日雨模様のル・マン。降ったり止んだりの忙しい空模様がこのまま続くともいわれているだけに、複雑に入り組んだドラマが待ち受けているような気がする。

 

(Text&Photos:Motoko SHIMAMURA)










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