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Z33型のフェアレディZ バージョンニスモは、GT選手権で得たエアロダイナミクスのノウハウを惜しみなく市販車に投入 したモデルであった。そのバージョンニスモが今回Z34型にも新たなグレードとしてラインナップに加わった。
Z34型バー ジョンニスモも、日産自動車のワークスチームであるニスモ(NISMO)と、オーテックジャパンの融合によって生まれる、 究極のハイパフォーマンスモデルである。基本的な要素は先代のZ33 バージョンニスモのDNAを引き継ぐ流れで開発された。
一番のポイントは、やはりその空力を意識したエアロシステムである。今回のバージョンニスモにも専用のフロントバンパー、リアバンパーそしてリアスポイラーが装着されている。
フェアレディ-Zはノーマルでも空力特性に優れた車であるが、バージョンニスモのエアロを身にまとったフェアレディ-Zは、cd値0.30という世界トップクラスの空力特性を得た。
Z34フェアレディZは、標準モデルで既に非常に高いボディー剛性を持った車である。その標準モデルから更なる強靭なボディーを与え、そのボディーに合わせた足回りの開発がされた。
フロントとリアには、Z33でも採用されたYAMAHA製のパフォーマンスダンパーを装着し、フロントに専用のストラットタワーバーを装着した。そして、この強靭なボディを支えるホイールは、RAYS製の専用鍛造19インチアルミホイールで、サイズはフロント9.5J・リア10.5Jというワイドなリム幅を持つホイールを装備した。
高まったコーナリングフォースを支える足回りは、あらゆるシーンを想定して走りこまれ、専用 のサスペンションとダンパーが開発された。合わせてスタビライザーも変更され、高速安定性、キレのあるステアリングフィール、そしてスポーツフィールを味わないがらも乗り心地の良い環境を作り上げた。
片バンク毎に独立した排気システムである、フルデュアルエキゾーストシステムの採用により、排気ロスを軽減させた。そして、点火時期、混合比のリセッティングを行うことで、中高速域のトルクが増した。
エンジン出力は、ベースモデルの336psに対してバージョンニスモは355ps。トルクはベースモデルが37.2kg-mに対して38.1kg-mを叩き出した。そして、バージョンニスモには、専用のエンジンカバーが与えられた。
ドアトリム、シート、ニーパッドなどにレッドステッチが施され、280km/hメーターとNISMOロゴ入りタコメーターが装着され、シートに座りこんだ瞬間に標準モデルとの違いを体感する。
随所にスポーティーな味付けがされており、一番ドライバーが目にする室内への拘りは、先代のZ33バージョンニスモのDNAを引き継いでいる。