ポルシェ・ジャパン株式会社は3月初めに開催されたジュネーブモーターショーでワールドプレミアを果たした新型ポルシェ911GT3(以下新型GT3)の予約受注を3月12日より全国のポルシェ正規販売店にて開始をした。価格は1859万円。 新型GT3はポルシェの顔である911シリーズで最もスパルタンなサーキット向け軽量ハイパフォーマンススポーツカーであり、ベースモデルの進化にあわせそのスピードに磨きをかけているが、今回のベースモデルが991型となり、GT3はどう進化するのだろうとクルマファンは様々な想像をしながらその発表を待った。そして、その発表の場で注目を浴びたポイントの1つはミッション、近年スポーツカー・スーパーカーは性能向上の為、3ペダルMTからツインクラッチを用いた2ペダルMTに次々と転換していく中でポルシェ911GT3は頑なに3ペダルMTでその早さを磨いていたが、遂に新型GT3はポルシェ独自のデュアルクラッチトランスミッション「PDK」をGT3専用に開発し、モータースポーツで培ったシーケンシャルギアボックスからアイデアを得ており、走りの喜びが削がれることはなさそうだ。 PDKに組み合わせる新型GT3の心臓部は3.8L自然吸気のフラット6で911カレラSのをベースにしているが、その共用部分は僅かで殆どがGT3専用設計となり、チタニウム製コネクティングロッドと鍛造ピストンが、先代モデルに引き続き採用され、9,000rpm もの最高回転数を可能にする超高回転型エンジンの土台となっている。 最高出力は475PS(350kW)、 0-100km/h 加速を 3.5 秒でこなす。最高速は 315km/h に達し、ニュル ブルクリンク北コースを 7 分 30 秒以内でラップする実力を秘めている。 GT3は自宅からそのままサーキットに行ってレーシングカーに混じって走っても全く違和感のないスタイリングとなっている。フロントセクションとリアセクションは当然ながら専用設計で、さらにリア・アクスルは、ベースモデルのカレラと比べてトレッドが44mm拡大されコーナリングの安定感に一役買っている。一目でGT3とわかる大型の固定式リアウイングは、空気抵抗を抑えながらダウンフォース をさらに増加させ、新型GT3の優れたエアロダイナミクスに決定的な貢献を果たしている。 (栗原 淳)50周年という節目の年に、更なる早さを求めての進化!
決して「楽(らく)」ではなく「楽(たのしい)」運転の進化!
世界最高の3.8Lフラット6も静かに進化
安全かつ速くサーキットを駆け抜ける足回りにポルシェ初の技術を採用
ニュル7分30秒切りを実現するにはミッションとエンジンだけでは成立しない。この最高の動力を極力無駄なくアスファルトに伝えるにはそれに見合ったサスペンションを中心にした足回りがなければなし得ない。その為、この新型GT3にはポルシェ初の技術「アクティブリアホイールステアリング」を採用している。この機構はいわゆる「4WS」で、リアホイールを車速に応じて「逆位相(フロントホイールと逆方向)」、「同位相(フロントホイールと同方向)」に動かすことによって俊敏性と安定性を 向上させる。
洗練されたレーシングスタイルはプレミア感も両立