スーパーフォーミュラ第7戦鈴鹿、山本尚貴が逆転王者に輝く! 詳細ページ(7416) - イベント・レースレポート

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スーパーフォーミュラ第7戦鈴鹿、山本尚貴が逆転王者に輝く!



11月10日、三重・鈴鹿サーキットにおいて全日本選手権スーパーフォーミュラ第7戦の決勝レースが2レース行われ、不安定なコンディションの中、まずレース1をポールポジションスタートした山本尚貴(TEAM 無限)が勝利すると、レース2では3位に入賞。シリーズタイトルを逆転で手に納めた。

◎レース1
決勝日を迎えた鈴鹿は朝から雨模様。ほとんど小雨の状態で、午前10時30分からのレース1のスタート進行が始まる頃には雨が止んでいた。しかしながら路面はウェットコンディションであったことから、全車がレインタイヤでスタートを迎える。するとスタート間際には再び雨が落ちはじめ、本降り状態に。結果、20周のスプリントレースは、車両後方から水煙が高く上がり、視界がほとんど確保できないというタフなレースへと一転した。
その中で、まずポールポジションから万全のスタートを切ることに成功した山本。ダミーグリッド上では慌ただしくフロントのスプリング交換とスタビライザーの調整を行うなど、ぎりぎりまで戦いにこだわったことが奏功し、トップを独走。オープニングラップではベテランの小暮卓史(NAKAJIMA RACING)の追い上げに対し逆転を許したのだが、その小暮が2周目にマシントラブルを発生。ピットに戻るというハプニングにも救われ、再びトップに返り咲いた。トップ3は悠々と逃げる山本、それを追う小暮の僚友である中嶋大祐、そして予選6位から荒れたコンディションでキレた走りを見せるNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)で形成されると、不動に。その一方では、11位からスタートし、レース後半から俄然ペースアップを果たしたルーキーの平川亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)が水を得た魚の如く、次々とファステストラップをマークする活躍で、場内を大いに沸かせた。
結果オーライの勝利にほっとしたという山本ではあるが、自身待望のスーパーフォーミュラ初優勝を達成。本来ならば、この勝利だけでも本人にとっては喜ばしい状況ではあったが、逆転チャンピオンを目指す道の途中とあって、レース1周終了直後は、まだ喜びも半ば、という表情を見せた。

◎レース2
レース2は午後2時30分にスタート。これに先立ち、次第に天候が回復した鈴鹿は時折青空が顔を出していた。ダミーグリッドについた車両の足下には、レイン、スリックの両タイヤが準備され、スタート直前、ギリギリまでどちらのタイヤを選択するのか、各チームが頭を悩ませていた。レース1とは異なり、レース2ではタイヤ交換が義務付けられている。しかしながら、ウェットタイヤを選択した場合、その義務は適応されない。一方で、雨が上がり、コース上が次第に乾きはじめているコンディションでは、ウェットタイヤで28周を走破するには限界が見え隠れする。この微妙な路面コンディション、さらにはレース後半には雨が再び降るという天気予報を考慮した上で、チームは今シーズン最後の公式レースをスタートを迎えた。
上位グループの大半はウェットタイヤを選択。その後方のグループではスリックタイヤを選択する車両も見受けられた。そしていよいよスタートが切られ、ポールスタートの山本が申し分のないスタートを決めると、今度はノーミスでオープニングラップを終える。トップの山本は2周目を終えてピットイン。この後も、次々と車両がピットインを行ったが、その作業が落ち着くと、トップにはスリックタイヤを装着した平手晃平(P.MU/CERUMO・INGING)が立ちはだかった。
平手が終盤にピットインすると、実質トップに立ったのは、デ・オリベイラ。予選2位から今季初勝利を目論むチャンピオン経験者はさらにペースアップ。ところが運悪く、ギアボックストラブルが発生し、ペースダウン。代わって中嶋一貴がトップに立った。1周終了直後にピットインした戦略が当たった中嶋。なんとか2位を死守していたオリベイラが週番に突如として降り始めた雨に足下をすくわれ、コースアウトの末にクラッシュすると、ひとり旅状態になる。
2番手を走るのは小暮。オリベイラのハプニングを前に、小暮は前を走る山本をシケインで料理。ちょうどセミファイナルラップを前に西コース周辺で激しく雨が降りはじめ、瞬く間にサーキット全体が雨に包まれてしまったため、山本がシケインでハーフスピンを喫し、その後方にいた小暮がギリギリの攻防戦をモノにしていたのだ。一旦、メインストレートでは山本が先行したのだが、1コーナーで山本がオーバーランし、再び小暮が頭ひとつ出て逆転に成功。まさに手に汗握る攻防戦に詰めかけた観客も大いに沸いた。
レースは雨が降り続ける中、中嶋が今シーズン2勝目のチェッカードフラッグを受け、小暮は今季最高位の2位に。そして、3位でレースを終えた山本が逆転でシリーズチャンピオンを手にする。獲得ポイントでは鈴鹿戦を前に暫定トップにいたアンドレ・ロッテラー(今回は世界耐久選手権参戦のため欠場)と同ポイントではあるが、1大会で13ポイントと最大ポイント獲得がチャンピオン獲得の決め手となった。

 

・第7戦鈴鹿 決勝結果(TOP6)
Race1
1.No.16 山本尚貴(TEAM 無限)20L 38’52.509
2.No.31 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)+8.608
3.No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)+10.877
4.No.20 松田次生(Lenovo TEAM IMPUL)+11.958
5.No.38 平手晃平(P.MU/CERUMO・INGING)+14.906
6.No.07 平川 亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)+15.596

Race2
1.No.01 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)28L 50’24.755
2.No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)+20.603
3.No.16 山本尚貴(TEAM 無限)+21.725
4.No.07 平川 亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)+22.263
5.No.08 アンドレア・カルダレッリ(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)+23.356
6.No.02 ジェームス・ロシター(PETRONAS TEAM TOM’S)+29.130

 

記事・写真:島村元子/ TEXT&PHOTO : Motoko SHIMAMURA

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