トヨタ自動車は同社のテストドライバー中心にマシン開発、レース参戦など「クルマの楽しさづくり」を行う「Gazoo Racing」が開発したスポーツコンバージョンカー「 TOYOTA Vitz GRMN Turbo」を8月25日から先着順でWeb限定の商談申し込みを受け付け、9月下旬に全国のネッツ店のAERA86通じて、限定200台の販売を開始する。価格は270万円。 今年のオートサロンで公開され、多くの反響があったVitz GRMN Turbo。まずひと目でわかるのはベースモデルとなるヴィッツが日本では設定のなかった3ドアであること。3ドアは軽量・高剛性であることからGazoo Racingが目指すコンセプトである「スポーツコンパクト車に求められるピュアな走りを濃縮した『Pure Sports 2BOX』」の条件を満たすものとなった。GRMN専用のフロントバンパー&スポイラー、ロッカーフィン、リヤスポイラーを装着、ただのホットハッチではないことを主張するのと同時に走行時の空力性能を向上させている。専用ヘッドランプはヘッドランプユニット内にLEDランプを配し、精悍な表情を演出している。またボディ側面下部のGRMNロゴの外板は専用外板の型押しで製作されている。 インテリアもGRMN、ワークスチューンならではの拘りが覗える作りとなっている。専用スポーツシートはiQ GRMN Superchargerで実現した「表皮一体発泡工法」と呼ばれる製法を採用。この製法で製作されたシートは座った瞬間に体の位置が決まりサーキットでの横Gでもぶれない優れたホールド性を持っている。 注目の心臓部は1.5Lの1NZ-FE+ターボを搭載。最高出力152ps、最大トルク21.0kgmで1070kgの車体をターボの力強さと尚且つターボとは思えないスムーズな加速感で引っ張り上げる。ターボラグの無いスムーズな加速、アクセルのON/OFFのドライバーの操作に忠実に反応する。その結果、ドライバーの意志のままにドライビングができる資質を向上させている。それに組み合わせれるのは「シフトストロークを可能な限り短縮し、ダイレクト感あるシフトフィーリングを実現」したという5速マニュアルを採用している。足回りはボディ剛性強化をベースにニュルブルクリンクを知り尽くしたマイスターがセッティングした専用サスペンション、フロントブレーキには専用開発された対向4ポッドキャリパー、前後に制動力とコントロール、耐久性すべてを向上させたブレーキパッドを装着。そしてこのクルマの特徴でもある専用VSC(ヴィークル・スタビリティ・コントロール:横滑り防止装置)を搭載しコーナーリング途中からのアクセルオン時にFF特有のアンダーステアをフロント内輪のブレーキを積極的に制御することでアンダーステアを抑えつつ、外輪へ効果的にトルクを配分するLSDの働きで旋回性能を向上させている。 以前に発売されたiQ GRMN Superchargerからするとかなりお買い得ではないかと思われる。先代ヴィッツのTRDターボMと大きな構成は変わってないようにも思えるが、「3ドア」「GRMN専用スポーツシート」「専用VSC」などでもニュルで鍛え上げられたGazoo Racingの本気が覗えるだけに十分納得の行く値段ではないだろうか。ただ、本来このようなクルマに乗って貰いたい20代からすると些か厳しいプライスではあるかもしれない。限られた200台のシートに収まりたければその熱意で両親を説得して二世代で楽しむのが一番の近道かもしれない。 (栗原 淳)日本に設定のなかった待望の3ドア
足元もヒール・アンド・トゥがしやすいようにアクセルペダルをブレーキペダル側に寄せてある。 メーターパネルはスポーツ走行を想定した巨大タコメーターを中心に配置したアルミ調3連メーターだ。必要最低限な変更のみではあるが、ドライバーが走る衝動に掻き立てられるのは間違いないだろう。ベース+100万円はお買い得か?
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